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特集③ 効果バツグン!夏の勉強法

こんにちは、けあサポ編集部です。新年度を迎えたと思っていたら早4か月!夏の暑さもこれから本番を迎えます。試験勉強は進んでいますか。
夏は、まとまったお休みをとれる方、時間はあっても諸事情あって勉強に手がつかない方、お仕事一色の方など、さまざまいらっしゃいます。
そこで、今回はけあサポ講師陣から受験生の皆さんへ、効果バツグンの「夏の勉強法」を伝授します。ぜひ、これからの勉強の参考にしてみてください。


夏を制するものを「国試」を制する!? この夏から秋に向けての勉強法

 4月から新講座「5分で学ぶ露木先生の合格ゼミ−社会福祉士受験対策講座」、通称『露木ゼミ』を担当している露木信介です。これからますます暑くなっていきますが、みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

 本日は特集号です。受験勉強を始めている方は、自分のできなさや暗記力の悪さに悔しく、情けなく感じている方もいらっしゃるかと思います。長く受験勉強からは慣れ勉強法や勉強のコツが分からなくて諦めてしまおうと思っている方もいらっしゃるかもしれません。また、勉強に伸び悩み、スランプの中にある方もいるでしょうし、仕事や子育て、就活や卒論など、国家試験勉強に集中できない方もらいらっしゃるかと思います。

 今回は、皆さんが悩んでいる国家試験の勉強法についてアドバイスしたいと思います。私は、国家試験や受験対策に携わり15年以上経ちますが、この間にたくさんの合格された方々や、不合格だった方々とお会いして、お話を聞いてきました。そんな体験談をもとに、この夏から秋にむけての勉強法を2つのタイプに分けてお話ししたいと思います。

タイプ1 用語がわからない「あなたへ」

 この状態ですと、問題どころか、勉強自体が億劫だと思います。やはり、用語がある程度わからないと、勉強は面白くありませんし、身になっている実感がわかないと思います。そこで、このようなタイプの方は、まず、用語を整理することから始めましょう。ただし、無駄に用語を書き出して、暗記カードなどを作るのではなく、学習の中で繰り返し出てくる用語や語句について、参考書などを活用して、内容を整理した上で、暗記へとつなげていきます。この用語を学習する方法として、「合格テキスト」などを利用していかがでしょうか。こちらの「合格テキスト」は、端的に用語や語句を説明し、また図表を用いて整理しているため、初心者にはおすすめの一冊です。
 この「合格テキスト」で、社会福祉やソーシャルワーク、試験特有の用語に慣れてきた段階で、過去問題を解き始めます。最初は、用語に慣れたと言え、ほとんど間違えてしまうでしょう。しかし、間違えたところから受験勉強は始まります。まずは、この間違えから重要な用語を抽出し、「合格テキスト」を使って整理します。具体的には、間違えた設問文について、解説が充実している「過去問題解説集」を活用して、解説の赤文字を中心に、内容の理解を進めます。この時、「Point」にも目を通して、この問題がどのような内容や範囲を対象としていて、具体的にどのような知識が必要になるかを確かめます。ここで、いくつかの用語が出てくるかと思いますので、そのチェックの際は、「合格テキスト」の後ろに掲載されている「索引」から該当ページを当たります。

タイプ1の勉強サイクル

タイプ2 用語が頭に入っている「あなたへ」

 このタイプの皆さんは、少しずつ、社会福祉士や試験の概要が理解しつつあるのではないでしょうか。社会福祉士の国家試験は、重要な項目や内容については、毎年のように出題されます。勉強を進めるなかで、人名や理論など徐々に理解し始めてくると、問題を正解した時の嬉しさや、勉強の楽しさを感じることも増えてくるでしょう。一方で、勉強を進めているからこそ、「スランプ」や「伸び悩み」の状況にある方もいらっしゃるかもしれません。これは本当に辛い状況だと思います。
 さて、このようなタイプの方々への勉強法は、まず問題にあたり、問題で間違えた内容から用語を点検するとともに、設問文の誤りを正しい文章に直し、さらに芋づる式に暗記項目を増やし、内容の深度を深めていく学習法です。中央法規出版の「過去問題解説集」は、最新の3年、プラス2年分の合計5年分が収録されています。新しいものから取り掛かるといいと思います。過去問題を解いて、まず、間違えた設問文を正しい文章に直します。この誤った設問文を正しい文章に直す学習法は効果的です。具体的には、解説集の詳細で、具体的な解説をもとに行います。
 ここからはもう一歩踏み込んだアドバンスコースでが、さらに、関連項目の知識を芋づる式に広げ、深めていきます。この芋づる式勉強の際に役立つのが「ワークブック」です。詳細の内容まで取り扱っていますので、関連の知識を整理するときに役立ちます。そして、「ワークブック」を活用するときには、ノートのように、どんどん、関連項目や知識を書き込んでいってしまうことです(索引も有効に活用しましょう)。試験当日は、この「ワークブック」1冊(正式には、共通科目編と専門科目編の二冊になります)だけ、試験会場に持っていきます。ただし、この勉強をやり出すと、キリがなくなってしまいますので、ある程度のところで切り上げてください。150点満点を取るのであれば必要な勉強法かもしれませんが、国家試験の合格点は6割90点+αです。 合格点が高かった年でも、7割105点です。
 過去問題が終わってしまった方は、さらに応用の知識を得るために「模擬問題集」の問題をベースに、同じように問題を解いて、解説を活用して、誤った設問文を正しい文章に直し、さらに芋づる式に暗記項目を増やし、内容の深度を深めていきます。この時も、やはり「ワークブック」をノートのように活用して、どんどん書き込んでいきます。

タイプ2の勉強サイクル

受験勉強法するすべての方へ

 受験勉強をされるすべての方に共通する勉強法について、2つ紹介します。
 まず、暗記を要する国家試験では、どのように暗記をするのかが重要になってきます。
そこで、エビングハウスの忘却曲線というものを紹介したいと思います。これは、人が暗記したとき、「どれくらい覚えていられるか(忘れてしまうのか)」というもの時間ごとに曲線化したものですが、それによると、人は、暗記から20分後には42%も忘れてしまい、60分後には、56%も忘れてしまうということです。さらに、1日後では67%も忘れてしまっているということです。逆を言えば、60分後には44%は思い出すことができ、1日後には26%思い出すことができるということを示しています。つまり、わずか数分でも、復習をしておくと、記憶が定着するということです。私が推奨しているのは、1日の終わりと、次の日の朝に10分でいいので、当日、前日の学習を振り返る時間を設けることです。このように、短期記憶(数秒から数分の短い時間の記憶)をリハーサル(音韻的な繰り返し)や復習をすることで、長期記憶として定着した情報となり、保持され、国家試験当日に混乱なく想起(思い出す)されます。

腕試しに「模擬試験」を受験してみる

 自分の勉強が本当に身になっているのか、とても気になりますね。そこで、「腕だめし」として、模擬試験を受験してみてはいかがでしょうか。中央法規出版では「中央法規全国模試」を実施しています。こちらについては、現時点の力試しとして活用してもいいですし、今この時期でなくても大丈夫です。夏にじっくり学習を進めて、秋頃に模擬試験を受けてみるといいでしょう。ただし、「模擬試験」の点数に一喜一憂しないでくださいね。結果が良かった方はさらに気を引き締め、悪かった方は基礎・基本に立ち返ることが重要です。そして、科目や項目の弱みや強みも知ることができるので、弱みについては、「過去問で問題に当たる」「解説集や参考書を中心整理する」ことで強化し、強みについては、「模擬問題で問題にあたる」「芋づる式に暗記項目を増やす」ことでさらに伸ばしていきましょう。

2023年の夏は「国試の夏」に!

 今回は、この夏から秋にかけて行う勉強法についてお話ししました。タイトルの通り、「夏を制するものは「国試」を制する!」と思います。皆さんお忙しいと思うので、なかなかまとまった時間を作ることが難しいかと思いますが、少しの頑張りが、国家試験の1点、2点につながります。例年、不合格になってしまった方で、「1点、2点に泣いた」という方はとても多いです。2023年の夏は国試の夏にしてみませんか? 5年後、10年後、『あの夏に、私は国試勉強頑張って、今では立派な社会福祉士として頑張っているじゃないか』と思い出せる夏にしましょうね。

 最後の最後まで、諦めず、一緒に頑張りましょうね。