メニュー(閉じる)
閉じる

ここから本文です

介護記録に関する疑問

早く、充実した介護記録を書けるようになる方法

 介護はチームで行うもの。引き継ぐ職員に伝えるべきことを記録にして残しておくことは大切な業務の1つです。
 でも、介護業務だけでもとても忙しいために、記録にはなるべく時間をかけたくないのではないでしょうか。

 それにもかかわらず、毎日同じようなことの繰り返しで、何を書いていいかわからず、そのせいで記録を書くのに余計に時間を取られてしまうことってありませんか。
 「何を書いてよいかわからない」でも、「忙しくいから記録は早く済ませたい」そんな介護職のために、どうしたら充実した介護記録を時間をかけずに書けるようになるのかお伝えします。

①「どう書くか」より「何を書くか」(何を観察するか)

 介護記録というと、5W1Hで、正しい日本語を使って…といった「どう書くか」ばかりが注目されがちです。しかし、実は、介護記録において大切なのは「どう書くか」よりも「何を書くか」つまり、「何を観察するか」なのです。

 「袖が通しにくかったな」
 「右肩までしっかり通さないと左手を通しにくいな」
 「昨日はスムーズにできたけど今日は少し時間かかったな」

 こうした、普段の利用者を介助しているときの小さな変化への気づきがそのまま記録として生かせるのです。
 何を書くかがわからないのに、どう書くかばかり気にしていても何も書けないのは当たり前のことですね。


 もちろん、「どう書くか」はわかりやすい記録を書くために必要ですが、それ以前に記録をする介護職自身が「利用者をよく観ること」が最も重要です。
 そのため、普段から利用者の変化や様子を観察し、必要な場合はメモを取って覚えておくことが後々記録を書く際に役立ってきます。

②介助した手順と利用者の動作を書く

 「観察」というととても難しい技術に聞こえますが、特別な何かをする必要があるわけではなく、いつもの介助の時に少しだけ記録のことを意識すればよいだけです。

 まずは、介助したときの手順とそのときの利用者の反応や動作を書きます。特別な書き方は必要ありません、見たままを書くのです。


 例えば、上着の着衣介助の際には『さあ、右手から着ていきましょう。右手が通りましたね。肘が通しにくいですね。肘まで着ることができましたよ。今度は肩まで…』と、介助を実況中継する気持ちで観察すると書きやすくなります。

部屋から出る際、寒いので上着を着ることを勧め、自ら準備し着始める。右手の袖は通すことができるが、肘を通すところは介助が必要。その後、自ら上着を持ち肩までは上げることはできている。

③介助のときにかけた言葉をそのまま書く

 介助をするときには必ずコミュニケーションをすると思います。
 例えば、「まずはボタンを外しましょう」「左手を脱ぐことはできますか?」と声かけをしますよね。これを何かカッコいい言葉にしようとせず、そのまま記録に書けばよいのです。

 注意すべきは記録のときだけ丁寧な言葉遣いに直して書くのではなく、かけた言葉をそのまま書くことです。

 なぜなら、例えば声かけに反応がないときに、聞こえなかったのか、聞こえてたけど意味が理解できなかったのか、あとから検討するときに、かけた言葉を書き換えてしまうと何が原因かわからなくなってしまうからです。

 記録に書くときは、そのときの利用者の反応、返事などの言葉もそのまま書きましょう。

「まずはボタンを外しましょう」と声をかけると「ええ。やってみるわ」とお返事がある。

④「どう感じたか」(主観)より「何が起きたか」(客観)を書く

 記録は一緒のチーム(ユニット)で働くほかの介護職などへの情報共有の役割があります。だからあなたが「何を感じた」「どう思った」は必要な時もありますが、あまり重要ではありません。それよりも、利用者に何が起きていたのか、という客観的情報を重点的に書くようにしましょう。

 例えば「私は●●と言われてこう思った」と書くのではなく、「利用者●さんは●●と言われた」だけでよいのです。

「観察」は記録以外にも役立つ

 まずは利用者をよく「観る」そして小さな気づきを得る。このことを意識しながら介助にあたってみてください。意識する前と後とでは、書くべき内容の量が全く違ってくるはずです。

 積極的に観察をすることで、日ごろの利用者の小さな変化に気づくことができます。そうすれば、思わぬリスクに早期に気づけたり、利用者の状態悪化や改善にも早く気づき、対処することができます。


 観察は、記録に限らず、介護職としてとても大事なことなのです。
 日ごろ何となく介護にあたっていた方は是非、「観察」を意識して業務にあたってみませんか?

本文監修:鈴木真

もっと詳しく知りたい方はコチラ!

このページの内容は、鈴木真『ステップアップ介護 よくある場面から学ぶ介護記録』からテーマを選定し、Web掲載に見合う形に編集したうえで転載しております。より詳しい内容は本書籍をご覧ください。

著者:鈴木真
本のサイズ:A5判、186頁
定価:1800円(税別)


ステップアップ介護 シリーズについて

 「ステップアップ介護」は、経験の浅い介護職が一人前になるまでに確実に身に付けておきたい知識と技術を、厳選して紹介する書籍シリーズです。『認知症ケア』『マナーと接遇』『疾患・症状への対応』など、知りたいテーマを7つ用意しました。全巻にわたって、新人介護職の「つぼみちゃん」と、先輩介護職の「はなこ先輩」が一緒にナビゲートしてくれます!

 このシリーズは以下のような特徴があります。

  • ●経験の浅い介護職が一人前になるまでに確実に身に付けておきたいこと
  • ●介護現場の「実践」に直結すること
  • ●すぐに知りたいこと

これらがパッと見てわかる!



 「良かれと思ってやってしまっている」そんな場面をたくさん取り上げ、それが「どうしてだめなのか」その根拠だけでなく、「どうすればよいのか」までをわかりやすくまとめました。
施設内の研修テキストや参考書としての使い勝手もよく、ユニットリーダーやフロアリーダーさんにもおすすめ。詳細は特設ページをご覧ください。


TOPページへ