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和田行男の婆さんとともに

和田 行男 (和田 行男)

「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。

プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)

高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

「想い合う仲間」という備蓄

 5月27日、災害支援法人ネットワーク(通称:おせっかいネット)の学習総会を沖縄で開催しました。

 何度かブログでご紹介していますが、災害支援法人ネットワークについて改めて述べると、2011年の東日本大震災時に僕と仲間が支援行動をとったことを経て、同年8月に結成したネットワークで、スタート時は11都県13法人、その後拡大して14都道県20法人となり、毎年二回「顔の見せあい・肌の温もりを感じる」ための学習交流会・学習総会を会員所在地域で開催してきました。

 ネットワークを立ち上げたきっかけは、東日本大震災の時に、「宮城のあいつ大丈夫やったかな」「気仙沼のあの人、どうなったやろ」と思い描いたのですが、果たして僕に何かがあったときに「和田、大丈夫かな」と描いてくれる人が何人いるか疑問が出てきたことです。

 つまり、大規模災害時には「思い描ける関係性」がないと他人事になりかねませんが、それも致し方のないこと。
 その上で大事なことは「思い描ける関係性を構築すること」だと思いましたし、しかも個人では金銭的にも時間的にも量的にも限界点が低く、法人単位で動けるようにすることだと思ったからです。

 だから、このネットワークは「想いを持ち合える仲間の延長線上で会員を構成する」「法人数は20法人までとする」「盆と正月のように年二回集まってワイワイガヤガヤ食って・飲んで・語り合い、顔を突き合わせ肌の温もりを感じる」を大事にしてきました。

 ネットワークの集まりは、会員法人の所在地を巡ることにして人だけでなく景色までも描けるようにしてきましたが、新型コロナウイルス感染症拡大でご多分に漏れず「集まり」を完全にストップせざるを得なくなりました。

 もちろん「コロナごとき」に甘んじているわけにはいきませんから昨年はリモートで開催し、久々の顔合わせはしましたが、やっぱり「肌の温を感じ合える距離の機会」が大事だということから、国の新型コロナウイルス感染症対応が節目を迎えた今年、開催を延期してきた沖縄の地にて開催することができました。

 2011年3月の東日本大震災での経験から、同年8月に長崎県佐世保市において立ち上げた「災害が起こったら要請がなくても勝手に会員法人へ支援に駆けつけるネットワーク(だから通称:おせっかいネット)」ですが、設立後の災害支援は福島県の「会員法人のグループホームが水没した時だけ」という幸せな活動歴しかありません。
 でもその時に発揮されたこのネットワークの威力は、会員相互の想いが注入されていますから凄まじかったですね。その想いの源が「肌の温もり共感」でした。

 2023年「干支一回り」の時間を経てネットワークは第二期目へ移行し12都県16法人で再スタートましたが、大規模災害の発生確率は高くなるばかりと言われていますから、ますます「想い合う仲間という備蓄」の重要性は増すばかりです。

 久し振りに四十名以上が参加する会でしたが、家族同伴の仲間もいて、みんなニコニコ賑やかしく、ホント自己満足感想で申し訳ないですが、身内の良い会でした。

 全国各地で「このようなネットワークが広がると良いな」と思い、身内のことですがブログにてご紹介させていただいていますし、ずっと「集まってワイワイガヤガヤ学びながらも遊んでばかりの空振りの会」となることを願ってやみません。
 ただ、地球の容態がそれを許してくれるかどうか、ここ最近各地での揺れを思うと不気味でしょうがないです。
 皆さんも、しっかり備えましょうね。

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 久し振りに那覇の地に立ちましたが目についたのがコレ。ゴーヤージュースはよく飲んでいましたがゴーヤービールは初見!
 聞くと、沖縄の方はお家でも自作して呑むそうです。さっぱりして美味しかったです。