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和田行男の婆さんとともに

和田 行男 (和田 行男)

「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。

プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)

高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

未知への挑戦 船出


 僕が所属する法人は、自社だけで介護保険事業の業種をほぼ網羅しています。
 そのため、これまでは「訪問介護事業部」「通所・入居事業部」というように、介護保険事業種別によって「部」で束ね、統括する部長を設置して事業運営にあたっていました。
 僕は、通所介護・小規模多機能型居宅介護・特定施設やグループホームなどいわゆる箱物事業(箱をつくって利用者・入居者に来てもらう事業)を束ねた通所・入居事業部の部長でした。

 それが今日6月1日から、住宅改修と福祉用具を除く介護保険事業を「介護事業部」というひとつの部で束ねる組織替えが行われ、僕がその部長を仰せつかりました。が、受けておきながらいうのも何ですが、僕の中ではもう大変です。

 僕は介護業界に身を置いて33年になりますが、訪問入浴・訪問介護の訪問系の事業は従事したことも所轄したこともありません。もちろん居宅介護支援事業の経験もありません。
 まったくそこに見識がもてなかったわけではなく、いろいろと思案し発信もしてきましたが、それは仕組みのフレームの話ぐらいで、実務の実際のところはわからない・知らないことだらけです。

 先々週から少しずつ、管理者の方、サービス担当責任者の方にお会いして話を聞かせていただくことができましたので、霧の森の中の大木ぐらいは見えてきましたが「そもそも」が霧の中なので、どのくらいの大木なのかさえつかみきれないのが本音です。ハハハ
 ただ、これまで知らなかったことが知れる、考えもしなかったことを考えられるというのは「ドキドキ・ワクワク」でもあります。

 1987年、何にも知らずに特養介護職からスタートして一旦介護から離れてフリーターをし、再び老人デイサービスの入浴サービス運転手で再スタートを切って老人デイサービス介護職から生活相談員となり、次は老人保健施設で相談員をして、老人デイケア・難病リハビリの立ち上げに携わり、その相談員もしました。

 その後1999年都内初の痴呆対応型共同生活援助事業(俗称:グループホーム)で施設長を担い、2003年現法人へ入社してマネージャー職、取締役ときましたが、よく考えると、19歳で社会人になってから、ずっと「未経験のこと」でしか異動や転職をしたことがない46年でした。
 つまり移って同じことをしたことがないってことです。
 1974年国鉄職員のスタートは不本意でしたが駅関係の仕事で、「ネクタイ着用スーツ型制服姿」でした。でも二年後には自分本意で願ったとおり電車の修理工になることができ「油にまみれたナッパ服の工員姿」でしたからね。

 役人さんだって公園課から高齢福祉課へ異動してきて、普通にこなしていますから、こんな僕でも何とかなるでしょう。
 だって年齢に関係なく、ステキな職員さんがたくさんいるんですよ、うちの法人。5月7日から31日までコロナ下で東京滞在余儀なしのなか、つかめた「コロナ財産」です。

追伸

 東京は、三月ぱったりと止まっていた労働者の動きが四月以降活発になり採用応募者が一気に増えてきていますが、コロナ転職組でしょうか介護未経験の方が多いように思います。
 未経験の方に限らず、新たな会社で就業する方、新たな職場や役職に就く方も、僕と同じように「不安」や「大変」を抱きつつ「ワクワク」「どきどき」もあることでしょうが、受け入れる先輩が「不安、大変感」を和らげて「ワクワク・どきどき」だけを残してあげられる関わりができれば、時間の経過とともに介護の面白さに出会っていけることでしょうね。
 新たな挑戦は、最初の出会いが肝心ですが、僕は幸先良いスタートが切れた出会いたっぷりの「船出」でした。

写真

 生まれて初めて「訪問入浴の浴槽」に入らせていただきました。
 前々から入ってみたかったのですが、ちょうど訪問入浴の事業所を訪問した際に採用応募者の面接が行われており、応募者の方に仕事の概要を説明するため浴槽をセットしていたのでお邪魔しちゃいました。ほんとお邪魔でしょ。あまりに気落ち良くて眠りこけてしまいそうになりましたが、起きあがる際にやらかしてしまいました。その話はまたの機会に。
 次回はぜひ、利用者宅にお邪魔して「訪問入浴の実際」を見させていただこうと思っています。
 これから、これまでほぼ話題提供できなかった訪問介護、訪問入浴、居宅介護支援の話題を出せそうです。お楽しみに。

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