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和田行男の婆さんとともに

和田 行男 (和田 行男)

「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。

プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)

高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

大逆転の痴呆ケア研修会


 僕がグループホームの実践をスタートさせたのは1999年3月。東京都初の「制度に基づいたもの」でした。
介護保険制度が施行される前ですから、まだ「措置」の頃で、法制度上は「痴呆対応型共同生活援助事業」で「痴呆性高齢者グループホーム」と呼ばれていました。
そして、そこでの実践を軸に僕の考え方をまとめたのが、2003年に出版した『大逆転の痴呆ケア』ですが、ものすごいたくさんの方々に読んでいただきました。今でも読んでいただいているようです。

 本が出版された時は、すでにグループホームでの直接的な実践をしない統括的立場で現在の法人に移っていましたが、僕は自分の法人で「大逆転の痴呆ケアを題材にした研修会」を行ったことがありませんでした。

 巷では、「和田のいる会社に就職したら『大逆転の痴呆ケア』を買わされるぞ」なんて言われた時期もあったようですが、職員さんに買わせたことも現場に配備したことも、もちろんありませんでした。

 それから16年が経ち、僕が統括責任者をしているグループホームやその他の介護保険事業所で、ざっくり言えば「利用者主体の生活支援の実践」が薄まってきていることを、役人さんや見学者や家族から指摘を受けることが多くなり、内部からも声が聞こえるようになりました。

 僕自身は、うちの職員たちが大きな方向性(尊厳が保持され、有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように)を失わなければ、僕から見て「?」に思えることも許容できるかなと思ってきましたが、僕自身の年が増えてきたし、いつどうなってもおかしくない身でもあり、三年前から社内で「遺言研修」という名称の研修会を行うようにしました。

 それはそれで、次代の担い手たちがたくさん来てくれていましたが、「ライブ志向」の僕では、毎月系統的に続けることには無理があり、参加してくれたみんなに申し訳ないと考え、今年度から「大逆転の痴呆ケアを教材にした系統的な研修会」を初めて行うことにしました。もちろん本は自腹で買っていただいています。

 この本に書いたことを読み合わせしながら、その向こう側にあることも交えて語りながら進めているのですが、僕自身「こんなことが書かれていたんや」と思うことがいっぱいあり新鮮です。

各地からお招きいただいて多くの方の前で喋っている僕ですが、実はうちの職員さんの前でじっくり話すことはほとんどなく、これまた新鮮なんです。

 来る10月11日の夜7時から翌朝7時まで「12時間ぶっ通しトークの会」を中央法規出版が開催してくることになり、何人かのゲストに友情出演していただくのですが、この本を書くきっかけをつくってくれた宮崎和加子さん、この本を出版してくれた元中央法規出版の尾崎さんにも来ていただき、改めて「何が大逆転だったのか」を語り合うことになっています。

 出版から16年が経ち、「痴呆症」から「認知症」に呼称が変わった今でも「痴呆」で堂々と本屋に陳列されている『大逆転の痴呆ケア』ですが、それを読み返しながら「今とこれから」を改めて考えたいと思います。

 本棚に眠らせている方、もう一度読み返して、同じように年を重ねてきた僕と一緒に「今の自分の実践」俯瞰してみませんか。
 きっと新鮮ですよ。

写真

 ラグビーワールドカップの「のぼり」が商店街に掲げられていました。おそらく来年はオリンピックの「のぼり」だらけになるんでしょうね。ラグビー、令和天皇、オリンピックと続きますかね。
ここは東京ですが、この「のぼり」の向こう側の建物は、うちのグループホームで、「三階建て3フロア2ユニット16名定員」と頭がこんがらがる構造です。

 かつては土地資源にゆとりのない東京都心部の狭小地にできたグループホームとして、お役人さんたちからも評価をいただきましたが、様々に審査基準が厳しくなっている現在では、こうした特徴的なグループホームは、もう二度とできそうにないですね。

 うちには、メゾネットタイプ(上階のあるタイプ)、分棟タイプ(1ユニットで1棟の建屋が同一敷地内に2棟建っているタイプ)、フロアーに階段がついているスキップタイプなどがありますが…。

 かつては、認知症になっても地域社会に溶け込むように・地域社会をステージに生きて行く支援をおこないやすいように、また主体的で自立的な暮らしを最期まで営めるようにとグループホームを制度化した役人さんたちの心意気を、建物づくりでも感じたものですが、特別養護老人ホームの小型バージョンかと思えるものが増えてきて、志を感じられなくなり、愉しくなくなってきましたね。ザンネン!

■ご案内
10月11日(金)19:00~ 中央法規出版ホールにて
和田行男さんトークイベント「カイゴの晩餐スペシャル」を開催します。
当日は、和田さんのお誕生日。多くのゲストとともに朝まで語り合います。
イベントについての詳細は以下をご覧ください。
https://www.facebook.com/ohayo21

<応募方法>
「おはよう21Facebook」「メール」「FAX」にて受付。
氏名・勤務先・メールアドレス(またはFAX番号)を記載のうえお申し込みください。
<お申し込み・お問い合わせ先>
おはよう21編集部
mail:ohayo21@chuohoki.co.jp
FAX:03-3837-8032
TEL:03-3834-5812
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