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特集⑦ 合格に向けた冬の学習法

こんにちは! けあサポ編集部です。冬が始まり、国家試験まで残り約2か月となりました。受験対策の状況は皆さんさまざまと思いますが、まだ時間はありますので、さらなる得点アップを目指して、この冬を乗り切りましょう。
今回は、けあサポ講師陣から受験される皆さんへ「合格に向けた冬の学習法」をお伝えします。国家試験までの時間を有効に活用し、成果を上げるための参考としてご覧ください。
皆さんの合格をお祈りして、けあサポ編集部が伴走いたします!


この時期が大事! ラストスパート次第で「合格」できる!
〜この冬、そして年末年始にかけての学習法~

はじめに

 本日は、特集号です。受験勉強を始めてみると、自分のできなさや、暗記力の悪さに悔しく、情けなく感じている方、長く受験勉強からはなれ勉強法や勉強のコツが分からなくて諦めてしまおうと思っている方、勉強に伸び悩み、スランプの中にある方もいらっしゃるかと思います。また、仕事や子育て、就活や卒論など、国家試験勉強に集中できない方もいらっしゃるかと思います。
 本日は、皆さんが悩んでいる国家試験の「冬の勉強法」について、アドバイスをしたいと思います。私は、国家試験や受験対策に携わり約20年になりますが、この間にたくさんの合格された方々や、不合格だった方々とお会いして、お話を聞いてきました。そんな体験談をもとに、この冬、そして年末年始にかけての勉強法をお話ししたいと思います

間違えた「問題」を明らかにし、さらに深め、暗記項目を増やす

 春から夏、そして秋へと国家試験勉強を積み重ねてきた皆さんは、社会福祉士国家試験のポイントがわかってきたのではないでしょうか。社会福祉士の国家試験は、重要な項目や内容については、毎年のように出題されます。人名や理論、制度の概要などを理解して問題に正解した時は、嬉しいですし、勉強の楽しさを感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 一方で、勉強を進めているからこそ、「スランプ」や「伸び悩み」の状況にある方もいらっしゃると思います。「辛い状況」と感じられかもしれませんが、この冬の過ごし方次第で得点アップができますので、ぜひご参考ください。

 ここからの勉強法は、まず『問題』にあたり、問題で間違えた内容から用語や語句を点検するとともに、設問文の誤りを正しい文章に直し、さらに芋づる式に暗記項目を増やし、内容の深度を深めていく学習法が重要となります。『問題』については、中央法規出版の「過去問題解説集」が、最新の3か年、プラス2年分の合計5か年分が収録されています。新しいものから取り掛かるといいと思います。過去問題を解いて、まず、間違えた設問文を正しい文章に直します。この「誤った設問文を正しい文章に直す」学習法は効果的です。具体的には、解説集の詳細で、具体的な解説をもとに行います。
 ここからはもう一歩踏み込んだアドバンスコースでが、さらに、関連項目の知識を芋づる式に広げ、深めていきます。この芋づる式勉強の際に役立つのが「ワークブック」「合格テキスト」です。詳細の内容まで取り扱っていますので、関連の知識を整理するときに役立ちます。そして、「ワークブック」や「合格テキスト」を活用するときには、ノートのように、どんどん、関連項目や知識を書き込んでいってしまうことです(索引も有効に活用しましょう)。試験当日は、この「ワークブック」または「合格テキスト」の一冊(正式には、共通科目編と専門科目編の2冊になります)だけ、試験会場に持っていきます。ただし、この勉強をやり出すと、キリがなくなってしまいますので、ある程度のところで切り上げてください。150点満点を取るのであれば必要な勉強法かもしれませんが、国家試験の合格点は6割の90点+αです。
 そして、過去問題が終わってしまった方は、さらに応用の知識を得るために「模擬問題集」の「問題」をベースに、同じように問題を解いて、解説を活用して、誤った設問文を正しい文章に直し、さらに芋づる式に暗記項目を増やし、内容の深度を深めていきます。この時も、やはり「ワークブック」や「合格テキスト」をノートのように活用して、どんどん書き込んでいきます。

<勉強サイクルのイメージ>

受験勉強のコツ

 受験勉強のコツとして、2つのコツを伝授したいと思います。
 まず、暗記を要する国家試験では、どのように暗記をするのか? が重要になってきますね。そこで、「エビングハウスの忘却曲線」というものを紹介したいと思います。これは、人が暗記したとき、「どれくらい覚えていられるか(忘れてしまうのか)」というもの時間ごとに曲線化したものですが、それによると、人は、暗記から20分後には42%も忘れてしまい、60分後には、56%も忘れてしまうということです。さらに、1日後では67%も忘れてしまっているということです。逆を言えば、60分後には44%は思い出すことができ、1日後には26%思い出すことができるということを示しています。つまり、わずか数分でも、復習をしておくと、記憶が定着するということです。私が推奨しているのは、1日の終わりと、次の日の朝に10分でいいので、当日、前日の学習を振り返る時間を設けることです。このように、短期記憶(数秒から数分の短い時間の記憶)をリハーサル(音韻的な繰り返し)や復習をすることで、長期記憶として定着した情報となり、保持され、国家試験当日に混乱なく想起(思い出す)されます。これがひとつ目の受験勉強法のコツです。

 次に、自分の勉強が本当に身になっているのか? とても気になりますね。そこで、「腕だめし」として、各種模擬試験を受験してみてはいかがでしょうか? 中央法規でも、「中央法規模試」「ソ教連模試」などあります。また、模擬試験に間に合わなかった方は、例えば、昨年度の第34回試験や、「模擬問題集」の1回分を国家試験当日と同じ時間で実施してみてもいいかと思います。その時、仲間と一緒にやり、他の人に採点してもらってもいいかもしれません。そして、ここで重要なことは、模擬試験での点数に一喜一憂しないということです。〈良かった方はさらに気を引き締め〉、〈悪かった方は基礎・基本に立ち返る〉こと、つまり、今の自分の理解度、現状をよく理解することが大切です。そして、科目や項目の弱みや強みも知ることができるので、弱みについては、「過去問で問題に当たる」「解説集や参考書を中心整理する」ことで強化し、強みについては、「模擬問題で問題にあたる」「芋づる式に暗記項目を増やす」ことでさらに伸ばしていきましょう。

おわりに

 今回は、特集号として、この冬、そして年末年始にかけて行う勉強方法についてお話ししました。タイトルの通り、「この時期が大事!」で、「ラストスパート次第で、合格にも、不合格にもなる」と思います。皆さんお忙しいと思うので、なかなかまとまった時間を作ることが難しいかと思いますが、少しの頑張りが、国家試験の1点、2点につながります。例年、不合格になってしまった方で、「1点、2点に泣いた」という方はとても多いです。この冬(年末年始)は国試一色にしてみませんか? 5年後、10年後、「あの2022年、23年の年末年始・・ 私は国試勉強頑張って、今では立派な社会福祉士として頑張っているじゃないか」と思い出せる冬(年末年始)にしましょうね。

最後の最後まで、諦めず、一緒に頑張りましょう!!

(文責:露木信介)