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辻川泰史の介護事業経営に必要な考え方

辻川 泰史 (つじかわ やすし)

一期一会の出会いを大切にし、介護のプロとしてサービスを提供する辻川泰史さんによる、これからの事業所運営の指南ブログ。

プロフィール辻川 泰史 (つじかわ やすし)

1978年東京都生まれ。98年、日本福祉教育専門学校卒業。
老人ホーム、在宅介護会社勤務を経 て2002年、(有)はっぴーライフを設立(05年に株式会社化)。08年、(株)エイチエルを設立。現在、コンサルティ ング、講演、セミナーなどでも活躍中。
著書に『福祉の仕事を人生に活かす!』(中央法規、2009年)がある。
はっぴーライフHP
http://www.hl-tokyo.com/
対談ムービー http://www.youtube.com/user/2g66

災害から逃れる

 新型コロナウイルスの影響で、学校の休校やイベント中止など大きな影響が出ています。私自身が代表を務めるフィットネスジムも日頃は賑わうクラスも閑散としています。介護事業と福祉事業では、幼いお子さんがいるスタッフの休暇希望などが出てきています。テレビやネットでは「危険」「大変」「マスクの買い占め」「どこそこで感染者が出た」との報道。ゾンビじゃないんだから。
 こういうときこそ、国立感染症センターや厚労省の現場で奮闘する人、病院の医師や看護師、スタッフの奮闘を伝え、希望をもたせる報道もしてほしいと思います。ウイルス研究をしている人を応援して、1日でも早くワクチンをつくってもらえるよう、国民をあげて応援キャンペーンをしてほしいです。
 それでも、テレビでは医者でもないジャーナリストが「危険」を連呼し、不安を煽ります。必要以上に不安を煽り、自らのテレビ出演を増やし、講演会に呼ばれるように仕向けるコメンテーターもいます。危険なのは分かった! 政府の批判!? ときには大事でしょうが、それだけでは何ら進展はしないでしょう。
 私たち日本人は2011年3月11日を経験しています。最も被害の大きかった被災地三県の方々の対応を思い出し、見習うべきです。特に介護福祉職に従事していた人は、震災の際、自らの家族の捜索よりも目の前の利用者、入居者を優先しました。それで命を落としてしまった人もいます。
 暴動も起きず、配給では整列していた様子は世界に日本の秩序のよさを知らしめてくれました。分け合って、助け合って、励まし合って、乗り越えてきました。  災難を逃れる方法を禅僧・良寛さんは下記の言葉で教えてくれています。

 「文政11(1828)年11月、新潟県で大きな地震が起きました。マグニチュード6.9。死者1400人以上」。
 禅僧・良寛は、友人に1通の見舞状を送りました。
 「災難にあう時節には、災難にあうがよく候。死ぬる時節には、死ぬがよく候」。

 何を不謹慎な、と感じますが、災難などにあうと現実を悲観し、絶望してしまいます。良寛さんは、まず災難という現実を受け入れる。そして、そのなかで何ができるか、何をすべきか? を考える。災難から逃れられないのであれば、現実を受け入れていくしかない、と考えたのです。
 変にもがけばもがくほどに逆効果のこともあります。3月11日の震災のときに被災者の方々が助け合い、和を乱さずにいた姿勢は良寛さんの心境に近いと思います。
 経営者、リーダーは自らのスタッフと顧客に安心を与えることが必要です。そのためには、テレビの情報だけに頼らず、しっかりとした情報を得ていくこと、免疫をつけて体力をつけること!
 「和をもって尊しとなす 」という言葉を大事にしたいです。


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