今月のケアマネジャー
介護専門職の総合情報誌『ケアマネジャー』最新号の内容をご紹介します。
―要点を押さえる―
2024年度介護保険制度改正
『ケアマネジャー』2023年11月号から、特集(要点を押さえる 2024年度介護保険制度改正)の内容を一部ご紹介いたします。
2024年度の介護保険制度改正も目前に迫ってきました。
ここで今一度、今回の改正で重要な論点となっているポイントを整理し、それがケアマネ業務にどんな影響を及ぼすかをチェックしましょう。
何がどう変わる? ケアマネ業務
改正ポイント① LIFE対応加算
2021年度改正で介護現場に大きなインパクトをもたらした改革といえば、科学的介護の推進。
その具体的なツールがLIFE(科学的介護情報システム)ですが、その対応を要件とした加算が2024年度改正でさらに広がり、居宅介護支援にも波及する可能性が高まっています。
焦点は科学的介護推進体制加算
LIFEをめぐる2024年度の見直しについては、現時点では社会保障審議会の議論の方向性はまだ固まっていません。そうしたなかでも大きな論点となっているのが、科学的介護推進体制加算(以下、LIFE対応加算)の適用範囲です。
現行では、LIFE対応加算は、通所系のほか施設系、居住系、小規模多機能系が対象となっていますが、これを、居宅介護支援や訪問系サービスにも広げるか否かが議論されています。
居宅介護支援等を対象にモデル事業も
きっかけは、厚労省の社会保障審議会が2022年度に実施した調査です。その調査では、200以上の訪問系・居宅介護支援事業所を対象にモデル事業を行い、実際に対象事業所でLIFE対応加算の入力項目に沿って、LIFEへの情報提供とフィードバックの活用が行われました。
モデル事業実施後の調査では、「LIFEがケアの向上に寄与する」と回答した事業所が5割を超えました。しかし、審議会では入力等にかかる従事者負担の観点から慎重論も出ています。
ケアマネ実務はどう変わる?
LIFE対応に必要な設備の導入から
居宅介護支援が、LIFE対応加算の対象サービスになったと仮定しましょう。算定に際しては、まず必要な設備を整える必要があります。
具体的には、①機材(パソコン本体とモニター)、②ソフトウェア(OS、ブラウザ、アプリケーション)、③インターネットの接続環境です。介護事業所であれば、オンライン請求を行ううえで上記の設備は整っているでしょう。ただし、LIFE情報の入力のために、①および②を増設する必要があるかもしれません。
国のICT等導入支援事業による補助金などを活用することも考えておきましょう。
導入から評価までの手順は?
設備が整ったら、厚労省のLIFEのホームページ上の操作マニュアルから導入手順書をダウンロードします。そのなかの手順に沿って必要な設定を行ったうえで、ページ上の「新規登録」のアイコンから登録を行います。
現行のLIFE対応加算の入力項目は、図表1のとおりです。LIFEへの情報提供が必須の項目と任意の項目がありますが、2024年度改正で見直される可能性もあります。
LIFE対応加算におけるLIFEへの情報提供は、少なくとも6か月に1回です(加算の算定は毎月)。ケアマネジャーとしては、3か月に1回のモニタリング訪問の機会を使いながら、情報収集を行うことになりそうです。
LIFE入力の事務負担増か
課題は、LIFEの入力作業の負担です。
前述の厚労省の調査では、データ登録に負担を感じるという回答が75%を超えています。LIFE関連作業の負担に見合う処遇改善が行われるかどうかも大きなポイントとなりそうです。
田中 元 介護福祉ジャーナリスト
編集協力:
高野龍昭 東洋大学福祉社会デザイン学部教授
結城康博 淑徳大学総合福祉学部教授
以上は、『ケアマネジャー』2023年11月号の特集の内容の一部です。ぜひお手に取ってご覧ください。
特集
序 章
私はこう見る 2024年度介護保険制度改正
第1章
何がどう変わる? ケアマネ業務
第2章
あらためて確認しよう! 介護保険法改正
第3章
間もなく期限! 2021年度改正の経過措置
第4章
利用者負担・その他のサービス
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