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受験対策講座

保育士・筆記試験の合格率は20%前後で難関といえます。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率のいい学習が不可欠です。このコーナーでは、近年の各科目の出題傾向や今後の対策について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

第33回 令和4年・4月試験「保育実習理論(音楽)」科目について

児玉千佳(こだま ちか)
チェロ奏者、ヒューマンアカデミー通信講座・保育士講師、学校法人三幸学園大宮こども専門学校専任講師、小田原短期大学保育学科非常勤講師

「保育実習理論・音楽」の近年の出題傾向

 音楽分野においては毎回6題出題されています。

出題のカテゴリー

  • 基礎知識と楽語(音名と階名、調号と調性、速度標語、強弱記号、曲想標語)
  • 音程と移調
  • コードネーム(メジャーコード、マイナーコード)
  • 伴奏和音と和音進行
  • 歌のリズム

今後の試験に向けた受験対策や学習の進め方

 音楽理論は数学と同じで、基礎から順番に理解する必要があります。公式と解き方を覚えればあとは応用になりますので、練習問題をたくさんこなして力をつけていきましょう。
 先に述べました「基礎知識と楽語」は暗記になります。そのあとは、「音程と移調」「和音とコードネーム」「伴奏和音と和音進行」の順番に学習していくと理解しやすいと思います。
 令和4年・4月試験では、問5、問6で歌のリズムを問う問題が出題されています。この類の問題は、まず歌を知らなければ解答できない問題です。より多くの子どもの歌を知る必要があります。そして、日ごろから楽譜を見て歌いながらリズム打ちをする習慣をつけましょう。
 音楽理論を初めて学ぶ方は、保育士試験テキストなどに書いてある内容ですべてを理解するのは難しいかもしれません。インターネットで子ども向けのやさしい音楽理論の解説を参考にするとスムーズに学習できると思います。
 試験の時には余白に下の図のような鍵盤の絵を描くことおすすめします。

 音程を数える時や、コードネームの音を確認する時など、鍵盤で確認しながら考えるようにしましょう。

保育実習理論(音楽)を学ぶ大切さ

子どもと音楽

 幼稚園や保育所では、子どもが音楽に触れ合う時間が毎日あり、音楽に触れることは子どもの生活の一部になっているといえます。音楽教育の効果として、まず子どものイメージを豊かにします。音楽から感じる楽しさ悲しさなどから、子どもたちは自分の中のイメージを膨らませます。外の風景、風の音など目に映るものや肌で感じたものをメロディーやリズムで表現できるようになります。
 次に、感動する心を育てます。音楽を通して感動する心が養われます。またその気持ちを伝えようとする表現する心が生まれてきます。さらに個人の音楽表現にとどまらず、歌ったり楽器を仲間と一緒に演奏したりすることで、仲間意識の形成共有する喜びが生まれます。そこから、人と人との心が結びついて助け合おうとする友情が芽生え、仲間として連帯感を実感できます。
 何よりも音楽は園生活の1日の流れの区切りとして大いに利用されています。朝のご挨拶とともに朝の歌を歌い、お昼ご飯の前にお弁当の歌を歌う。またお片づけや、おしゃべりを止めさせるのにも効果があります。そして一日の園生活にとどまらず、音楽によって春夏秋冬の季節も感じることができ、豊かな感性が磨かれます。

ネットとは違う保育者による生の演奏

 保育音楽における最終の目標は、技術面においては弾き歌いがスムーズにできることです。精神面においては、子どもたちに音楽の楽しさを伝えるとともに子どもたちの園での生活に活力をもたらすことにもつながっています。高度な芸術作品を完璧に仕上げるのではなく、簡単な楽曲をたくさんマスターし、場に応じて臨機応変に使い分けられる能力が求められます。
 今の時代、どんな曲でも音源を確保することは容易ですし、ピアノが弾けなくてもパソコンなどを使い、それに代わる演奏ツールはたくさんあります。これらを上手に使うことも必要ですが、やはり音楽教育では保育者の生の演奏指導が1番です。保育者が演奏する姿に憧れを抱く子どももいることでしょう。保育者と子どもたちが音楽を通して、生活全体を共有できることが一番の喜びだと思います。