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ケアマネジャーの実践に活かすヒント集

 本連載は、2007年に『ケアマネジメント実践ノート』として連載した内容をリニューアルして再掲するものです。あれから15年がたち私たちの実践には、変わったこともあれば、変わらずに大事なこともあります。
 コロナ禍もあって、大変さが増すばかりのケアマネジャーの仕事ですが、大変さ以上の魅力がつまった仕事でもあります。「難しい……」を少しでも「面白い!」に変えていけるヒントをお伝えしていきたいと思いますので、最後までお付き合いくださいませ。


第14回 ケアマネ実践のヒント(5)モニタリング(3)なぜモニタリングが大切なのか

吉田光子

郡山ソーシャルワーカーズオフィス代表。ソーシャルワーカーとして病院、特養、老健、在宅介護支援センター、居宅介護支援事業所等に勤務した後、独立。個人・グループに対するスーパービジョンや各種研修の講師等を行う。

モニタリングの機会にできること

 モニタリングを実際の業務の中でどのように展開していくのかを考えてみましょう。前回モニタリングの機会は日常の中にも存在すると書きましたが、まずは通常の業務、月1回のモニタリングの場面を考えてみましょう。
 大切なことは、今回のモニタリングで確認すべきことを事前に考え、自分なりの予測を立てておくことです。そうすれば、自分の予測が合っていたならその理由を確認すればよく、外れていたらどうしてそうなったのかを多面的に確認すればよいわけです。
 どこから確認していくかは、自分の得意な部分からで構いませんが、見たいことばかりでなく、見落としがないようにする(再アセスメント)ことを意識しましょう。
場合によっては、ケアマネジャーだけでは十分なモニタリングができないこともあるでしょう。そんなとき、関係機関やサービス事業所の方からの情報が重要となります。こちらから問い合わせるだけでなく、こんな場合には教えてほしいと、予測に基づいた視点を提示しておくことで、必要な情報が集まりやすくなります。
 そしてモニタリングの場面で見聞きしたことに違和感がないか、あったとしたらどの点で、なぜ「違和感」と感じたのか、その理由を探そうと繰り返し自問する習慣を持つことが重要です。それがモニタリングの感度と精度を向上させ、そして何気ない日常の中でのモニタリングへとつながっていくのです。

モニタリングはケアプランの精度を上げる!

 復習になりますが、モニタリングとは、再アセスメントの場であると同時に、サービス計画の実施状況を確認し、その効果について確認する場でもあります。計画策定の当初は利用者自身もケアマネジャーもよく見えていなかった目標がはっきりしてきたり、あるいは全く違った課題と目標を見つける場にもなります。
 例えば、当初は入浴の機会確保のためにデイサービスを利用していたとしても、利用する中で「自宅でも入浴したい」という新たな目標を見つけたなら、そのために「適切な入浴方法と必要な物品の選定」というより具体的なプランに変化していくこともあるでしょう。
 ケアプランをより効果的で適切なものにしていくことこそ、モニタリングの目的と言えます。

運営基準における位置づけ

 モニタリングは運営基準にも位置付けられている業務であり、行わなければ減算の対象となるほど、重要な仕事です。言い換えるとすれば、ケアマネジャーがその役割を果たすために不可欠の仕事ということもできます。
 もう一つ確認しておきたいのが、モニタリングの対象です。利用者家族にとどまらず、サービス事業者や、場合によっては医師等の医療関係職種との連携を求めているのです。つまり、ケアマネジャーがモニタリングによって把握しなくてはならない「サービス計画の実施状況」とは、単に計画通りにサービスが提供されているかだけではなく、そのサービスが効果を上げているのか、ある関係者にとって周知のことをチームとして共有できているか、また利用者の今後に影響を与えるものの有無、関係者間の協働の必要性など、実は多肢にわたるのです。
 そんなことできないって頭を抱えてしまいましたか? 全てをやらなければならないわけではありません。必要な場合にその視点を忘れないことが重要だと言いたいだけなのです。

自分自身を点検する

 これまでお話ししてきたように、モニタリングは漫然と現在利用しているサービスを継続するかどうかを確認し、翌月の計画を確定させるだけの場ではありません。利用者自身やその環境の変化の有無、その影響を把握し、それをもとに適切なケアプランに結び付けるための重要な機会なのです。しかも、ケアマネジャーが積極的に知ろうとしない限り、なかなかこうした情報を見つけることは難しいのです。
 これまで出会った利用者の生活や変化を参考にしつつ、目の前の方のことを理解しようと努め、その変化を予測していく。まさに自分自身の力量を点検する機会と言い換えることもできますね。

〔吉田光子先生の著作〕

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