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山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術

山口 晃弘(やまぐち あきひろ)

超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。

プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)

介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)がある。

著書

『最強の介護職、最幸の介護術』
『最強の介護職、最幸の介護術』

「弱者の気持ちを理解せよ」

 北海道旭川市で、いじめを苦に当時14歳の少女が自らの命を絶ったという報道がありました。
 少女の母親の手記のなかでは、学校側に何度も相談したが、取り合ってもらえなかったということが書かれています。
 少女が命を絶った後、中学校の教頭は、1人の被害者の未来よりも、10人の加害者の未来のほうが大事、と言っているようにとれる話をしたとあります。
 真相がわからないなかで、直接的な意見は控えます。

 私は、弱い者が泣き寝入りするのが大嫌いです。だから福祉を仕事にしました。
 どうして人は優位に立ちたがるのでしょう。いまどきは、「マウントを取りたがる」と言うそうですね。こんなことに、一体、何の価値があるというのでしょうか。
 強い者が弱い者を力で支配する。この愚かな行為の最たるものが戦争です。人の日常のなかにも、この愚かな行為、感情はたくさん潜んでいます。それがハラスメント、虐待、DVなどにつながっていくのです。

 人を傷つけないでください。傷つけ続けると、人は壊れてしまいます。
 ストレスの溜まる社会です。自分の思い通りにならないことも多い。人に対して怒りの感情をもつこともあるでしょう。その怒りを弱者にぶつける前に、一瞬でいいから「これが逆の立場だったら、自分はどう思うだろう」と考えてください。
 「自分だったら言い返してやる」そう思う人は強い人です。あなたは強い。ただし、世の中は、みんながあなたのように強くはない。
 「いじめは、いじめられる側にも原因がある」という人がいます。これは、いじめられた経験のない人の言う言葉です。本当のえげつないいじめに合ったことがある人なら、こんなことは言わない。
 少女は氷点下17℃の夜に自宅を飛び出し、雪に覆われ、変わり果てた姿で見つかりました。この少女にも、いじめられる側に原因があったというのでしょうか。




 弱い人の気持ちを理解してください。福祉を職業にした人には、特にこのことを肝に銘じてほしい。
 トイレに行きたくても、一人では行けなくなった人の気持ち。
 明日のパンを買うお金もなく、生活保護を受けざるを得なくなった人の気持ち。
 そういった人たちの気持ちに寄り添い、支援するのが私たち福祉職の仕事です。

 最後にひとつだけ…。
 いじめをする人は、強者ではない。
 人を集団でいじめ、強くなった気になっている愚か者こそ、卑怯者で弱い人間です。
 いますぐいじめる側から抜け出すべきだ。それが勇気です。

新刊のお知らせ(編集部より)

このたび、山口晃弘氏の著書が発行されました!
テーマは、介護現場の「リーダーシップ」と「人材育成」です。

現場の職員から「一緒に働きたい!」と思われる人気者リーダーになるために、役立つ知識、使えるツール、心揺さぶられるエピソードが満載の一冊です。ぜひ、ご一読ください!

介護リーダー必読!
元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダーシップの極意
定価 本体2,000円(税別)
A5判、218ページ
ISBN978-4-8058-8278-8