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【専門家監修】100均材料で手作り! 自立課題のアイデア集

自立課題の制作の仕方がわかる!

自閉症や知的障害のある人が自立的に行動できるツール「自立課題」。
取り入れたいけど制作や実践の仕方がわからない…という方のために、自立課題の効果やねらい、制作に便利や道具、制作例をご紹介します!

【この記事を監修した人】

社会福祉法人大府福祉会 たくと大府 施設長
林 大輔 氏

社会福祉士、公認心理師。
TEACCHプログラム研究会愛知支部代表。
自閉症・行動障害をもつ方々を支援する現場の最前線で日々実践に携わる。
現在までに制作した自立課題の数は400点以上。

目次

自立課題とは?

自立課題とは、主に自閉症の人を対象にした、机上で行うことを中心とした教材です。
「構造化」という手法を用いて、始めから終わりまで自分一人で取り組むことができるよう設定された活動を指します。

自立課題には、以下のような効果があります。

  • ・社会性を学べる
  • ・認知、言語理解など学習の基礎スキルを育める
  • ・視覚や聴覚の刺激を楽しめる
  • ・余暇活動に応用できる
  • ・職業スキルに応用できる

制作に便利な道具

自立課題の制作にあたって、あると便利な機材や道具をご紹介します。

・パソコン
自立課題の部品に貼り付けるイラストや写真などダウンロードするときなどに使います。
著作権フリーのサイトも数多くあり、欲しい画像をたくさん入手することができます。

・カメラ・スマートフォン
インターネット上で見つけられない写真などを撮影するときに使います。

・カラープリンター
ダウンロード・撮影した画像の印刷に使います。

・ラミネーター
紙など破れやすいものには、ラミネート加工をして強度を高めます。

・面ファスナー
マジックテープⓇが代表的です。

裏面に粘着テープが付いているタイプのものは、ラミネートシートや樹脂製のトレー、木片にもよく付き相性が良いです。

・電動ドリル
穴あけもドライバーも両方できるものが便利です。

木片に穴をあけて、何かをプットインできるようにしたり、ねじで木片や板を貼り合わせたり、つなげるときによく使います。

・梱包用OPPテープ(透明)
面ファスナーと同じく、様々な素材に貼ることができます。

人の手では破れないほど丈夫なので、作った自立課題の補強として使うことも多くあります。
水に強く、壊れたときの補修用としても便利です。

透明なので地の文字や色が見えますし、さらに油性ペンで地を書いたり色をつけたりすることができます。

100均材料を活用する

100円ショップは、自立課題の材料の宝庫です。

100円ショップの製品は、中仕切りや色などに統一感があり、自閉症や知的障害のある人に好まれやすい形状・性状のものが多くあります
ストロー・ネジ・容器などは豊富なサイズがあり、数も多く入っているのでとても重宝します。

100円ショップをぶらぶらして、使えそうな材料を探してみましょう。
自立課題のアイデアが広がります。

おすすめ自立課題3選

ピンポン玉をプットイン

長さの異なる筒状の容器にピンポン玉を入れていき、すべてのピンポン玉が容器いっぱいに入ったらゴールです。

穴のあいた容器に物を入れたり、穴に挿し込んだり、はめるなどの動作を行う「プットイン」の自立課題です。

プットインは、入れたときの音など感覚的な刺激も得られ、比較的簡単な動作でできるものが多いので、自立課題の導入として使用しやすいものが多くあります。
はじめての自立課題におすすめです。

材料と道具

  • ・トレイ
  • ・クリアファイル
  • ・ピンポン玉
  • ・ピンポン玉を入れるケース
  • ・テープ
  • ・油性ペン
  • ・ハサミ

作り方

  • ① クリアファイルを切り開いて1枚に広げ、ピンポン玉が入る太さに合わせて巻きつけ、テープで留めます。余った部分は切り落とします。
  • ② ①に、ピンポン玉を入れながらちょうどいい高さの位置で印をつけ、切り落とします。
  • ③ 筒の状態が固定されるようテープでしっかり補強し、トレイにテープで留めます。
  • ④ 筒にピンポン玉がスムーズに入れば完成!

たくさん? すこし? はんぶん?

飲み物の入ったコップを、適した種類・量の場所に貼っていきます。

自閉症のある人は、「多い」「少ない」など概念的な考え方が苦手な場合があります。
日常生活で頻繁に使う抽象的な表現を知っておくことがねらいです。

材料と道具

  • ・ジュースなどの飲み物のイラスト
  • ・さまざまな形のコップのイラスト
  • ・色鉛筆
  • ・面ファスナー
  • ・ラミネートシート

作り方

  • ① 下地となる表を表計算ソフトなどで作ります。
  • ② 飲み物と透明なコップのイラストを印刷して切ります。
  • ③ コップのイラストに「たくさん」「すこし」「はんぶん」の量の飲み物の色を塗ります。
  • ④ コップのイラストをラミネート加工して、コップのふちから数ミリ程度余白を残して切ります。小さなものをラミネート加工するときは、ラミネート紙にのりで軽く仮止めしておくと、加工する際のズレが防止できます。
  • ⑤ 表の中のコップと、色を塗ったコップの裏面に面ファスナーを貼ります。色を塗ったコップをランダムに並べたら完成!

靴下干し

靴下をすべての洗濯バサミに干すことができたらゴールです。

洗濯物干しのスキルが高められるのはもちろん、手先も鍛えられます。

材料と道具

  • ・トレイ
  • ・とじひも
  • ・洗濯バサミ
  • ・靴下を入れるケース
  • ・園芸用プランタースタンド
  • ・赤ちゃん用靴下
  • ・カッター
  • ① プランタースタンドをトレイに設置します。トレイからはみ出る場合は、トレイにカッターで切り込みを入れます。
  • ② プランタースタンドに、とじひもを使って洗濯バサミをくくりつけます。
  • ③ 靴下を入れたケースをトレイの中央に置いたら完成! 必要に応じて、靴下に油性ペンで、洗濯バサミを留める場所のしるしを入れましょう。

一人ひとりに合った自立課題を計画する

自立課題はやみくもに作ればよいわけではなく、すべてに「ねらい」があります。

「余暇を充実させる」「スキルを伸ばす」「新たなチャレンジをしてもらう」など、一人ひとり固有のねらいを見つけて、その人の好きなものなども取り入れながら、楽しくねらいを達成できる自立課題を計画してみましょう。

もっと知りたい方に! おすすめ書籍

本記事の内容は、下記書籍の内容をもとに編集・作成しております。

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諏訪利明=監修/林 大輔=著

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