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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第32回 5月22日は ほじょ犬の日!!!(4)医療機関と補助犬・・・

 さて、5/22の【ほじょ犬の日】啓発シンポジウム、Facebook等で皆様が取り上げて下さり、かなりPRが広がっています♪ありがとうございます!いよいよ来週木曜日に開催です!学生ボランティアさんも大勢確保できました!障がいのある方もない方も、楽しんで学んで頂けるよう、準備して参ります。是非、ご参加くださいませ♪

補助犬達が邪魔になる事はありません・・・

 さて、前回に引き続き、補助犬の同伴拒否について考えてみます。

 前回も触れましたが、補助犬ユーザーにとって、最も高いハードルであるのが【医療機関】です。どうしても衛生観念が高い場所であることは当然。それが故に、正しくご理解いただけないと、受入れすらしていただけない現状があります。。。

 大学病院等の大規模な病院で難しいのは、縦割り組織を攻略する事!感染症科のドクターの理解を得て、許可を得た後に、院内の会議で採決をとり、病院としてのルールを作成し、職員へ周知。それと同時に他の患者さんへの周知(ポスターやステッカー等の掲示物の他、最近では待合室等のモニターにて紹介下さる例も増えて来ています♪)を実施し、ようやく「当たり前」の受入れにたどり着きます。その道のりは長く、時間はかかるのですが、その行程をしっかりと歩んで下されば、その後の受入れに関してはスムースになります♪ 横浜市立大学附属病院・市民総合医療センターはその良い例であり、補助犬法成立当初から前向きに取り組んで下さり、今もなお、補助犬ユーザーに優しく、また当たり前に受入れて下さっている医療機関です!(厚労省のもっと知ってBOOKでも紹介されています。)


 また一方、小規模な病院では…特に個人病院の場合は院長の御意向1つというところがありますので、ご理解の格差が大きいのが特徴的です。やはり、主要ポストの方が「犬が嫌い」な方の場合は、非常に難色を示されます…。

 でも、これもまた、仕方が無い現実だと思うのです。「犬嫌いの方に対して『犬を好きになって下さい』」と言える事でもありません…。ただ、何よりご理解いただかなければならないのは、【補助犬同伴を受け入れる=犬の受入れではなく、障害者の受入れの問題である】ことなのです!

 犬の受入れのため、ご準備いただくモノは何もありません。犬はユーザーさんの傍にいつも大人しくしていますし、犬嫌いな方に対して、むやみに犬を近づける事もありません。犬に関する衛生管理も行動管理も、全てユーザーの責任の下おこなっておりますので、ご迷惑をおかけする事はありません。(排泄に関しても、キチンと指示した場所で実施し、その片付けもユーザーが行います。)必要なのは、障がいのある方に対し、【その方が希望される必要なサポート】を実施いただける、職員の皆さんのマインドがあれば、それだけで問題無いのです。

 「補助犬同伴受け入れマニュアル(医療機関編)」当会のHPから無料ダウンロードできます!
様々な場面でご活用ください。公衆衛生・人獣共通感染症の専門家もメンバーに入っていただき作成しましたので、受け入れる際に必要な情報は全て揃っています。これを元に、問題無く受入れて下さっている医療機関が全国多数ありますので、参考にして頂ければ光栄です。

 また、24時間テレビチャリティ委員会様では、毎年【補助犬啓発支援】にご協力下さっているのですが、その中で啓発DVDとして「補助犬受け入れ方DVD」があります。(当会監修)様々な業種での受入れ方を紹介しておりますが、その中で、総合病院と透析病院での受入れ事例を紹介しております。(この中に出て来られるのは、全て本物の補助犬ユーザーさんのご協力を得て、実際に受入れていただいている事例を紹介しております。)是非、こちらもご参照ください。

 撮影にご協力いただきました透析医療機関:木更津クリニックの高尾院長のインタビューを聞いて頂ければ、「受入れに何の問題も無い」事がわかっていただけると思います♪


 5月22日「ほじょ犬の日」啓発シンポジウムでも、全日本盲導犬使用者の会様より、医療機関における受入れの現状を御報告いただきます。是非、ご興味おありの方は、ご参加いただき、一緒に考えてみましょう♪

 次回は、「補助犬法発祥の地は宝塚!?」

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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