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和田行男の婆さんとともに

和田 行男 (和田 行男)

「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。

プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)

高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

2021師走「ガムシャラ度測定 合格!!」


 約二年ぶりにミカン収穫のお手伝いに行ってきました。
 まるで「我が山」に帰ってきたかのように愛おしく思えましたが、山の急斜面に植わっている「みかん=イヨカン」の話を聞き、かつその状態を見ていると、何だか切なくなってきました。

 というのも、イヨカンは果汁を多く含んだ柑橘類で、僕が若い頃は「高級柑橘・憧れのミカン」でしたが、果皮が厚くてむきにくく、かつ果汁が多く手が汁にまみれるため、敬遠されるようになり、かつての栄華は産地の県民でさえ食べないミカンにまで地に落ち、イヨカンを止めて多品種への転換も進んでいるようで、イヨカンの惨状が我がNIPPONとダブってしまい、切なさを感じたわけです。

 僕がミカン収穫のお手伝いに行かせてもらえるようになったのは、そのミカン農家は僕の大事な友人の子どもがやっているというご縁からのスタートなんですが、二度目以降の僕にとっての目的は、自分の「ガムシャラ度測定」のためです。

 ガムシャラとは「ひとつの目的に向かって夢中で取り組むさまであり、後先を考える前に目的へと突き進もうとするさま」と辞書にありますが、ただひたすら何時間も一心にミカンを摘みとることができる自分であるかどうか、自己測定の機会なんです。

 歳を重ねると、年を重ね始めた頃と同じで「年のせいにできてしまうこと」が多くなってきますが、「そうなっていないか・そうしてしまわないかどうか」ってことです。
 その意味では「釣り」も同じような感じで、ただひたすら何時間も糸を垂らし魚に向かっていくさまが自分にあるかどうか、ミカン収穫と共通する「測定」ですね。
 だから船長さんから「和田さんは、最初から最後までずっと黙々と釣っていましたね」って言われると「やったぁ~」って思えるのですが、この測定の機会がコロナで減ってしまっていたので、別の意味で不安でもありました。

 さて、2021年66歳「ガムシャラ度」はどうだったか。
 はい、僕への僕から評価は「合格!」です。

 急斜面に足をとられないように踏ん張り、木によじ登り一生けん命・一心身フランに収穫作業に集中して取り組めた僕。ミカン収穫の合間に友人の漁船で釣りに出て、ほぼ釣れない状況下で辛抱と工夫を重ね粘った結果、最後の最後に53センチ真鯛メスを釣り上げることができた僕は、まだ「僕への自慢の僕・大好きな自分」でいられました。

 何のとりえもない僕が僕を信頼できる「ものさし」がこの「ガムシャラ度」で、何事に対してもガムシャラに取り組めなくなったとき、僕は僕からも周りの人からも相手にされなくなることが描けているだけに、この測定は大事な支えです。

 新型コロナウイルス感染に明けた2021年元旦から一年。
 収束感をもちながらも、変異株の出現で不安感も又残したまま今年が暮れようとしています。

 皆さんにとって2021年はどんな年でしたか。
 僕にとっては、いろいろありながらも自分自身にも家族にも生死にかかわる重大な疾病やケガがなかったのでひと安心な年でしたが、大事な方々を失った年でした。

 失いにも「亡くなった方」と、原因はどうあれ「関係が途絶えた方」がいますが、亡くなられた方には手の施しようがなくどうにもできないので何とか区切りをつけることができていますが、関係が途絶えた方には「何とかなんないかな」と未練たらたらです。

 世界情勢的に政治的・経済的不安定さが増していますし、我がNIPPONの地殻状況は不安定で、あちこちグラグラ。
 何が起こってもおかしくない「地球・人類状況」なんでしょうが、まずは己が生き抜こうとする、そして大事な人たちを護ろうとする精神力だけは失せないように自分を鼓舞するだけです。

 今年一年お付き合いくださり本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
 2022年が人類にとって良き年となりますよう祈願するのみです。次回またお会いできますように。

追伸

 このたびの収穫作業には地元の介護仲間が応援に駆けつけてきてくれました。
 ありがたいことですが、思わず「ミカン収穫と介護」についてウンチクをたれてしまいました。これは若者にとっては厄介な歳の重ねかもしれないですね。ホント、申し訳ない!
 また、友人女性が婚約報告のため会いにきてくれましたが、友の婚約報告話って結婚報告よりも妙に嬉しいですね。ウキウキしてしまった勢いで、地元民も分かれるという「名物鍋焼きうどん二店」のはしご食いをしてしまいました。

 また、昨年65歳を機にスタートさせた簡単日記、まだ続けられています。こんなに続いたのは初めてですよ。

写真

 本文とは無縁で「きれいやなぁ」と思って載せましたが、これを見て思ったのは「透かされても大丈夫な自分になってこれてるかな」ってことです。