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山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術

山口 晃弘(やまぐち あきひろ)

超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。

プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)

介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)がある。

著書

『最強の介護職、最幸の介護術』
『最強の介護職、最幸の介護術』

「#本当の力」

 四月、新年度を迎え、新たなポストに就いた方も多いのではないかと思います。
 人を管理する立場の人は、責任を背負うと同時に、権限を与えられます。
 「権限」を与えられたということは、組織のなかで、限られた範囲内において行使できる決定権を得たということです。決して「権力」ではありません。
 「権力」という言葉は、組織を運営していくなかで、必要ない言葉だと思います。

 私は昔、上下関係が非常に厳しい世界に身を置いていました。
 本来のやるべきこととはまったく関係ないこと、まったく理不尽なことであっても、上からの指示に異を唱えることは許されず、ひたすら耐えるしかない世界でした。年数が経ち、自分が上の立場になったとき、私は同期の者たちに声をかけました。「自分たちがされて嫌だったことは、後輩たちにするのはやめよう」と。
 しかし、同期の者は「バカ言うな。ずっと耐えてきて、やっと自分たちがする側になったんだ」と私の考えを否定しました。

 組織が与えているのは、「権限」です。限られた範囲のなかに、本来の職務とは関係のないことや理不尽なことなどは含まれません。
 オリンピック種目の競技でも、パワーハラスメントが問題になっています。これも一度や二度ではありません。指導する立場の者が、「権限」と「権力」をはき違えている結果のように私は思います。
 ただし、「権限」という言葉の捉え方も難しいのです。限られた権利のなかで、自分が管理しやすいように、自分の言うとおりにする者だけでチームや組織を固めようとしてしまう危険性があります。これでは、自分以上の考えや力量のある者の存在を許さないようになってしまい、新たな価値は生まれません。こういう組織は、能力の高い者が去っていきます。

 本当の力とは、自分と違う価値観を認めること、受け入れることです。部下のなかに、自分と違う価値観をもった者や自分以上の力をもった者が現れたら、それを悦び、受け入れ、その力が発揮できるように、自分に行使できる範囲において、最大限の応援をしてあげること。これこそが本当の力であり、これを繰り返していくことが、組織が未来永劫続いていくことになると私は思います。

 大ハラスメント時代において、部下の指導は本当に難しくなりました。
 言葉や態度には気をつけなければなりません。ただ、問題になることの根底には、相手を思いやる心、成功を願う気持ち、愛情…。そういった人として大切なものが欠けている。そんな気がします。
 人間が本来もっている力とは、愛、優しさ、思いやりなど無形のものです。
 真のリーダーは、部下を権力で管理するのではなく、愛で守ります。

 新年度、新たなポストに就いたリーダーのみなさん。
 頑張ってください!

新刊のお知らせ(編集部より)

このたび、山口晃弘氏の著書が発行されました!
テーマは、介護現場の「リーダーシップ」と「人材育成」です。

現場の職員から「一緒に働きたい!」と思われる人気者リーダーになるために、役立つ知識、使えるツール、心揺さぶられるエピソードが満載の一冊です。ぜひ、ご一読ください!

介護リーダー必読!
元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダーシップの極意
定価 本体2,000円(税別)
A5判、218ページ
ISBN978-4-8058-8278-8

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