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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第33回 5月22日は ほじょ犬の日!!!補助犬法発祥の地は宝塚・・・!?

 さて、5/22の【ほじょ犬の日】啓発シンポジウム、昨日無事に終了致しました♪たくさんの方にご参加頂き、大変有意義な時間となりました。ご参加の皆さんはもちろん、ご協力いただきました皆さん、ボランティアをして下さった獣医看護師を目指す16名の学生さん達、そしてFacebook等でご紹介下さった皆様に、心より感謝致します。同日は、安倍総理大臣表敬訪問も実施して参りました♪ 詳細のご報告は、来週の記事として書かせていただきますね♪お楽しみに・・・

いつでもどこでも、大好きなお父さんと一緒♪

 皆さん、補助犬法発祥の地が「宝塚市」だったという事実、ご存知でしたか?

 そもそも、きっかけは1頭のラブラドール(イエロー)の女の子。生後1カ月の白い毛糸玉のような子犬でした。。。

 1987年、26歳で結婚した翌年のクリスマスの朝のこと、木村さんは出勤途中のバイク事故で、命こそ取り留めましたが、首から上しか動かせなくなりました。

 「27歳まで健康だった人が、突然、首から上しか思うように動かせなくなる。治ると信じていたが、約3カ月後、一生、元通りにならないと知らされる。それは、ショックという一言では片づけられないものだった。」~「介助犬シンシア」毎日新聞社より~

 事故から3年半後、死の淵から猛烈なリハビリに取り組み、奇跡的な復活をみせ、車いすでの自立生活を手に入れた木村さんでしたが、自宅へ戻っての自立生活は、簡単なものではありませんでした。転倒してしまうと自分では起き上れない為、家族が帰るまで暗い部屋で倒れたままという事も何度もあり、奥さんは職場から2~3時間おきに電話をかけ、出なかったら自宅にかけつけるという生活が続いていました。

 事故から6年後、在宅勤務もできるようになり、少し落ち着いてきた生活の中で、奥さんが「犬を飼いたい」と言いだし、ペットとして柴犬を探し始めましたが、知人の紹介でラブラドールの赤ちゃんを見に行く事に…その時に出会ったのが、真っ白な毛糸玉のような1カ月の子犬シンシアでした。

 が、天使のようだった子犬も、生後3カ月ともなると、いたずらし放題!車いすの木村さんの昼食をうばうわ、お風呂の蛇口は開けるわ、手に負えない状態に…(経験者ならわかりますよね!笑)

 そんな時、たまたま読んだ愛犬雑誌に見つけた『介助犬』の文字。木村夫妻は、その育成団体に応援の手紙を送った。。。それが、介助犬との生活が始まるきっかけとなりました。

 運命の糸にたぐり寄せられるかのように、偶然にもシンシアに適性があり、簡単ではありませんでしたが合同訓練も終了し、無事1996年1月に協会の認定を受け、活動を開始しました。補助犬法ができる6年前の事です。

 が、これがまた大変な壁の連続…まだ補助犬法もできていない当時、盲導犬でこそ知っている人はいたとしても、「介助犬」の認知度は0。どこに行っても「犬はダメです」の連続。障害者の自立と社会参加の促進が目的のはずなのに、介助犬がいる事で、逆に社会参加に大きな壁ばかり増えました。が、そんな壁を打ち砕かんばかりに、木村さんとシンシアを支援する人々の輪は、急速に広がっていきました…。これは全て、ひとえに木村さんご家族のお人柄と、そして何といってもシンシアの「たれ目」の優しい表情にあったのではないかな~と思っています。

 その人々の心の輪が、宝塚市を動かし、兵庫県を動かし、最終的に国を動かすまでの大きな輪を作りました!「介助犬を推進する議員の会」が、やがて「身体障害者補助犬を推進する議員の会」になり、身体障害者補助犬法が2002年5月22日に成立することとなりました。

 とはいえ、補助犬法成立には木村さん以外にも、多くの補助犬ユーザーさん達のご尽力がありました。それぞれのユーザーさんに、それぞれのオリジナルストーリーがあり、皆さん本当に素晴らしい方ばかりなのです♪ 補助犬をテーマにした絵本や書籍も沢山あります。是非、一度お読みになって下さい。新しい気付きや学ぶことが、たくさんありますよ♪

 5月31日には宝塚で【補助犬の日啓発イベント】を実施します!ぜひ、補助犬達に会いに来て下さい(^o^)/

 次回は、「5月22日ほじょ犬の日のご報告~♪」です。総理大臣表敬訪問の様子もご報告致します♪

『ほじょ犬の日』 啓発イベント
  • ●日時:2014年5月31日(土)
    (1)11:00(10:30開場)~12:00 (2)12:50(12:30開場)~14:00
  • ●会場:Gコレクション阪急宝塚前広場
  • ●内容:身体障害者補助犬法とは

補助犬デモンストレーション(盲導犬、介助犬、聴導犬(聴導犬はビデオで))
補助犬ユーザーのお話
開場からそれぞれの開始時刻まで  お楽しみ補助犬クイズ、バルンアート

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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