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受験対策講座

保育士・筆記試験の合格率は20%前後で難関といえます。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率のいい学習が不可欠です。このコーナーでは、近年の各科目の出題傾向や今後の対策について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

「受験対策講座」は10月3日に「直前対策講座」を公開予定です。ぜひご覧ください。
来シーズン(2023年4月試験)に向けた講座は、11月1日よりスタートします!

第19回 「保育の心理学」科目について

中山麻子(なかやま あさこ)
臨床心理士。公認心理師。小田原短期大学保育学科非常勤講師、あさか保育人財養成学校講師。

「保育の心理学」の近年の出題傾向

  • ①毎年の傾向としてまず挙げられるのが、心理学の基礎理論からの出題です。ピアジェ、エリクソン、ブロンフェンブレンナー、ヴィゴツキーといった人物名および、その理論は頻出です。令和3年の後期試験および前期試験では、ピアジェの認知発達の4段階について、詳しく問われました。令和2年の後期試験および令和3年の前期試験では、エインズワースのアタッチメント理論が出題されました。令和2年の後期試験ではパーテンの遊びの分類、が出題されました。
  • 各発達段階について、その特徴を問う問題が毎回出題されています。胎児期、乳幼児期から児童期、青年期、中年期、そして老年期にいたるまで、それぞれの段階の特徴をあらわす専門用語も含めて、出題されることが多いです。例えば「ものの永続性」「心の理論」「三項関係」「保存の概念」「アニミズム」「自己中心性」「流動性知能、結晶性知能」などが挙げられます。
  • ③また、最近多くみられるのが虐待や発達障害、心の病についての出題です。令和3年の前期試験では、選択性緘黙症についての知識が問われました。令和2年の後期試験では被虐待を疑わせる兆候について問われました。これらは社会的に注目されていることでもあり、保育士として正しく判断し、適切に対処する能力が求められます。今後も出題の可能性が高いといえます。選択問題としてだけではなく、事例問題として出題されることも考えられます。
  • ④この数年の特徴として、資料を読み取る設題が毎回1題、出題されています。令和3年の後期試験では、「結婚と出産に関する全国調査」について、表から数値を読み取り、正しい選択肢を選ぶ問題が出題されました。令和3年の前期試験では、「高齢者の生活と意識に関する国際比較」について、令和2年の後期試験では、「夫婦の家事・育児関連時間」について諸外国と比較したグラフが提示され、やはり正しく読み取る出題がありました。
  • ⑤このほか、保育所保育指針に結びついた設題も、出題されています。令和3年の前期試験では、「幼児と周囲の大人との関係」「子育て支援について」が、令和2年の後期試験では、「保育所における養護と教育の一体的展開」「保育の評価について」などが、テーマとして挙げられ、適切な文章を選択する問題がありました。保育指針を読みこなしているか、なおかつ、その内容を的確に理解しているかが問われます。

2022年4月試験に向けた受験対策、勉強の進め方など

  • ①基礎理論を正しく理解しましょう。正確に理解していれば、短時間で解答できるはずですが、中途半端な理解では、まぎらわしい選択肢に迷い、時間を費やしてしまいます。ピアジェ、エリクソン、ブロンフェンブレンナー、ボウルビィ、パーテンなどの人物名と、彼らの提唱した理論をおさえてください。
     これらの理論については、一度に覚えようとすると大変です。焦ることなく、まずは時間をかけて内容を理解し、そのあとで記憶する段階に進むとよいでしょう。
  • ②乳幼児期以外のライフステージについても忘れないでチェックしておきましょう。児童期、青年期、中年期、老年期と、人の発達は続きます。それぞれのライフステージの特徴が問われる可能性も高いです。
     発達を理解する上でのキーワードは、「生涯発達」です。能力を獲得することや、成長だけではなく、体力の低下や衰退なども含め、人生における「変化」を発達とみなします。児童期以降の特徴についても必ずみておきましょう。令和3年度後期試験では、青年期、中高年期の特徴について、それぞれ出題されています。
  • ③子どもに関連した社会問題に敏感になりましょう。表やグラフで示されたものを読み取る傾向は、今後も続くと思われます。試験本番で初めて目にするグラフが表示されたとしても、慌てず、落ち着いて目を通すことが大切です。普段から新聞やニュースなど、数値データで示されるものも含めてチェックするなどして、子どもを取りまく社会情勢に関心をもつようにしましょう。
  • ④虐待や発達障害についても確認しておきましょう。虐待については、その種類や最近の動向を、発達障害については、名称とその主だった特徴について、理解しておきましょう。発達障害については、呼称も変化しつつあることもあわせて勉強しておきましょう(例えば、自閉症スペクトラム、限局性学習症など)。やはりニュースや新聞など、最新の情報に目を向けてください。
  • ⑤最後に、保育所保育指針を読むことも忘れないでください。何度も丁寧に読んで、文章になじんでおくことが大切です。

 「保育の心理学」には、将来、保育現場で活かせる内容が詰まっています。受験のためと思って、ただ知識を詰め込むだけの勉強をしてしまうのは、もったいないです。知的好奇心をもって、楽しむ心を持ちながら、豊かな知識を身につけていかれますよう、応援しています。