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和田行男の婆さんとともに

和田 行男 (和田 行男)

「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。

プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)

高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

雑言

 北海道の仲間に連絡すると「今日は60センチ降りましたよ」と笑っていました。
 出勤前に自宅周りの雪かき、出勤しても雪かき、出勤中にも雪かき。大雪の降る地域で仕事をしている介護職員たちにとってこの時期は、「雪に押しつぶされない住環境を整える」のも、「要介護状態にある人たちの暮らしを支える重要な職務」で、その地域の人にとっては「普通の暮らし」の一面なんでしょうね。

 岸田総理になって介護職員の待遇改善が打ち出され、処遇改善補助金として支給が決定しました。
 かつての介護福祉士一人8万円アップの報道で介護現場は混乱しましたが、今回も一人9千円が独り歩きしている感があり、嫌な予感がしています。
 ただ、処遇改善がなされることは間違いなく、負担していただく国民の皆さんへの感謝を忘れてはいけません。ただ、介護職員の平均給与が日本の労働者の平均給与と同じ水準になる日は、いつくるんでしょうかね。

 調べもしないで掲載するのは問題かもしれませんが、消費税16%のかの国の介護士の給与は月額52万円で看護師の56万円と変わらないようですし、かの国は、医療・介護・教育など基本のところに出費がないのですから、日本より「豊かさの実感」は高いのではないでしょうか。

 今日お昼ご飯を食べていると臨席の年輩の方々が話をしているのが聞こえてきたのですが、「年金暮らしはきつい」という話に始まって、「北欧の国では消費税は高いが、医療も介護も教育もカネがかからない。どっちがいいかだな」なんて話になっていました。

 思い返せば、超高齢社会に対応するために消費税を打ち出したこの国ですが、その財源はそのためにだけ使われているわけではなさそうで、いいかげん国民に「負担と安心」への選択肢を出して選択させてはどうかと思うのは僕だけでしょうかね。

 進学して学問を身につけたくても、親の経済的環境で進学できないのは矛盾だと僕は思っていますが、そればかりか介護チルドレンの言葉に代表されるように「それどころじゃない」若者たちがいるこの国は、先進国といっていいのかどうか。
 介護の仕事に就いている者が、親の介護に際して「自分の働いている施設を利用させてやる収入がない」というのも大きな矛盾ですよね。

 話は変わりますが、お昼ご飯を食べているときに話していた年輩の方々の話の中で、知人が親の介護で大変な状況にあることの話がされていたのですが、その中で「少し痴呆もでてきているしね」と言われていたのが聞こえ、久しぶりに耳にした「ちほう」に妙に神聖な感じをもちました。

 僕の著書『大逆転の痴呆ケア』が発刊された後に、痴呆症は認知症に呼称変更され、出版社から「認知症に変えますか」と言ってもらえたのですが、僕は敢えて痴呆にこだわりました。
 その理由は、「痴呆はおかしい」と書いた本なので、痴呆と呼称していた時代を風化させてはならないと思ったからです。

 本の出版後に「痴呆」の呼称は社会的に封印され、出版から19年を迎えた今、「痴呆を久しぶりに聞く時代」に移行できたことに、この国の神聖さを感じた僕でした。

写真

 いやぁ、降りました、積もりました、TOKYO
 僕が上京した途端に大荒れの天気に。さすが嵐男でしょ。すぐに溶けましたが、翌朝はツルンツルン。油断大敵でアイスリンクと化していた裏道でスッテンころり。ケツを思い切り打ちましたわ。

 これは今日の今の東京。これから会議ですが、うちの施設から富士山がかように見えるとは、僕も知りませんでした。僕がガラ系の携帯電話で撮っていると、職員さんが「ガラ系ではきれいに撮れないでしょう」といって撮ってくれました。きれいでしょ。