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再録・誌上ケース検討会

このコーナーは、月刊誌「ケアマネジャー」(中央法規出版)の創刊号(1999年7月発刊)から第132号(2011年3月号)まで連載された「誌上ケース検討会」の記事を再録するものです。
同記事は、3人のスーパーバイザー(奥川幸子氏、野中猛氏、高橋学氏)が全国各地で行った公開事例検討会の内容を掲載したもので、対人援助職としてのさまざまな学びを得られる連載として好評を博しました。
記事の掲載から年月は経っていますが、今日の視点で読んでも現場実践者の参考になるところは多いと考え、公開することと致しました。


第8回 生活環境に問題のあるひとり暮らし高齢者への支援
(2005年3月号(2005年2月刊行)掲載)

スーパーバイザー

野中 猛
(プロフィールは下記)

事例提出者

Tさん(在宅介護支援センター・介護福祉士)

事例の概要

クライアント:W氏(73歳・男)、ひとり暮らし、要介護3
主な疾患:糖尿病(左足先壊死)、十二指腸潰瘍
精神状況:精神疾患はない
福祉手帳:肢体不自由下肢4級
住宅環境:一戸建て(2階建て)。支援が入る前の室内は、ペットの死骸、ゴミ、衣類の山で歩くことも困難な状況。一度、徹底的に大掃除をしたものの、現在再び浴室と台所の排水溝が詰まっている。

生活状況

  • ・30年ほど前に交通事故(労災)により、左足屈曲制限障害となる。
  • ・現住居は、内縁の妻(Gさん)名義。Gさんは5年ほど前から特養入所中。
  • ・今回のように衰弱するまでは、自立した生活を送っていた。
  • ・動物飼育が昔からの趣味。
  • ・これまで、動物の管理や衛生面で近隣とのトラブルがあった。

親族:両親は他界。兄(79歳)と妹(71歳)の3人きょうだい。兄と妹はいずれも電車で30分くらいのところに居住。
経済状況:2カ月で約50万円(労災年金含む)

プロフィール

野中 猛(のなか たけし)

1951年生まれ。弘前大学医学部卒業。藤代健生病院、代々木病院、みさと協立病院、埼玉県立精神保健総合センターを経て、日本福祉大学社会福祉学部教授。専攻は臨床精神医学、精神障害リハビリテーション、地域精神保健、精神分析学など。主な著書に『心の病 回復への道』(岩波新書)、『図説ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『多職種連携の技術(アート)』(以上、中央法規出版)、『ソーシャルワーカーのための医学』(有斐閣)などがある。 2013年7月逝去。