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高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?

高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。

プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

ミニ講義:事実と真実は同じ?

 相談援助の講義で、「本人(家族)が話す事はすべて真実なのでしょうか?」と受講生に問いかけます。よく「本当のことを話して下さい」とドラマなどで相手に迫るシーンがありますね。これって、やっかいな問いかけだと思いませんか?

 「本当のことを話してもらったけど、どうも弟の受けとめ方が違うんだよね。兄が嘘をついているのか、弟が私たちをだましているのか・・・」


 そう呟きながら捜査チームが頭を抱えるというのがお決まりの流れです。たしかに弟が刑事をだますために話すということもあるでしょうが、もうひとつ、弟はそのように思った、感じたという視点が必要です。

 では、どうでしょう?ご本人の言い分としては、「あの嫁は悪口ばっかり言っている。飯もろくに食わせてくれない。息子がかわいそうでねぇ」と嘆く。

 でもお嫁さんに確認すると「私は、義母が近所で迷惑をかけているので、謝って回っているのですよ。食事も糖尿がひどくなるから控え目にとお医者さんから言われていますから。主人は控え目でおとなしいから何を聞いても黙っているだけで、私が一方的に話すばかりになるんです」

 さて、どうでしょう?言い分が違いますね。どちらも本当のことを話しています。なのに、真反対の主張になる。

 あなたならどうします? 親子のズレと済ましますか? 家族関係のねじれと判断しますか?

 そこで私のパワーポイントをご覧になってみて下さい。
「事実と真実を分ける」とありますね。これって、とても大切な視点です。事実は1つです。でも真実は当事者分だけあると考えるとよいでしょう。つまり、ここでは本人とお嫁さんの言い分は本人にとって真実です。事実は・・・

  • ・近所に嫁が義母のことで回っている
  • ・食事の量が控え目である
  • ・息子がだんまりを決め込んでいる

 これを、母の立場、嫁の立場(妻の立場含む)では、受けとめ方が異なるという事です。そして、その異なること自体が「ひとつの事実」なのです。本人たちは、真実に「感情」をこめるものですから、主観的で抽象的な表現になりがちです。

 ですから、話を整理するためには、「では、どう思ったかではなくて、なにがあったかを話していただけますか?」と具体的に事実を積み上げることが大切になります。

 捜査がいき詰まったときに刑事たちが言う決まりセリフがありますね。「現場をもう一度洗ってみよう」・・・これって、捜査チームが主観的な思い込みをしている時にかならず誰かが吐くセリフです。

 まさに事実を積み重ねることで全体像が明らかになるいい例ですね。

 ちなみに「主観と客観はどう違うか」・・・これって、事実と真実とちょっと似ていますが、じつは違うんですよねぇ。このことは、いつかまた。みなさんも考えてみましょう・・・!(^^)!

 このような話を相談援助技術の講義で行っています。

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