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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第232回【初・霞ヶ関見学デー!~補助犬ってなぁに?~】

 夏休み真っ只中!外遊びには暑過ぎる環境下ではありますが、皆さんそれぞれに夏を満喫されていることと思います。かくいう私は、長期休みに入るたび「給食」のありがたさを痛感する日々。。。いつもより40分早く起きて、子ども達のお弁当作り。プラス、8月からは小学校で飼っている「ウサギさん」の小屋掃除とご飯の入れ替え。あまりの暑さの中、ウサギさんは土の中にトンネルを掘って、ほぼ出てくることはないので、見かけることはありません…本当なら自宅に連れて帰り、エアコンの効いた部屋で飼育してあげたいですが、私の一存では決められないので、もう少し学校内のネットワークを作りつつ、キーパーソンを見つけて働きかけたいな~と思っています。動物の福祉が守られていない限りは、子ども達に本当の「命の意味」を教えることはできないと考えています。汗だくになってから出勤をした後は、基本的に事務所仕事の日は、ず~っとエアコンの中におり快適ではありますが…ほんと、体調管理には気をつけたいと思います。

毎年開催のこども霞ヶ関見学デーで、
初めて補助犬3種のユーザーさんによるトークイベント
「ほじょ犬ってなぁに?」を開催いたしました♪

 みなさん、こども霞ヶ関見学デーをご存知ですか?「こども霞が関見学デー」は、厚労省をはじめとした府省庁等が連携して、業務説明や省内見学などを行うことにより、親子の触れ合いを深め、子供たちが夏休みに広く社会を知る体験活動の機会とするとともに、府省庁等の施策に対する理解を深めてもらうことを目的として、平成12年度から実施されています。今回、厚労省の中でのイベントとして、「補助犬ってなぁに?」を開催させていただきました。
 当日は、補助犬3種のユーザーさんに会場までお越しいただきました。皆さん暑い中でしたので、極力外を歩かずにすむように、車移動をされたり、地下鉄利用でなんとか会場までお越しいただきました。また、予約制のお席は満員で、会場いっぱいのお子さんと保護者の皆さんが熱心に参加してくださいました。

 当会が監修するイベントでは、必ず障害のある方に「趣味」をお聞きします♪今回も、介助犬ユーザーさんは「食べ歩き」、盲導犬ユーザーさんは「旅行」「カラオケ」、聴導犬ユーザーさんは「お裁縫」など、障害があるないに関わらず、「楽しい!」「嬉しい!」気持ちは共通なんだ!という事を感じてもらえたかと思います。
 また、その他、補助犬の日常のお仕事紹介&仕事風景を見てもらったり、補助犬が居ても困ることを話していただきました。そこで出てきたエピソードを紹介します。。。

<介助犬ユーザーさん>
 「落としたコインを拾ってくれるのが、とっても助かる・・・」

 この言葉には、とても深い意味が隠れています。もちろん、落としたコインを拾ってもらえることだけでも助かるのですが、それだけではないんです。会場でも私から補足させていただきました。
 車椅子利用者の中には、手の握力が無い方、とても力の弱い方もたくさんいらっしゃいます。小さなコインをつまんで、自動販売機など小さな場所に入れるのは至難の業です。ですので、落とすことが良くあります。そんな時に、知らない人を呼び止めて、その人の時間をもらって「わざわざ拾ってもらう」ためには、「100円以上じゃないと気兼ねする」と、複数の車椅子ユーザーである友人から聞きました。それって、とっても悲しいことだと思うんです。そんな時、介助犬だったら、お金の価値は関係なく、1円でも10円でも喜んでシッポをふりふり拾ってくれます!是非今後、街を歩く時は「1円でも10円でも拾いますよ♪って顔をして歩いてくださいね♪」きっと、そうすれば、社会は全ての人に優しい社会になると思います♪ と伝えました。子ども達は笑いながら、一生懸命に聞き入ってくれました。

<盲導犬ユーザーさん>
 「残念ながら盲導犬には信号の色はわからないので、周囲の音を聞いて渡るんです。
そんな時に、周りの人が声をかけてくれると嬉しいです」

 皆さん、ご存知でしたか?視覚障害者が信号を渡る時、白杖の方も、盲導犬を連れている方も、どちらにせよ、その視覚障害者が周囲の音を聞きながら、周りの人は動いているかな?自分と同じ方向の車が走りだしたかな?自分の前を車が横切らないかな?という音の感覚だけで、勇気を振り絞って、命がけで渡っているんです!そんな恐怖を無くすことが、私達周囲の人間にできるんです♪信号で、視覚障害者の方を見かけたら、「青になりましたよ♪」「まだ赤ですよ」の一言をお願いします。きっと、それが当たり前になれば、今まで「怖いから外出できない」とか「心配だから一人では出かけられない」と思っていた人が、「困った時は、誰かが声をかけてサポートしてくれるから大丈夫!」と思えるようになり、「外出してみようかな?」「もう少し遠くに行ってみよう!」と思える社会になると思います。是非、そんな社会を一緒に作ってほしいなって思います♪

<聴導犬ユーザーさん>
 「聴導犬は非常ベルやサイレンの音は教えてくれますが、緊急アナウンスの内容まではわかりません。その内容を伝えるお手伝いをしていただけると嬉しいです」

 聴導犬のお仕事の中で、非常ベルやサイレンの音を伏せて教えるという仕事があります。それによって緊急事態であることはわかりますが、その際に何がアナウンスされているのか?逃げた方が良いのか?どうしたらよいのか?を知ることはできません。是非、緊急時にアナウンスどおりの動きができていない人が居たら、「何かサポートしましょうか?」と声をかけたり、スマホに文字を打ち込んでやり取りしたり、またはその余裕も無ければ、身振りで「逃げましょう」と強引に連れて行ってほしいとお願いされていました。

 このように、障害が違えば、困ることも違います。同じ障害の方の中でも、必要なサポートが違う場合は多々あります。しかし、どの困りごとも、周囲の皆さんの「ちょっとした想像力」や「ちょっとした勇気」で対応でき、彼らは安心して社会参加することができます。これって、とっても素敵なことですし、決して難しいことではないと思うのです。

 さて、昨日の話しを聞いた子ども達は、今頃街中で「困っている人は居ないかな?」という心のアンテナを広げて歩いてくれていることと思います♪これからも、そんな素敵な子ども達を増やしていく活動を行っていきたいと思っております。

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来週9日(木)毎年恒例、京王プラザホテル新宿にて、補助犬3種のデモンストレーション実施!
ユニバーサルサービスについて学べる素敵イベントです♪ 補助犬達とお待ちしております♪

  • 日時:2018年8月9日(木)11:00~16:00
  • 会場:京王プラザホテル(新宿)本館43階宴会場
       ※補助犬3種のデモンストレーション ①11:10~/②13:20~(各回約50分)

労使共催チャリティイベント 「第15回ボランティア・プラザ」開催

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 是非、皆さんの様々なお声を、お寄せください。当会では、一緒に社会を更に更にステキに変えて行って下さるサポーターの皆さんを募集しております。お気軽にご連絡ください♪

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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