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受験対策講座

保育士・筆記試験の合格率は20%前後で難関といえます。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率のいい学習が不可欠です。このコーナーでは、近年の各科目の出題傾向や今後の対策について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

2024年4月試験に向けた講座がスタートしました!

第17回 令和3年・10月試験「社会的養護」科目について

佐藤賢一郎(さとう けんいちろう)
常磐大学人間科学部教育学科・准教授、専門は保育学・幼児教育学。自身も保育士試験で保育士資格を取得し、公立保育所で12年間の勤務経験がある。YouTubeチャンネル「けんいちろう准教授」
https://www.youtube.com/channel/UCtZm5U3O213sVZsbmtoR1TQ
では、保育・子育ての講義に加え、保育士試験対策にも力を入れている。

令和3年・10月試験「社会的養護」科目について

 みなさまこんにちは。今回から「社会的養護」の担当になった佐藤賢一郎です。どうぞよろしくお願いします。

 「社会的養護」は、10問が出題されて6問以上の正解で合格となります。ここ数年の問題を分析したところ、極端に難しいといった問題は見当たりませんでした。令和3年・10月試験でも同様です。今後も、社会的養護の出題ポイントをしっかりおさえて勉強したならば、合格する可能性は高いといえます。

 社会的養護に関する制度の仕組みや、社会的養護に関わる施設の特徴・運営方針等を理解しておくこと。そして、事例問題が1~2問出題されますので、確実に正解できるように、その傾向に慣れておけばいいでしょう。

近年の出題傾向と勉強方法

 もう少し具体的に出題傾向を見ていくと、「児童福祉法」が根拠となった問題、特に第1条~第3条に関連する問題はよく出題されています。令和3年・10月試験では、第2条の穴埋め問題がありました。「児童の権利に関する条約」とも関係が深いうえ「子ども家庭福祉」で出題される可能性も高いため、確実に覚えておきましょう。

 厚生労働省から出されている「社会的養育の推進に向けて」という資料からも出題されています。これは、厚生労働省が推進する社会的養護の方向性が書かれている資料で、その中に記載されている「児童養護施設等入所児童等調査」の中から、近年の様々な施設の状況が、統計上のデータとしてどのくらいの数値であるかを問われています。

 社会的養護に関わる施設と、そこに配置される専門職についても、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」や、それぞれの施設の「運営指針」から、どの施設にどういった専門職が必要なのか?それは「必置」なのか?を問う組み合わせ問題が出題されています。施設の特徴について、丁寧に整理しておく必要があります。

 里親制度について問われる問題も近年多く出題されています。里親と養子縁組の違い、普通養子縁組と特別養子縁組の違い、研修の義務化、里親手当の有無、養親・養子の要件など、似ていいる言葉が多いため、しっかり意味を理解しておく事が重要です。令和3年・10月試験では、里親及びファミリーホーム養育指針から穴埋め問題が出題されています。

 児童虐待に関する知識は以前から何度も出題されているので、その定義や現状についてしっかりと理解しておくことが求められます。令和3年・10月試験には「児童虐待の防止等に関する法律」の第14条という、令和元年に改正された部分からの穴埋め問題が出題されました。ここは、多くのテキストで重要事項として示されていたところです。

 最後に事例問題。施設保育士の対応について2問出題されました。子どもへの最善の利益、子どもの気持ちに寄り添った考え方をしながら、問題文をよく読んで矛盾点などを見つけてください。ここまでしっかり勉強してきた人であれば、正解を導き出すことができるでしょう。過去問などで、出題形式に慣れておくことも必要です。

 以上、令和3年10月に出題された問題を振り返ってまとめてきましたが、今後も同じような傾向での出題が予想されます。ポイントをしっかりおさえたうえで学習していきましょう。なお、「社会的養護」は「教育原理」とセットの科目となっているので、2科目を同時に6割以上の点数を取る必要があります。どちらの科目もバランスよく勉強することを忘れないでください。

勉強へのモチベーションの保ち方

 社会的養護を勉強するにあたって、「難しいな」「よく分からない」と感じる方は多いのではないでしょうか。制度や施策といった公文書を読み解くことに抵抗があったり、虐待、貧困、施設といった単語から、マイナスのイメージをもってしまったりして、勉強へのモチベーションが上がらないという声も受験生から聞かれます。

 社会的養護の定義として「保護者のない児童や保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭へ支援を行うこと」とされていますが、こうした文章を読んでも、どこか他人事のように思えてしまい、知識が定着しないのかもしれません。

 しかし、日本にはみなさんが思っている以上に、生きていくうえで困難な状況を抱えている人は多く、その数は年々増加傾向にあります。児童虐待数の増加や貧困世帯の増加。また、不慮の事故といった何らかの理由で、幼い頃から施設で暮らす子どもたちは昔から一定数存在していることを理解しなければなりません。

 そして、新型コロナウイルス感染症の影響で、この2年で虐待や貧困がさらに増加しているというデータも見え始めています。こうした、時代にも密接なつながりのある事項について考えていくことができるのが社会的養護です。他人事ではなく、自分事のようにイメージしながら学習すれば、飲み込みは早いと思います。その知識は、保育士としてはもちろん、日本に生きていく上でも知っておくべき大事な知識だと思います。

活用いただきたい参考書や動画

 テキストや問題集は、『わかる!受かる!保育士試験合格テキスト2022』『できる!受かる!保育士試験合格問題集2022』(中央法規出版)を用いてみてはいかがでしょう?テキストは勉強のポイントが絞られていて分かりやすいです。問題集の方は過去問を中心に出題傾向の高い問題がうまくまとめられています。ぜひご活用ください!

【2022年最新版】保育士試験に合格する参考書と問題集の紹介

 また、私のYouTubeチャンネル「けんいちろう准教授」(https://www.youtube.com/channel/UCtZm5U3O213sVZsbmtoR1TQ)でも、保育士試験対策の動画を配信しております。ぜひチェックしてみてください。みなさんの合格を願っております!

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