メニュー(閉じる)
閉じる

ここから本文です

認知症は何科を受診すればいい? 専門医が教える! 受診のタイミングや病院選びのポイント

認知症は何科を受診すればいい? 専門医が教える! 受診のタイミングや病院選びのポイント

【この記事を監修した人】

相生山ほのぼのメモリークリニック院長
松永 慎史 氏

認知症専門医・老年精神専門医。認知症と高齢者の内科、精神疾患の診療が専門でありながら、一般的な内科疾患や心療内科の診療も行い、地域のかかりつけ医としての役割も担っている。

目次

1 早すぎることはない! 受診のタイミングは?

 久しぶりに家族に会ったときなどに、「同じ話を何度も言う」「同じ物を買ってくる」といった言動がみられると「もしかして、認知症かな」と思うことがあるかもしれません。しかし、すぐに受診はハードルが高く、「様子を見てみよう」と判断される方も多いのではないでしょうか。

 認知症初期は、老化によるもの忘れとの違いが区別しづらく、受診のタイミングを逃してしまうこともあるかもしれませんが、違和感を覚えた場合は、なるべく早めに受診することをおすすめします!

 認知症の早期発見のために、下記のような認知症の初期症状のチェックリストを活用し、認知症の可能性があるか、確認してみるのもよいでしょう。

認知症の初期症状のチェックリスト

□同じ話を何度も言う
□探し物が増える
□慣れ親しんだ道で迷う
□冷蔵庫に賞味期限切れの食品や同じ食品がある
□なんだか元気がない
□言葉が出てこず、「あれ」「これ」などの代名詞が増える
□物を盗られたと言う

2 認知症かもと思ったら、何科を受診すればいい?

 受診しようと思ったら、まずはかかりつけ医に相談するのがおすすめです。しかし、かかりつけ医がいない場合などは、「もの忘れ外来」「認知症外来」といった専門外来を選ぶのもよいでしょう。その際、何科を受診すればよいのか、各科の特徴を解説します!

1 精神科

 妄想、幻覚、気分が落ち込むなどの精神症状があらわれている場合は、精神症状の治療が得意な精神科を受診するのがよいでしょう。

2 脳神経内科

 歩行の障害、手が震える、身体の動きが悪いなど、脳からくるような身体症状があらわれている場合は、脳神経内科を受診するのがよいでしょう。

3 脳神経外科

 脳出血、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍など脳の外科的治療が必要な病気の心配がある場合、脳神経外科を受診するのがよいでしょう。

4 老年内科

 高齢者の内科疾患全般を診てくれます。認知症かどうか判断がつかないとき、まず、老年内科を受診するのもよいでしょう。

3 押さえておきたい! 病院選びのポイント

 専門外来のなかでも、クリニックや大学病院などさまざまな種類がありますが、病院選びのポイントとしては、四つあります。

1 病院までの距離

 認知症は診断が確定するまでに、診察、検査、結果説明など3回程度の受診が必要な場合があります。自宅から通いやすい場所にあるかを確認します。

2 検査の設備

 認知症の診断には、CT検査MRI検査が必要です。設備がない病院の場合、ほかの医療機関に行く必要があり、受診の負担が増えることがあります。必要な検査ができる設備があるか、事前にホームページなどで確認するのもよいでしょう。

3 紹介状の必要性

 大学病院など大きな病院の場合、紹介状が必要になることもあります。事前に確認しましょう。

4 専門職の配置

 医師以外に心理的なサポートをしてくれる心理士看護師、制度やサービスに詳しい精神保健福祉士などがいるかも確認しておくとよいでしょう。

4 本人が受診を嫌がるときはどうすればいい?

 本人が受診を嫌がっているときに無理矢理、受診させようとするのは逆効果です。いきなり、受診ではなく、地域包括支援センターに相談してみたり、地域のもの忘れ検診に参加したりするなど、少しずつステップを踏んでいくのもよいでしょう。

 そのほか、認知症初期集中支援チームなどの専門機関に相談するなど、家族だけで抱え込まないことが大切です。

5 まとめ

 認知症の受診のタイミングや診療科・病院選びのポイントを解説しました。自分自身や自分の大切な人が認知症かも?と思ったときは、早めの受診をおすすめします。その他の日常生活の不安についても、専門機関に相談したり、書籍を参考にしたりしながら、正しい情報を得ることが大切です。


詳しく知りたい方にはコチラの本がおすすめ!

家族のための はじめての認知症ガイド

病気のこと、介護のこと、お金のこと、サービスのこと、家族の不安を丸ごと解決する1冊!

松永慎史=編著

家族が認知症かも?と思ったときまず手に取りたい1冊。病院の選び方・相談先、認知症の種類・症状、本人へのかかわり方、介護保険サービスの種類・使い方、活用できる制度、死亡後の手続きまでフルカラーで整理。家族支援に強い認知症専門医が対話形式でやさしく解説♩