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再録・誌上ケース検討会

このコーナーは、月刊誌「ケアマネジャー」(中央法規出版)の創刊号(1999年7月発刊)から第132号(2011年3月号)まで連載された「誌上ケース検討会」の記事を再録するものです。
同記事は、3人のスーパーバイザー(奥川幸子氏、野中猛氏、高橋学氏)が全国各地で行った公開事例検討会の内容を掲載したもので、対人援助職としてのさまざまな学びを得られる連載として好評を博しました。
記事の掲載から年月は経っていますが、今日の視点で読んでも現場実践者の参考になるところは多いと考え、公開することと致しました。


第40回 援助過程に専門性を実感できなかった事例を振り返る
(2002年5月号(2002年4月刊行)掲載)

スーパーバイザー

奥川 幸子
(プロフィールは下記)

事例提出者

Sさん・医療ソーシャルワーカー(MSW)

事例の概要

Gさん、女性、73歳
疾患名:心気神経症、自律神経失調症、神経性頻尿
家族構成:本来は親子3人の世帯であるが、現在夫は当院併設の介護老人保健施設に入所しており、同居人は娘のみ。
生活歴
 Gさんは4男2女の4番目として生まれる。母親は本人が5歳のときに病死。現在、きょうだいはすべて亡くなっている。
 戦前、一家で満州へ渡る。終戦後、日本に引き上げ、兄と一緒に行商をして生計を立てる。その後、温泉旅館の仲居として働き、その間に結婚する(30歳ごろ)。34歳で長女を出産。
 夫は大工をしていたが、収入はさほど多くなく、Gさんは家計を助けるために働きづめの人生であった。現在でも体調のよい週末などは、近所の食堂を手伝っている。
娘について
 娘は21歳のとき親の反対を押し切り結婚するが、3カ月で離婚(理由は不明)。離婚が原因で精神疾患(躁鬱)を患う(娘より聞き取り)。1年半の入院を経て退院するが、またいつか再発するのではないかとの不安を抱えたまま毎日の生活を送っている。

プロフィール

奥川 幸子(おくがわ さちこ)

対人援助職トレーナー。1972年東京学芸大学聾教育科卒業。東京都養育院附属病院(現・東京都健康長寿医療センター)で24年間、医療ソーシャルワーカーとして勤務。また、金沢大学医療技術短期大学部、立教大学、日本社会事業大学専門職大学院などで教鞭もとる。1997年より、さまざまな対人援助職に対するスーパーヴィジョン(個人とグループ対象)と研修会の講師(講義と演習)を中心に活動した。主な著書(および共編著)に『未知との遭遇~癒しとしての面接』(三輪書店)、『ビデオ・面接への招待』『スーパービジョンへの招待』『身体知と言語』(以上、中央法規出版)などがある。 2018年9月逝去。