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今月のケアマネジャー

ケアマネジャー

介護専門職の総合情報誌『ケアマネジャー』最新号の内容をご紹介します。

―バーンアウトしない・させない!―
ケアマネジャーのためのストレスコントロール術

『ケアマネジャー』2023年7月号から、特集(バーンアウトしない・させない! ケアマネジャーのためのストレスコントロール術)の内容を一部ご紹介いたします。

「令和3年労働安全衛生調査(実態調査)」(厚生労働省)によると、仕事や職業生活に関する強いストレスを抱えている労働者は、53.3%に上るといいます(回答者数7,426人)。労働者の約2人に1人が、仕事上のストレスを抱えるなか、現場のケアマネジャーも他人事ではありません。
本特集では、ストレスをコントロールして、バーンアウトをしない・させないための対応術を解説します。


ケアマネジャーとバーンアウト

 読者アンケートの結果では、約9割のケアマネジャーが仕事上のストレスを感じていました。
 ストレスが原因でバーンアウトに陥り、離職に至るといったことを防ぐためにも、まずはバーンアウトについて基本的な内容を押さえておきましょう。

バーンアウトとは

 バーンアウト(burnout)は燃え尽き症候群とも呼ばれ、心身ともにしんどくても頑張って仕事をし続けて、それでも頑張りすぎてしまうことで、最終的に燃え尽きてしまうことを示す概念です。
 この概念は当初、皆さんのような対人援助職特有の職業病として考えられていました。
 対人援助職とは、人に対してサービスを提供する職業の総称で、代表的な職業として介護職や、看護職等の医療従事者、教員等が挙げられます。このような職種についている人たちは、職務上、人とのコミュニケーションが重要であり、その点にやりがいを見出している人が多いのが特徴的です。
 たとえば、自分が行っている業務を通して、利用者が笑顔になったり、感謝の言葉を返してくれたりすることで、「この仕事をやっていてよかったな」とやりがいを感じる人も多いのではないでしょうか?

バーンアウトとストレスの違い

 基本的に人間の心はストレスにさらされるとさまざまな症状を現します。一般的にこの関係はストレス要因(ストレッサー)とストレス反応の関係で説明されます。ここでは仕事のストレス場面で考えてみましょう。
 たとえば、過剰な仕事量によりイライラしてしまう人がいたとします。ストレッサーとは、ストレスの原因そのものを指します。ここでのストレッサーは過剰な仕事量となります。
 一方で、ストレッサーにより引き起こされる反応のことをストレス反応といい、ここではイライラ感がストレス反応となります。
 では、バーンアウトと一般的なストレス反応はどのように異なるのでしょうか? 重要な点は仕事に対して情熱をもち、「頑張りすぎてしまう」という点です。
 先述したとおり、人間の心はストレッサーにさらされるとストレス反応を現すようになっていますが、ストレス反応が出続けても頑張り続けてしまうことで、バーンアウトに陥ってしまいます。バーンアウトに陥ると、何事にも無気力になり、これまで適切に行っていたケアがないがしろになってしまい、利用者に冷たく接したり、攻撃的になってしまうこともあります。
 つまり、バーンアウトに陥ると自分自身のメンタルヘルスの悪化を引き起こすだけでなく、利用者に提供するケアの質も低下してしまうのです。

ケアマネジャーのためのストレスコントロール術

①ストレス予防 ――ストレスを防ぐための基本的対応術

ストレッサーへの対応(コーピング)がストレス予防のカギ

 同じストレッサーなのに、人によってストレス反応が現れたり現れなかったりするのはなぜでしょう。この点に注目したラザルスは、心理学的ストレスモデルによってそのカラクリを説明しました。心理学的ストレスモデルとは、ストレッサーが脅威か否かを判断する一次的評価、そのストレッサーへの対処可能性について判断する二次的評価を経て、ストレッサーに対処するコーピングを実施し、ストレス反応の有無および強弱が決まるとする考えです。コーピングとは、ストレッサーなどの困難な状況に対処することをいいます。つまり、ストレッサーを脅威ととらえすぎてしまい、自分には対処できないと考えると、適切にコーピングできず、強いストレス反応を示すことになるのです。
 ラザルスの心理学的ストレスモデルのうち、一次的評価と二次的評価は「物事のとらえ方」としてまとめてよいでしょう。したがって、ストレッサーがストレス反応をもたらすしくみは、下図のように理解することができます。この図をもとに考えていくと、バーンアウトしないためのストレスコントロール術が見えてきます。

以降は、本誌(ケアマネジャー2023年7月号)をご覧ください。

執筆:竹田伸也
 鳥取大学大学院医学系研究科 臨床心理学講座教授
   福崎俊貴
 鳥取大学大学院医学系研究科 臨床心理学講座講師

以上は、『ケアマネジャー』2023年7月号の特集の内容の一部です。ぜひお手に取ってご覧ください。


特集

Chapter 1
 ケアマネジャーのストレス事情とバーンアウト
Chapter 2
 ケアマネジャーのためのストレスコントロール術
Chapter 3
 事例で考える バーンアウトさせないための対応術
Chapter 4
 私のストレス解消法

『ケアマネジャー 2023年7月号』
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  • けあサポでは今後、中央法規出版発行の月刊誌『おはよう21』『ケアマネジャー』について、最新号のお知らせや、介護現場の皆様に役立つ記事の公開をしてまいります。