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受験対策講座

保育士・筆記試験の合格率は20%前後で難関といえます。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率のいい学習が不可欠です。このコーナーでは、近年の各科目の出題傾向や今後の対策について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

2023年4月試験に向けた講座がスタートしました!

第26回 令和4年・4月試験「子ども家庭福祉」科目について(前編)

佐藤賢一郎(さとう けんいちろう)
常磐大学人間科学部教育学科・准教授、専門は保育学・幼児教育学。自身も保育士試験で保育士資格を取得し、公立保育所で12年間の勤務経験がある。YouTubeチャンネル「けんいちろう准教授」
https://www.youtube.com/channel/UCtZm5U3O213sVZsbmtoR1TQ
では、保育・子育ての講義に加え、保育士試験対策にも力を入れている。

 令和4年・4月試験を振り返っていきましょう。全問の解答・解説ではなく、次回の試験に向けた出題傾向の分析になります。また、試験問題を持っている前提で進めていきますので、照らし合わせてみてください。

各問の出題分析

問1 児童福祉法
 児童福祉法第1条の穴埋め問題でした。第1条や第2条が毎回出題されますので、引き続き、基本として押さえておく必要があります。

問2 法律の並べ替え問題
 児童福祉法(1947年)、母子福祉法(1964年)、母子保健法(1965年)、児童手当法(1971年)といった法律の順番を並び替える問題でした。ポイントとなる児童福祉法や児童手当法が分かれば選択肢は絞れる問題でしたが、単に年号を丸暗記するのではなく、しっかりとその法律ができた歴史的な背景を理解しておくことが大事です。

問3 少子化社会対策大綱の記述について
 大綱に関する記述の正誤問題でした。全体の文章を理解していなかったとしても、「希望出生率2.3の実現」というのは現実とかけ離れているので、そこを「×」にすれば解けた問題です。こうした問題はよく出題されるので、大綱をある程度把握しておくことと、〇×問題をくり返し解きながら知識を深めていきましょう。

問4 児童の権利に関する条約について
 児童の権利に関する条約の一部として誤ったものを選ぶ問題。これは一見難問のように見えます。第9条第1項、第3条第1項、第12条第1項、第31条第1項、第28条第2項からの抜き出しということで、あまり馴染みのない文章の羅列だと思います。しかし、「いかなる場合も児童がその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保する」というのはおかしいということに気がつきます。虐待等で分離することを考えれば、この文章が「×」であることが分かります。このように、分からない文言が出てきても焦らずに、自分のこれまでの知識で「おかしいかも?」と思うところから推理して答えを導くテクニックを磨きましょう。

問5、6、9 児童福祉法からの正誤問題
 児童福祉法に規定される被措置児童虐待に関する出題でした。児童福祉法第33条の10、第33条の12第3項、第33条の14といったところに記述があります。ここを丸暗記することはないと思いますが、ある程度ポイントをおさえておけば選択肢は絞れたと思います。
 また、児童福祉法第11条に規定される都道府県の業務についての出題では、こちらも第11条関連の記述を理解しておかないといけませんが、選択肢に一つだけ第16条の記述があったことに気がつかなければなりません。
 さらに、児童福祉法第13条第3項に規定される児童福祉司の任用資格についても出題されました。ここは、法律というよりも知識として覚えておける範囲だと思います。
このように、児童福祉法はこの科目のベースとなりますので、どこから出題されても答えられるように、細かく目を通しておく必要があります。

問7 市区町村子ども家庭総合支援拠点 設置運営要綱の記述について
 こちらは要綱からの出題ですが、丸暗記していなくても「実施主体を民間に委託することはできない」という文章が不自然であることに、ある程度、勉強していれば気がつくと思います。たくさんの法令やガイドラインがあって、すべてに目を通すのは至難の業ですが、一定の知識があれば応用して解ける問題もあります。あきらめずに、頑張りましょう。

問8 児童福祉施設の説明
 母子生活支援施設助産施設母子・父子福祉センター婦人保護施設といった施設名と、その根拠となる法律の説明文章を組み合わせるという問題。児童福祉法や母子及び父子並びに寡婦福祉法売春防止法をある程度ポイントを押さえておけば解けると思います。こうした問題は例年必ず出題されますので、しっかり覚えておきましょう。

問10 放課後児童健全育成事業の記述の正誤問題
 ここ数年、頻繁に出題されるところです。やはり児童福祉法の第6条、第34条、そして放課後児童健全育成事業の実施状況や放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準第10条からの出題となっております。児童福祉法に関しては「〇」ですが、他の記述「待機児童数が1.6倍(3年間で)」とか、「放課後児童支援員は保育士か社会福祉士でなければならない」といった記述はおかしいということに気がつけば、やはり細かなデータや文言を知らなくても解けるようになっています。

とここまでは前半の10問を見てきました。半分見ても分かるように、ほとんどが法律関係の出題です。法律を制するものは子ども家庭福祉を制するといっても過言ではありません。ただし、単に丸暗記するのではなく、どうしてそのような法令ができたのか、その背景や理由についてもあわせて考えることをお勧めします。そうすれば、法令の細かいところはわからなくても、選択肢を選ぶ際のヒントになることと思われます。

次回は後半11~20問目までを分析していこうと思います。引き続き、頑張っていきましょう!