メニュー(閉じる)
閉じる

ここから本文です

再録・誌上ケース検討会

このコーナーは、月刊誌「ケアマネジャー」(中央法規出版)の創刊号(1999年7月発刊)から第132号(2011年3月号)まで連載された「誌上ケース検討会」の記事を再録するものです。
同記事は、3人のスーパーバイザー(奥川幸子氏、野中猛氏、高橋学氏)が全国各地で行った公開事例検討会の内容を掲載したもので、対人援助職としてのさまざまな学びを得られる連載として好評を博しました。
記事の掲載から年月は経っていますが、今日の視点で読んでも現場実践者の参考になるところは多いと考え、公開することと致しました。


第52回 パニック状態に陥った家族への対応を振り返る
(2003年5月号(2003年4月刊行)掲載)

スーパーバイザー

奥川 幸子
(プロフィールは下記)

事例提出者

Kさん(民間居宅介護支援事業所・ソーシャルワーカー)

提出理由

 要介護の父親を在宅で支えていた家族。2年以上キーパーソン(長女)と連絡を取り合い、信頼関係もうまく築けていたケースだったが、主たる介護者だった妻が緊急入院となり、長女と次女は父親の介護をしながら母の看護も行うという事態になった。
 ケアマネジャーとしては、家族の状態を考え、いろいろ方法を提示するが、長女ははっきりと決断できない。そのうちに、次女がいろいろと情報を仕入れ、どんどん行動を取り始めて、まわりが振り回されてしまった。
 一応は、父親は老健入所、母親はリハビリ病院への入院というかたちになったが、今ひとつスッキリしていない。どういう援助を行えばよかったのか、皆さんに検討していただきたい。

事例の概要

平成12年3月12日、長女が来社。「介護保険が始まるので、父の介護を頼みたい。家が近くなので立ち寄った」
3月23日、初回訪問。
本人、妻、長女、ケアマネジャー。

プロフィール

奥川 幸子(おくがわ さちこ)

対人援助職トレーナー。1972年東京学芸大学聾教育科卒業。東京都養育院附属病院(現・東京都健康長寿医療センター)で24年間、医療ソーシャルワーカーとして勤務。また、金沢大学医療技術短期大学部、立教大学、日本社会事業大学専門職大学院などで教鞭もとる。1997年より、さまざまな対人援助職に対するスーパーヴィジョン(個人とグループ対象)と研修会の講師(講義と演習)を中心に活動した。主な著書(および共編著)に『未知との遭遇~癒しとしての面接』(三輪書店)、『ビデオ・面接への招待』『スーパービジョンへの招待』『身体知と言語』(以上、中央法規出版)などがある。 2018年9月逝去。