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高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?

高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。

プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

月刊ケアマネジャー特集:記録の苦手解消法

 月刊ケアマネジャー11月号といえば恒例の特集、それが文章・記録術です。なんと、今回は、9月の1ヵ月間をかけて私が執筆・監修をさせていただきました。その舞台裏を紹介します。

 そもそも、なぜ、私に白羽の矢が立ったのか・・・その詳細?はわかりませんが(^_^;)、1つには、現場のケアマネジャーのみなさんを対象に「ケアプラン書き方研修」や「文章・記録の上達術」を7年ほど前から続けていること、それが評価?されたと勝手に解釈しています。


 では、なぜ、このテーマで研修を始めるに至ったか。それは、現場でケアプランや支援経過記録の相談を受けたり、ケアプラン書き方関連本を読んでいて、ふと、疑問に思ったことがありました。

 「これって、本人がこんな標準語のような言葉づかいするかなぁ。岩手の人だったら、もっとなまっているはずじゃないかな?」

 「どうして、こうも主語を簡単に抜いちゃうんだろう?」

 「曖昧な表記が多すぎるのはどうしてだろう?」

 「どうしてこうもダラダラ・長々文になってしまうんだろう?あれっ、途中で主語が変わっているぞ!これは大誤解するぞ」

 そこで、ハタと私は自問自答・・・どうして、オイラはそんなところに着目してしまうのだろう。たとえば、話し方の表記、要約の仕方、語彙の間違い、文章の組み立て、主語の混乱、述語のあいまいさ・・・あげるときりがありません。

 これって、私が20代に数年ながら編集の経験やライターとして仕事をしていたこと、そして多様な本を読んできたこと、なにより年1~2冊の単著を書き、編集者から文章のチェックを受けていること(恥も大いにかき・・・)、これらを通じて「文章の鑑定眼」が身についているからだと、自分なりに理解しました。

 ならば、その視点から、ケアマネジャーのみなさんに文章の書き方やケアプランの書き方を私なりにできるのではないか、と思い立ち文章記録術の研修を始めたわけです。


 あれから7年が経過し今回の特集の依頼をいただきました。

 では、いままでの研修実践の「現在の到達点」(進化中ですので)をまとめてみよう、そして、文章を書くためにいかにインプットをすべきか、について踏み込んだものを書いてみようと決めました。


 編集長からは「ビジネス誌にある文章講座のように、わかりやすく実践的な特集にしたいんです」というお題をいただき、それに沿っていろいろと考えました。そして担当のTさんとディスカッションし、私がどのように取材をしているのか、を話しました。

 「要するに、私の場合、取材しながら頭の中で原稿を書いているんです。そしてつねに?(疑問)を持ち、問いかけながら話を引き出していますね。観察する場合も同じです」

 このやりとりを通じてStep1は、情報整理「5つの窓」に整理しました。要するにインプットの勘所をまとめたわけです。


 Step2では「そもそも日本文とは・・・」というところを理解されていないために「わかりづらい、ワンパターン、ダラダラ書き」が起きています。その点に着目し、あいまい言葉の書き換え指南をし、専門用語や漢字言葉をだれもがわかる言葉に書き換えるコツを披露し、 長々となりがちな文章を、単文・接続詞(接続助詞)・複文でスッキリ文に整理する方法を示しました。


 圧巻?はケアプランと支援経過記録の書き換えパフォーマンスです。現場のケアマネジャーの相田里香さんと鈴木芽久美さんに協力をいただき、私がスーパーバイザーとなって「問いかけ」を行い、問いかけから引き出された回答によって書き換えるプロセスを誌上でお見せするという大胆なものです。

 「この“皆”とは誰のことですか?」

 「“足腰をしっかり保ち”とは、下肢筋力を維持することですか?」

 「“社会に出て自分の思い”とありますが、社会とは?思いって?」

 これらの問いかけから、「皆→主治医やデイサービススタッフ」「しっかり保つ→ふらつかないように」「社会→福祉施設での講演、思い→聖書の話・愛の大切さ」などが浮き彫りになり、それをその場で文章化する離れ業(^_^;)を行いました。

 今回の特集は、私の「文章・記録の上達術」の中間報告的な総仕上げであり、私にとっても読者の反応が楽しみな特集となりました。写真は、私の事務所で行った「書き換えパフォーマンス中」のスナップです!(^^)!


 11月号はちょっとイチ押しです(^^ゞので、ぜひとも書店でネットで手に取ってみて下さい。

 新しい可能性が開けると思います!(^^)!

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