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和田行男の婆さんとともに

和田 行男 (和田 行男)

「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。

プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)

高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

他人事は生きぬく力か

 シックスティセブン
 いい響きやわ。11日に迎えた僕の年齢。僕の中では「セブンティーン」に匹敵する響きの良さです。

 あちこちガタついている僕の身体ですが、67歳を「自力移動できる・摂食できる・排泄できる・入浴できる、会話ができる、痛み痒み気持ち悪いがわかる、泣ける・笑える・怒れる・苛立てる・感謝できる、子供たちとサンゴ礁を見にシュノーケリングできる・大好きなミニちゃんを運転できる・連れ合いに恋心抱ける状態」で迎えられたなんて、ほんと気遣ってくださっている周りの方々に感謝しかないです。ありがとうございます。

 先日仲間から、僕の知らないface bookとやらで「おめでとう」を贈ってくださった皆さんのことを教えていただきました。ありがとうございます。
 いくつになっても「お誕生日におめでとう」って言われると、妙に嬉しく、心躍ります。本当に、ありがとうございます。

 僕のことを「NHKプロフェッショナル~仕事の流儀~」で取り上げていただいてから十年が経ち、「注文をまちがえる料理店」を開催してから五年。時の流れが速く感じるようになりましたが、「時の流れの速度」は産まれてから今までずっと変わらずでしょうから、人の「感」って面白いですよね。

 先日、やけにテレビがうるさいと思ったら「ミサイル注意報(J-アラート)」。ミサイル注意報が発令される時代なんですよね、今は。
 でもよく考えれば、ウクライナではひっきりなしに鳴っているんでしょうから、まだこの国はマシなのかもしれません。それにしても、とんでもない世界情勢になったもんです。

 その時代にあって「福祉とは、人々が幸福に暮らす生活環境」なんて新入職員さんたちの前で喋っている自分が、何となく可笑しく思えますが、戦禍に巻き込まれた見知らぬウクライナの人々がどうあれ、災害に見舞われた見知らぬタイの人々がどうあれ、事件に巻き込まれた見知らぬ人々がどうあれ、配偶者が認知症の状態になった見知らぬ人々がどうあれ、情報がどれだけ入ってこようが「僕の日常は変わらず」を、どう考えればいいのか、どう捉えればいいのか。

 以前にもブログで触れましたが「ひとごと」って大事な「感」で、世界中のすべてのことを「我がこと」に思う「感」を持ち合わせたら、僕の身はひとりでは全然足りず、時間も足りず、結局うずくまって頭抱えて身動き取れなくなるしかないでしょうから、脳にインプットされる情報に対し、距離感を以て他人事として処理できる能力があるから生きていられるのではないかとさえ思ってしまいます。

 シックスティセブンの初日、名古屋から上京する車の中で、そんなことを考えてしまいました。
 67歳の僕、変わらずお付き合いくださいますよう、よろしくお願いいたします。

写真

 飼い主は飼い犬に似る。よね