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山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術

山口 晃弘(やまぐち あきひろ)

超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。

プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)

介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)がある。

著書

『最強の介護職、最幸の介護術』
『最強の介護職、最幸の介護術』

「春夏秋冬」

花粉症の人だけがマスクを付けていたのが懐かしい。うだるような暑さのなか、私たちはマスクをつけて夏を乗り越えました。短い秋を越え、寒さ厳しい冬をいま、また越えようとしています。

 私は十代から二十代の青春時代を空手のチャンピオンになることだけを夢見て過ごしました。
 入門当初から、一日も休まず稽古に参加していました。
 ある冬の日のこと。外は大雪。私にとってそれは、空手の稽古を休む理由とは思わず、いつも通り稽古に向かいました。「押忍!失礼します!」道場の扉を開けると、なかには師範だけがいました。
 師範はにっこり笑って、「おお、山口よく来たなぁ」と声をかけてくれました。
 師範と二人だけ…当時の私にはものすごいプレッシャーで、緊張で心臓がドキドキしていました。しばらく待ちましたが、誰も来ないので「よし!二人でやるか!」と師範が両の手を叩きました。
 師範とのマンツーマン稽古。贅沢なことですが、あのときの緊張感は、ほかで味わうことのできないものでした。
 一時間半の稽古が終わり、師範は私にこう言いました。
 「いいか、山口。寒い冬に頑張った者が春に芽を出し、暑い夏に頑張った者が秋に実る。いつか全日本でチャンピオンになれ!」
 当時の私は17歳。180㎝、52㎏。チャンピオンどころか、全日本なんて夢のまた夢。ですが、この師範の言葉をきっかけに、数年後に全日本に出場し、チャンピオンにはなれませんでしたが、夢が叶いました。空手の全日本大会は毎年秋に開催されていましたから、師範は「秋に実る」と表現してくださったのだと思います。

 この言葉は、私のその後の人生に大きな影響を与えてくれました。
 寒い冬、暑い夏…それは人がいやがるときや休みたくなるときほど、努力をしなければならない、という意味だったと思います。また、つらいこと、苦しいことから逃げるな、という師範からのメッセージだったのでしょう。

 コロナ禍で、介護や医療の現場は、本当に過酷な環境です。
 しかし、つらい冬を乗り越え、もうすぐ春を迎えます。芽が出るまでもう少しです。そして暑い夏を乗り越えたとき、実りの秋が来ると信じています。
 目の前のことで精一杯になりますが、全国には同じ環境で頑張っている仲間がたくさんいます。みんなで心を一つに、頑張っていきましょう!

新刊のお知らせ(編集部より)

このたび、山口晃弘氏の著書が発行されました!
テーマは、介護現場の「リーダーシップ」と「人材育成」です。

現場の職員から「一緒に働きたい!」と思われる人気者リーダーになるために、役立つ知識、使えるツール、心揺さぶられるエピソードが満載の一冊です。ぜひ、ご一読ください!

介護リーダー必読!
元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダーシップの極意
定価 本体2,000円(税別)
A5判、218ページ
ISBN978-4-8058-8278-8