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山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術

山口 晃弘(やまぐち あきひろ)

超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。

プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)

介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)がある。

著書

『最強の介護職、最幸の介護術』
『最強の介護職、最幸の介護術』

「介護の未来を切り拓くのは君だ」




 2021年7月に厚生労働省が公表した「介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」によると、2025年度には約32万人、2040年度には約69万人の介護人材が不足するといわれています。
 このような状況に対して、介護人材のすそ野を広げようと努力している人たちがいる一方、この20年間、介護職員の退職理由として「職場の人間関係」が常に、1位か2位に挙げられています。

 組織というのは、同じ目的をもった人たちの集まりのことをいいます。介護業界に限ったことではありませんが、なぜ人は同じ目的に向かって協力し合うことができないのでしょうか。他人を否定し、自分が正しいと主張し、優位に立ちたがる。そんなことに何の価値があるというのでしょうか。

 介護を仕事にする私たちのミッションは、ご利用者の尊厳を守ることです。その私たちが、職員同士の尊厳を守ることができない。
 ご利用者そっちのけで、上司の批判、部下への不満、他部署の批判、同僚の悪口…。
 勤務時間にこんなくだらないことをしていて、介護保険料、税金が財源である処遇改善加算などいただくことに心が痛まないのでしょうか。

 真面目に、誠実に介護の仕事に従事している職員が大半ですが、このような職員もいることは事実です。
 他者を批判している暇があったら、ご利用者にていねいな介護をしてください。ご利用者に親切にしてください。知識、技術の習得に勤しんでください。
 介護職員の不足を解消するためには、すそ野を広げること以上に、今いる人材を失わないことが大事です。いくらすそ野が広がり、新たな人材が入ってきても、出て行く人が止められないなら、介護人材不足は解消されません。
 人が入りたくなる仕事に、人が続けたくなる仕事に。
 そうしなければ、2040年を待たずに、介護業界は崩壊してしまいます。

 不平不満を言っているだけでは、何も変わりません。変わらないどころか、悪化する一方です。
 ユートピア(理想郷)を求めて転職を繰り返しても、そんなものはどこにもありません。

 目の前にある道が、ゴールに向かう唯一の道です。
 楽な道も近道もどこにもない。

 介護人材不足を解消する。ご利用者の尊厳を守る、職員の処遇を守る。
 そんな大きなことは他の誰かがやってくれる。そう思っていませんか。
 介護の未来を切り拓くのは、私たち一人ひとりの意識、自覚です。

 KEEP GOING! 立ち止まらず、前に進もう!

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