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受験対策講座

保育士・筆記試験の合格率は20%前後で難関といえます。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率のいい学習が不可欠です。このコーナーでは、近年の各科目の出題傾向や今後の対策について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

2023年4月試験に向けた講座がスタートしました!

第18回 令和3年・10月試験「子ども家庭福祉」科目について

佐藤賢一郎(さとう けんいちろう)
常磐大学人間科学部教育学科・准教授、専門は保育学・幼児教育学。自身も保育士試験で保育士資格を取得し、公立保育所で12年間の勤務経験がある。YouTubeチャンネル「けんいちろう准教授」
https://www.youtube.com/channel/UCtZm5U3O213sVZsbmtoR1TQ
では、保育・子育ての講義に加え、保育士試験対策にも力を入れている。

令和3年・10月試験「子ども家庭福祉」科目について

 みなさまこんにちは。今回から「子ども家庭福祉」の担当になった佐藤賢一郎です。どうぞよろしくお願いします。

 「子ども家庭福祉」という科目は、保育士試験の中でも出題範囲が幅広いこともあり、難易度の高い科目だといえるでしょう。ここ数年の問題を分析したところ、過去問を中心に出題された範囲から外れてはいないものの、単に暗記するだけでは答えられないような詳細な知識を必要とする問題もあったといえます。

 令和3年・10月試験でもこれまでと同様、子ども家庭福祉の施策や制度、事業、法令、少子化対策といった分野から幅広く出題されていました。また、事例問題も2問出題されています。「社会福祉」や「社会的養護」の範囲も含まれた問題も散見されますので、丁寧に勉強を進めていきましょう。

近年の出題傾向と勉強方法

 具体的に令和3年・10月試験を見ていきます。ます、児童の年齢区分について出題されました。日本では児童福祉法の理念をもとに児童に関する施策や制度を実施していて、児童は満18歳に満たない者と定義されているものの、例えば母子及び父子並びに寡婦福祉法で定められている児童の年齢は20歳未満となっているため紛らわしいです。こうした年齢区分を問題にしてくることは多いので、正確に覚えていく必要があります。

 「子どもの権利に関する条約」「児童憲章」の内容に関する問題は鉄板だと言われますが、やはり今回も出題されました。法令関係では「母子保健法」「児童福祉法」第14条、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」第3条の内容を問う問題が出題されました。子どもに特化した法令は必ず出題されますので、量が多くて大変ですが、具体的な条文やその特徴、年代の並び替えなどを想定して理解していきましょう。

 子どもの権利擁護に関する記述として、厚生労働省の資料等からの出題がありました。平成28年に改正した児童福祉法に関する記述からも出題がありました。特に平成28年の改正児童福祉法は、総則の改正を含む大幅なものであり、同時に母子保健法や児童虐待の防止等に関する法律も同時に改正されるなど、影響が大きいうえ近年の問題では頻出です。

 子ども家庭福祉の事業としての問題も毎回必ず出題されます。今回は、「企業主導型保育事業」「一時預かり事業」「放課後児童健全育成事業」の実施主体はどこかが問われました。また、「病児保育事業」の内容に関しても問われました。子育て支援関連の事業はとても数が多くて覚えるのも大変ですが、整理して覚えていきましょう。

 「児童養護施設入所児童等調査結果」からの出題もありました。社会的養護でもよく出題される資料です。今回は5施設(乳児院、児童養護施設、母子生活支援施設、児童心理治療施設、自立援助ホーム)の中から、委託(入所)時に被虐待経験のある入所児童の割合が高い順に並べるといったもの。細かな数字は覚えなくても、だいたいどの施設にどういった特徴があるのかを理解しておく必要があります。また、同じく社会的養護で頻出の「里親制度」についての問題も出題されました。概要をしっかりと覚えておきましょう。

 福祉型障害児入所施設の措置、契約の入所理由についてのグラフ問題もありましたが、こちらも資料の詳細を覚えるというより、「虐待が増えているな」「保護者の養育力不足が多いな」というように、その背景について理解しておけば、出題されたときにある程度は推測して解くこともできそうです。

 児童買春・児童ポルノ事件の記述についての〇×問題が出題されました。ここの部分はあまりテキストや問題集には載っていないところからの出題なので、正直悩むと思います。こういったところは、ある程度常識的なことや、部分的な知識から消去法で解いていきましょう。勉強していないところでも、焦らないで対応することが大事です。

 「子供の貧困対策に関する大綱」からの問題もありました。子どもの貧困に関しては、こちらも社会的養護で出題される可能性があります。何より、日本では大きな問題になっているところなので、しっかり理解しておいてください。

 子ども家庭福祉の施策についての出題や、諸外国との比較として白書などからの記述の○×問題。これは日本の少子化対策の歴史についてある程度ポイントとなる法律等、例えば今回は、「次世代育成支援対策推進法」「子ども・子育てビジョン」「日本一億総活躍プラン」そして「男女共同参画白書」「少子化社会対策白書」などの概要を理解しておけば解ける問題です。とはいえ、やはり量が多いので、覚えるのには相当な時間がかかることと思われます。少しずつ、理解していってください。

 最後に、事例問題が2問出題されました。保育現場での関わりを想定した事例と、DV被害の子どもの事例でした。ここは、これまで保育士試験を勉強してきた人であれば、常識的な観点から解けるものと思われます。子どもの最善の利益を考え、子どもに共感できること、支援することを考えて答えを導き出していきましょう。

 以上、令和3年・10月試験からも、幅広い分野の知識が求められました。今後もこの傾向は続くと思いますので、ポイントをしっかりおさえたうえで学習していきましょう。また、子ども家庭福祉は、他の福祉系2科目(社会福祉、社会的養護)に共通する部分が多いため、保育士試験合格のカギとなる科目だと考えています。かなり出題範囲は広いので学習するのに根気が必要ですが、ぜひ丁寧に一歩ずつ進めていってください。

最後に

 テキストや問題集は、『わかる!受かる!保育士試験合格テキスト2022』『できる!受かる!保育士試験合格問題集2022』(中央法規出版)を用いてみてはいかがでしょう?テキストは勉強のポイントが絞られていて分かりやすいです。問題集の方は過去問を中心に出題傾向の高い問題がうまくまとめられています。ぜひご活用ください!

【2022年最新版】保育士試験に合格する参考書と問題集の紹介

 また、私のYouTubeチャンネル「けんいちろう准教授」(https://www.youtube.com/channel/UCtZm5U3O213sVZsbmtoR1TQ)でも、保育士試験対策の動画を配信しております。ぜひチェックしてみてください。みなさんの合格を願っております!