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和田行男の婆さんとともに

和田 行男 (和田 行男)

「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。

プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)

高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

ところ変われば品変わる


 ところ変われば品変わる
 そんな言葉をよく聞きますが、意味は「同じ品物でも土地が変わると、名称や用途は変わるもの」を現しているようですが、介護の世界でも同じようなことがあります。


 上の写真は、コンビニで売っていた「おにぎり」ですが、ハノイには台形のおにぎりがありました。
 日本人にはなじみのない形ですが、ベトナム人にとっては、おにぎりといえば描ける形なんでしょうね。
 ちなみに丸いおにぎりは見かけませんでしたね。


 次の写真は、「抑制ベルト固定装着型車いす」のようですが、これを「安全ベルト」と言う人もいます。写真の車いすは中国製のようですが、ベルトは標準装備だと思えました。つまり「安全ベルト固定装着型」ってことでしょうかね。
 この車いすへの移乗方法・ベルト装着を介護職員に教えていた講師は、台湾で長く介護をしていた方のようなので、台湾でベルト装着は「ふつう」なのかもしれませんね。
 かくいう日本でも、その昔は普通に見ることができましたが、社会の到達点が引き上がり、「安全ではなく抑制のベルト」ということで、追い払いましたね。
 ベトナムは日本と関係が深くなってきていますので、これは「安全ベルトではなく人権侵害の抑制ベルト」だということが、ベトナム人に浸透していくことを願ってやみませんし、僕はそう伝えたいと思いました。


 さてお次は「スッポン」ですが、スッポン鍋を20年以上ぶりに食させていただきました。
 ところ変われば品が変わったのはスッポンではなく、食す前の「スッポンの血の飲み方」で、日本では「純血」を一気にグラスで空ける飲み方を教わりましたが、ベトナムではウォッカで割って飲むのがふつうのようです。
 意味は匂い等を消し去るというのもあるのでしょうが、凝固しないようにするためだそうです。

 鍋のメインは木の子で、木の子鍋のオプションがスッポンでした。
 これまたところ変わればですが、木の子鍋で木の子をひととおり食べた後、牛肉のしゃぶしゃぶが出てきたのですが、お肉はスライスされて、写真のように、まるで着物の襦袢のように吊るされて出てきました。


 しかもしゃぶしゃぶされるのは小さなお玉の中で、鍋いっぱいの大海をしゃぶしゃぶされませんでしたね。
 この食べ方もところ変われば何でしょうかね。


 仕事で行かせていただいているので観光というようなものはしませんが、「王様が国の光(良いところ)を観察する」のが観光の語源だということを聞いたことがありますので、「ベトナム行」はどこで何をしても、僕にとっては「観光そのもの」ですね。

 ちなみに「和田さんのオッチョコチョイ」は不偏で、ところ変わっても品同じでしたね。
 ベトナム語が話せる人が一緒にいたからよかったものの、買い物したものが出国検査に引っ掛かり、てんやわんやしました。僕一人だったら予定通り帰ってこられなかったかもです。

写真

 向こうに見える朱色の橋は、ハノイで名の知れたフーテック橋。
 僕が写真を撮っているここは、ホワンキエム湖湖畔に位置するレストランのテラス席で、初めてきましたが、鍋、春巻、どれもめちゃくちゃおいしかったです。