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ケアプランに活かす! 病気と薬の知識

【心不全】症状や種類から予後まで、ケアマネが押さえたいポイントを徹底解説! 【医師が監修】

【執筆・監修】

鶴岡浩樹

日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究所 教授、つるかめ診療所副所長

目次

1.心不全ってどんな病気?

心不全とは、心臓のポンプ機能が低下した状態のこと

 心臓は、酸素の多い血液を肺から全身の臓器に届けるポンプ機能を果たしています。心不全とは、このポンプ機能が低下し、全身の臓器に血液を送り出せなくなった状態のことです。「心不全」は病名と思われがちですが、正しくはこうした状態像を指す言葉であり、あらゆる心疾患の終末期像といえます。

2.心不全の症状は?

動悸・息切れをはじめ、体重増加などもみられる

 動悸・息切れをはじめ、浮腫や体重増加など、以下のようにさまざまな症状がみられます。特に階段や坂道を上るときに息切れや咳が出ることが多くなります。
 また、起坐呼吸といって、横になって眠れないが身体を起こすと楽になる(呼吸困難が臥位で増強し、起座位または半座位で軽減する)状態がみられることも特徴です。

●心不全の主な症状

3.心不全の原因は?

あらゆる心疾患が心不全の原因となり得る

 心筋梗塞、不整脈、弁膜症、高血圧、心筋症など、あらゆる心疾患が心不全の原因となり得ます。
 また、心不全は、風邪などの感染症、ストレス、暴飲暴食、過労、服薬や通院の中断などによって急性増悪することがあるため、注意が必要です。

4.心不全の予後は?

 心不全は、進行すると急性増悪を繰り返し、何度目かの増悪で死に至ります。激しく病状が変動することが特徴です。

 入退院を繰り返し病院で亡くなることが多いですが、近年、緩和ケアの考え方が広まり、病院と連携しながら在宅で看取りまで行うという実践が、先進的な在宅療養支援診療所を中心に始まっています。
 また、在宅酸素の患者の一部は、末期の慢性心不全です。呼吸苦に対して医療的麻薬(モルヒネ)を使う場合もあります。

5.心不全の治療は?

生活指導と内服薬が中心

・生活指導

減塩、飲水制限が中心。基礎疾患に高血圧、糖尿病などの生活習慣病があることが多く、その食事療法を継続します。禁煙、禁酒も大切。

・内服薬

ACE阻害薬・ARB、β遮断薬、利尿薬、強心剤を用います(詳しくは、心不全の治療薬を参照)。

●ACE阻害薬
アンジオテンシン変換酵素阻害薬。心不全になると活性化されるホルモンのレニン・アンジオテンシン系を抑えることで収縮力が低下した慢性心不全の状態を改善させる。

●ARB
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬。心臓へは、ACE阻害剤と同様の効果をもたらす。ACE阻害剤とは細かい作用機序が異なる。

6.ケアマネジャーが押さえておきたいポイントは?

日常生活の注意点・観察ポイント日常生活の注意点・観察ポイント

  • ・風邪、食べすぎ、飲みすぎ、ストレスに注意。
  • ・心不全の悪化の兆候は、体重増加(2~3kg)と浮腫の悪化
  • ・訪問看護やデイサービス等に定期的な体重測定をお願いしよう。
  • ・これまで履けていた靴が履けない、靴下の痕が足に残る、などは浮腫のサイン。
  • 横になると苦しがる場合は重症。半座位もしくは起座位にして医療職へ連絡を。
  • ・突然死する可能性があることも頭に入れておく。

医療職に確認しておくこと医療職に確認しておくこと

  • 飲水制限がある場合、1日の摂取量を確認し、デイサービスなど関係各所で情報共有する。
  • 利用者固有の心不全悪化の兆候があれば確認しておく。
  • ・悪化時、急変時の対応を話し合っておく。入院の場合、後方病院を確保していることが安心につながる。
  • ・いざというときに備え、アドバンス・ケア・プランニング(人生会議)を行う
  • ・心不全の在宅ケアは多職種連携が鍵。病状が変動するので、医師を交えた連携を実践しよう。

使える制度使える制度

  • ・障害者手帳(1・3・4級)…心臓機能障害。
  • ・特定医療費支給制度(原疾患が指定難病の場合)。
  • ・高額医療費制度(医療費が一定額を超えた場合)。

この記事を監修した人

鶴岡浩樹(日本社会事業大学専門職大学院福祉マネジメント研究所 教授、つるかめ診療所副所長)

順天堂大学医学部を卒業後、 自治医科大附属病院総合診療部などでの勤務を経て、2007年につるかめ診療所(在宅診療)を開設。2013年より日本社会事業大学専門職大学院教授。

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