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再録・誌上ケース検討会

このコーナーは、月刊誌「ケアマネジャー」(中央法規出版)の創刊号(1999年7月発刊)から第132号(2011年3月号)まで連載された「誌上ケース検討会」の記事を再録するものです。
同記事は、3人のスーパーバイザー(奥川幸子氏、野中猛氏、高橋学氏)が全国各地で行った公開事例検討会の内容を掲載したもので、対人援助職としてのさまざまな学びを得られる連載として好評を博しました。
記事の掲載から年月は経っていますが、今日の視点で読んでも現場実践者の参考になるところは多いと考え、公開することと致しました。


第14回 全盲の夫と要介護5の妻の在宅生活をどう支えていくか
(2005年9月号(2005年8月刊行)掲載)

スーパーバイザー

野中 猛
(プロフィールは下記)

事例提出者

Gさん(居宅介護支援事業所・看護師)

事例の概要

提出理由
 クライアントは、ともに要介護状態にあるご夫婦。子どもはなく、結婚以来ずっと二人で暮らしてきた。平成14年から介護保険を利用し、在宅生活を送っている。「このまま二人で家で暮らしていきたい」との思いに沿った支援をしたいと考えているが、夫婦の健康管理が難しく、ともに病状悪化も懸念される状況にある。しかし、二人とも施設の利用はまったく考えていない。
 夫の姉がキーパーソンとしてかかわっているが、介護には参加せず、施設入所にも拒否的である。ケアプランも行き詰まった状態であり、今後どのように支援体制を整えていくかが課題となっている。現状に対して何らかの突破口を見出せればと思い、提出した。
クライアント
D氏(夫・64歳・要介護3)、Eさん(妻・62歳・要介護5)
病名
D氏:糖尿病、糖尿病性網膜症、Eさん:脳出血、脳梗塞、慢性関節リウマチ、うつ病、慢性気管支炎

プロフィール

野中 猛(のなか たけし)

1951年生まれ。弘前大学医学部卒業。藤代健生病院、代々木病院、みさと協立病院、埼玉県立精神保健総合センターを経て、日本福祉大学社会福祉学部教授。専攻は臨床精神医学、精神障害リハビリテーション、地域精神保健、精神分析学など。主な著書に『心の病 回復への道』(岩波新書)、『図説ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『多職種連携の技術(アート)』(以上、中央法規出版)、『ソーシャルワーカーのための医学』(有斐閣)などがある。 2013年7月逝去。