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再録・誌上ケース検討会

このコーナーは、月刊誌「ケアマネジャー」(中央法規出版)の創刊号(1999年7月発刊)から第132号(2011年3月号)まで連載された「誌上ケース検討会」の記事を再録するものです。
同記事は、3人のスーパーバイザー(奥川幸子氏、野中猛氏、高橋学氏)が全国各地で行った公開事例検討会の内容を掲載したもので、対人援助職としてのさまざまな学びを得られる連載として好評を博しました。
記事の掲載から年月は経っていますが、今日の視点で読んでも現場実践者の参考になるところは多いと考え、公開することと致しました。


第48回 アルコール依存のある身体障害者をどう支えるか
(2003年1月号(2002年12月刊行)掲載)

スーパーバイザー

奥川 幸子
(プロフィールは下記)

事例提出者

Nさん(地域福祉権利擁護事業・専門員)

利用者

Sさん、56歳、男性

利用者の状況

  • ●本人の障害や疾病:脳出血により左上下肢機能障害(杖歩行)、脳梗塞、要介護2。身体障害者手帳1種2級。
  • ●住まい:民間の賃貸アパート。
  • ●主たる収入:年金(月額5万円)。生活保護。
  • ●現在利用しているサービス:ホームヘルプサービス(週3回・1回2時間)、デイサービス(週2回)、通院(脳外科及び精神科・ともに月2回)
  • ●家族構成:ひとり暮らし。

紹介前の状況
 平成12年夏に脳梗塞で倒れ、入院(約2カ月)。退院後、グループホームを経由し、元のアパートへ戻って在宅生活を送っていた。
 脳出血のため左上下肢の機能障害があり、障害者年金を受給している。不足分を生活保護受給。若年の発症で、社会復帰もできずアルコールに依存するようになる。医師の話では、脳梗塞もアルコール依存が原因とのこと。

紹介経路

 担当ケアマネジャーが、退院後の在宅生活の支援を行う。アルコール問題のほか、借金があることが判明し、基幹型支援センターに相談。生活費の管理支援が必要と判断されたため、地域福祉権利擁護事業に相談がくる。

プロフィール

奥川 幸子(おくがわ さちこ)

対人援助職トレーナー。1972年東京学芸大学聾教育科卒業。東京都養育院附属病院(現・東京都健康長寿医療センター)で24年間、医療ソーシャルワーカーとして勤務。また、金沢大学医療技術短期大学部、立教大学、日本社会事業大学専門職大学院などで教鞭もとる。1997年より、さまざまな対人援助職に対するスーパーヴィジョン(個人とグループ対象)と研修会の講師(講義と演習)を中心に活動した。主な著書(および共編著)に『未知との遭遇~癒しとしての面接』(三輪書店)、『ビデオ・面接への招待』『スーパービジョンへの招待』『身体知と言語』(以上、中央法規出版)などがある。 2018年9月逝去。