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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第31回 5月22日は ほじょ犬の日!!!(3)「テラス席限定」と言われたら…どう思います???

 さて、5/22の【ほじょ犬の日】啓発シンポジウムに向け、本格的に、広報活動やら手話通訳手配やら、忙しくなってきました~! スピーカーの河合純一氏は、全盲のスイマー。メダル数は日本一!しかも、教師になるという夢を叶え、今も全国を飛び回って子どもたちの教育や水泳指導にあたっておられる!という凄い方です。お話もかなり面白いと思いますので、平日ではありますが、多くの皆様のご参加をお待ちしております♪

補助犬たちは、飲食店でも足元で大人しくしているだけ。ご迷惑はおかけしません♪

 さて、シンポジウムの冒頭に、補助犬ユーザーさんからの「同伴拒否事例報告」を予定しております。一昨年の補助犬法10周年記念シンポで、医療機関での受け入れ同伴拒否が問題として挙げられました。厚生労働省では、それをきっかけに、医療機関向け「身体障害者補助犬ユーザーの受け入れを円滑にするために~医療機関に考慮していただきたいこと~」と、「医療機関向け ほじょ犬もっと知ってBOOK」を作成しました。

 が、残念ながら、同伴拒否がなくならないのは、医療機関だけではありません。最も利用頻度が多い、店舗や飲食店でも、相変わらずの同伴拒否は続いています。。。補助犬法が成立して12年目。今一度考え、どうしたら補助犬ユーザーである障害者がいるのが当たり前の社会を目指せるのか……2020年に向けて、急ピッチで取り組まねば!と思っています。


 最近起きた、同伴拒否の事例です。

 世界的コーヒーチェーン店での出来事。4/29に大阪の聴導犬ユーザーAさんが、「店内ではなく外のテラス席にお願いします」と言われたそうです。

 「美味しいコーヒーを飲みたい」と思っただけなのに、席を限定されてしまいました……寒い冬の日もあれば、雨の日もあります。それでも『テラス席に限定』されたら、どう感じるでしょうか???

 一見、「受け入れているように思える巧妙な同伴拒否」。結局、この聴導犬ユーザーAさんは、利用を諦めました。

 後日、店長さんと営業の責任者が謝罪に来られ、その場で「改善箇所を後日文書でお送りします」とおっしゃったそうです。「非常に誠意を感じた」とAさんも喜んでおられたのですが、その数日後に「文書は出せない」とのメールが…。Aさんとしては再び裏切られた気持ちで、非常にショックを受けてしまわれました…

 実はAさん、同チェーン店で拒否されたのは今回が初めてではなく、2年前の冬の寒い日にも、別店舗で『テラス席に限定』され、利用はしたもののあまりの寒さに車に戻るという、悔しい思いをされたそうです。


 このような拒否事例、補助犬ユーザーさんにとっては未だに日常茶飯事です。『障がいがある』だけでも、つらい思いをすることの多いこの社会で、社会参加の心強いパートナーであるはずの【補助犬】によって、さらにバリアが増えてしまったら…私だったら、社会参加すること自体が億劫になってしまうでしょう。。。

 「美味しいコーヒーを飲みたい」。人として、ごく当たり前の希望。それすら叶えられない社会に私たちは生きています。とてもとても、残念で悲しいことです……当会としても、しかるべき対処を、関係団体と連携しながら取り組んでいきたいと思っております。


 補助犬法では、補助犬ユーザーに対して厳しい義務と責任を課しています。行動管理も衛生管理も、ユーザーの責任で行った上で、社会参加が認められています。厚生労働省指定の法人で認定を受け、認定証の携帯と犬への表示を付けた上で、「社会参加しても迷惑にならない」と認められたユーザーと犬のペアです。万が一、行動管理や衛生管理に問題がある場合には、ハッキリと伝えてください。理由なく【ほじょ犬を拒否する】ことは、【障害者を拒否する】ということなのです!


 ぜひ、この機会に多くの方に、一緒に考えていただきたく思います!

 まずは、5月22日「ほじょ犬の日」を、日本国民みなさんに知っていただきたいです♪

身体障害者補助犬法成立12周年 【ほじょ犬の日】啓発 シンポジウム
「2020東京オリンピック・パラリンピックと補助犬」
~補助犬達とともに作るおもてなしの社会~

日程 : 2014年5月22日(木)
時間 : 17:00~18:30 (16:30開場)
会場 : 衆議院第2議員会館 多目的会議室
(東京メトロ丸の内線・千代田線「国会議事堂前駅」1番出口徒歩5分)
※ 駐車場はございませんので、公共交通機関をご利用下さい。
参加費 : 無料
※ 事前予約不要 ※手話通訳・要約筆記あり
主催 : 身体障害者補助犬を推進する議員の会 (会長 尾辻秀久)
事務局 : 阿部知子事務所 TEL03-3508-7303 (内50424)

シンポジスト:
◇パラリンピアン(水泳金メダリスト) 河合純一氏
(日本パラリンピアンズ協会会長、バルセロナ・アトランタ・シドニー・アテネ・北京・ロンドン)
◇日本パラリンピック委員会事務局長 中森邦男氏
厚生労働省 他

 本年1月20日、我が国は障害者権利条約を批准し、心豊かに生きる社会を目指してスタートラインに立ちました。来たるオリンピック・パラリンピックは、日本の社会が真にユニバーサルデザインになる絶好のチャンス。海外から補助犬同伴の競技者、お客様も来日されます。

 今回は金メダルのパラリンピアンのお話から2020年に向けての取り組むべき課題を共有し、一丸となって盛り上げて行くとともに、身体障害者補助犬のさらなる普及啓発に繋げたいと思います。5月22日「ほじょ犬の日」にみんなで集まりましょう!!


 次回も「5月22日はほじょ犬の日!!!(4)」です。

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

JSDRC(日本補助犬情報センター)ロゴ