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再録・誌上ケース検討会

このコーナーは、月刊誌「ケアマネジャー」(中央法規出版)の創刊号(1999年7月発刊)から第132号(2011年3月号)まで連載された「誌上ケース検討会」の記事を再録するものです。
同記事は、3人のスーパーバイザー(奥川幸子氏、野中猛氏、高橋学氏)が全国各地で行った公開事例検討会の内容を掲載したもので、対人援助職としてのさまざまな学びを得られる連載として好評を博しました。
記事の掲載から年月は経っていますが、今日の視点で読んでも現場実践者の参考になるところは多いと考え、公開することと致しました。


第12回 40代半ばの精神障害者の生活支援をどうすすめていくか
(2005年7月号(2005年6月刊行)掲載)

スーパーバイザー

野中 猛
(プロフィールは下記)

事例提出者

Mさん(精神科ソーシャルワーカー・病院勤務)

事例の概要

クライアント:A氏・46歳・男性
疾患名:躁うつ病?(昭和50年発症)
服薬管理:自己管理できている(朝、夜、頓服)
通院状況:週1回(金曜・デイケア来所及び診察)
障害者手帳:なし
生活維持の手段:障害年金(基礎1級)、職親からの賃金(2.7万円/月)。不足気味である。
金銭管理:1カ月に1度、実家にて年金を受け取る。賃金は自己管理。
対人関係:友人は多く、生活している援護寮でもリーダー的存在。
家族関係:両親は健在(父73歳、母70歳)で、隣町に居住。家族内で最も発言力があるのは母親で、本人は時として母親と衝突している。
趣味等:パチンコ
病状対処能力:頓服の服用及びスタッフへ相談することで対応。
具合が悪い時の状態:将来の不安、金銭面での不安等で抑うつ的になりやすい。無口で不機嫌となる。以前は、躁状態の時に多動多弁が見られたが、ここ数年はない。

プロフィール

野中 猛(のなか たけし)

1951年生まれ。弘前大学医学部卒業。藤代健生病院、代々木病院、みさと協立病院、埼玉県立精神保健総合センターを経て、日本福祉大学社会福祉学部教授。専攻は臨床精神医学、精神障害リハビリテーション、地域精神保健、精神分析学など。主な著書に『心の病 回復への道』(岩波新書)、『図説ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『多職種連携の技術(アート)』(以上、中央法規出版)、『ソーシャルワーカーのための医学』(有斐閣)などがある。 2013年7月逝去。