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受験対策講座

保育士・筆記試験の合格率は20%前後で難関といえます。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率のいい学習が不可欠です。このコーナーでは、近年の各科目の出題傾向や今後の対策について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

2023年4月試験に向けた講座がスタートしました!

第25回 令和4年・4月試験「社会的養護」科目について

佐藤賢一郎(さとう けんいちろう)
常磐大学人間科学部教育学科・准教授、専門は保育学・幼児教育学。自身も保育士試験で保育士資格を取得し、公立保育所で12年間の勤務経験がある。YouTubeチャンネル「けんいちろう准教授」
https://www.youtube.com/channel/UCtZm5U3O213sVZsbmtoR1TQ
では、保育・子育ての講義に加え、保育士試験対策にも力を入れている。

 令和4年・4月の問題を振り返って分析していきましょう。社会的養護は10問の出題です。試験問題を持っている前提で進めていきますので、照らし合わせて確認してみてください。

各問の出題分析

問1 社会的養育の推進に向けて
 そのままの図から抜粋されました。国の方針を示した図であり、施設での養護から家庭に近い環境での養護へとシフトする政策が進んでいます。単に丸暗記ではなく、しっかりと歴史的な背景や子どもの気持ちにまで踏み込んで考えながら学んでほしいと思います。

問2 児童養護施設等入所児童等調査の概要
 こちらの資料からも、ほぼ毎回出題されています。児童の状況に関する痛ましいデータが示されていますが、こうした社会的養護の現状を理解することは大切だという意図で出題されているのだと考えます。

問3、4 養育指針と運営ハンドブック
 里親及びファミリーホーム養育指針や児童養護施設運営ハンドブックからの穴埋め問題でした。詳細な語句を理解していなくても常識的に考えれば解ける問題となっております。このあたりは勉強方法が難しいので、すべて丸暗記しようとは思わず、こうした原文を読む習慣をつけておきましょう。

問5 法令等の年代並び替え問題
 ここに関しては、暗記しておくしかありません。ただし、新しい社会的養育ビジョン(2017年)、児童の権利に関する条約(1989年)、この二つが分かるだけで選択肢は絞れたので、それほど難しい問題ではなかったといえます。

問6 アタッチメントに関する記述
 突然、保育の心理学の領域からの出題で驚いた方もいるかもしれませんが、社会的養護の実際において子どもと接する際にアタッチメントの知識は不可欠です。ただ、選択肢が常識的な内容だったので、知識がなくても解けてしまうような問題でした。

問7 配置職員について
 乳児院に配置される職員としての問題。保育士、少年を指導する職員、家庭支援専門相談員、里親支援専門相談員、看護師という5つから不適切なものを選ぶとのことですが、やはり常識的に考えれば乳児院に少年を指導する者はおかしいということに気がつくのではないでしょうか。

問8 相談援助の技術について
 社会福祉にも出題される相談援助技術です。専門用語が多いため、勉強していない人には厳しいかもしれませんが、それでも「パーマネンシ―・プランニング」は説明文と一致する内容だと分かりやすいため、選択できるのではないでしょうか。

問9 児童養護施設での事例問題
 事例問題は、常識的な選択をすれば解ける問題が多いです。この問題も「強く叱責する」や「面会を控える」といった文言に「おかしい」と気がつけば解けます。

問10 母子生活支援施設での事例問題
 こちらの事例問題も、文章をよく読んで対象者の気持ちに寄り添った対応を考えます。Mちゃんの情緒は心配だが、せっかく安定してきたLさんの気持ちを無視して「退所を思いとどまるように指導」というのはおかしいし、そのためのフォローが選択肢BとCに書かれていました。

次回の試験に向けて

 今回の試験では、マークシート式である性質上仕方のない部分もありますが、社会的養護を深く学んでいなかったとしても、6割以上の点数が取りやすい問題の構成だったといえます。
 しかし、ニコイチ(教育原理とのセット)という特性上、教育原理のほうで合格点に達することができなかった人は、再度10月の試験を受けることになります。そこで気をつけなければならないのは、社会的養護が今回の4月試験と同じ難易度とは限らないということです。むしろ、今回の試験では高得点者が多かったと考えられますので、次回は難易度が上がると思っておいたほうがいいです。
 ただ、悲観的にはならないで大丈夫です。近年の社会的養護の出題傾向を見ますと、テキストの意味をしっかりと理解しておけば解けるような問題が多いといえます。私自身もYouTubeチャンネル「けんいちろう准教授」のほうで試験のポイントを解説していく予定なので、そちらを参照のうえ、引き続き勉強に励んでほしいと思います。