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石橋先生の受験対策講座

石橋 亮一(いしばし りょういち)

忙しい日々の中で効率よく勉強するにはどうしたら?とお悩みのあなたに、ぴったりのガイド役となるのがこのコーナーです。介護の現場にも詳しい石橋亮一先生が受験勉強のポイントを講義します。

プロフィール石橋 亮一(いしばし りょういち)

介護福祉士/社会福祉士/介護支援専門員
社会福祉法人同胞互助会にて特別養護老人ホーム、在宅介護支援センター、株式会社ベネッセコーポレーションにてホームヘルプサービス、居宅介護支援事業等に従事。その後、地域や学校、介護サービス事業者・施設の研修講師・アドバイザー、介護認定審査会委員、東京都第三者評価員、介護サービス情報の公表制度調査員、特別養護老人ホームの施設長等に携わる。介護福祉士や社会福祉士、介護支援専門員などの受験対策講座も数多く行っている。『福祉現場のための感染症対策入門』(中央法規出版)も執筆。

第30回 介護の基本(3)~介護サービス~

 今週は、「介護の基本」の3回目です。
 今回は、介護福祉職が従事する、介護サービスについて整理しましょう。


介護サービス

 介護サービスには、フォーマルサービスとインフォーマルサービスがあります。前者は介護保険法や障害者総合支援法が適用されるサービスなどに相当し、後者は家族や親族、隣近所、ボランティアなどによるものです。利用者の介護生活を支援する上で、フォーマルサービスとインフォーマルサービスとの連携、チームケアも大切といえます。なお、介護の相談を受ける地域包括支援センターは、フォーマルサービスに該当します(第34回に出題)。
 以下、介護保険法が適用される主なサービスを列挙します。本講座第9回も参照してください。これらサービスの利用に際しては、利用者と家族に重要事項説明書を渡して、サービス内容を説明し、同意を得て、利用者と契約書を取り交わします(第28回に「社会の理解」で出題)。
 なお、下記にある「居宅」とは、自宅やサービス付き高齢者向け住宅などを指し、サービス付き高齢者向け住宅の入居者も、必要に応じて、介護保険サービスを利用できることが、第30回の「社会の理解」で出題されました。

居宅サービス

  • 訪問介護(ホームヘルプサービス):訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の居宅を訪問し、入浴、排泄、食事などの介護、調理、洗濯、掃除などの家事、生活等に関する相談・助言などを行う。訪問介護事業所のサービス提供責任者の役割として、介護支援専門員(ケアマネジャー)の居宅サービス計画(ケアプラン)に基づいて、具体的な援助目標および援助内容を記載した訪問介護計画書を作成する。なお、要支援者が利用する介護予防サービス(予防給付)の一つである介護予防訪問介護は、利用者の生活機能の維持または向上を目指すが、2014(平成26)年の介護保険制度改正により、介護予防通所介護とともに、市町村が実施する地域支援事業に移行した(第25回、27回、32回、33回に出題。第29回では「社会の理解」で出題)。
  • 通所介護(デイサービス):居宅の利用者について、老人デイサービスセンターなどに通い、入浴、排泄、食事などの介護、生活に関する相談・助言、健康状態の確認、機能訓練などを行う。なお、事業者は、正当な理由なくサービスの提供を拒んではならない(全サービスに共通する規定)(第28回に出題)。
  • 短期入所生活介護(ショートステイ):居宅の利用者について、老人短期入所施設や特別養護老人ホームなどに短期間入所し、入浴、排泄、食事などの介護その他の日常生活上の世話、機能訓練を行うとともに、家族介護者の負担軽減を図る。
  • 特定施設入居者生活介護:有料老人ホームなどに入所している利用者について、施設サービス計画(ケアプラン)に基づき、入浴、排泄、食事などの介護、生活に関する相談・助言、機能訓練、療養上の世話などを行う。

 上記の地域支援事業とは、市町村が実施主体となった介護保険制度下の事業で、介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)、包括的支援事業(主に地域包括支援センターで実施)、任意事業から構成されています。介護予防訪問介護と介護予防通所介護はそれぞれ、総合事業に含まれる、第一号訪問事業(訪問型サービス)、第一号通所事業(通所型サービス)に移行されました(第32回に「社会の理解」で出題)。


施設サービス

  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム):身体上、精神上の著しい障害のため、常時介護を必要とし、居宅での介護を受けることが難しい利用者が入所する。また、担当する職員を一定期間固定して配置し、個室とその利用者10名前後が、相互に社会的関係を築くように支援する、ユニット型が整備されている(第24回、27回に出題)。
  • 介護老人保健施設:病状が安定期にある利用者について、病院退院後に居宅での生活を送ることが難しい場合の中間施設として位置づけられ、在宅復帰に向けたリハビリテーションなどを行う。
  • 介護療養型医療施設:病状が安定期にあり、医学的管理のもとで長期療養を必要とする利用者が入所(入院)する。

 第30回では、介護老人福祉施設における防災対策として、施設が作成する非常災害対策計画の内容は、職員間で十分に共有することが適切、と出題されました。また、2023(令和5)年度末までに廃止が予定されている、上記の介護療養型医療施設の転換先の一つとして、介護医療院が、2017(平成29)年の介護保険制度改正により創設されました。第33回では、介護医療院に関して、入所者のためのレクリエーション行事を行うように努めることが適切、と出題されました。

地域密着型サービス

  • 夜間対応型訪問介護:居宅の利用者について、訪問介護員(ホームヘルパー)が、夜間に、定期的な巡回訪問や、通報により随時訪問し、排泄の介護などを行う(第26回に出題)。
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、居宅の利用者について、日中・夜間を通じて、訪問介護(ホームヘルプサービス)と訪問看護が密接に連携しながら、定期的な巡回訪問と随時の対応を行う。利用者の状態の変化に応じて、随時訪問サービスを利用することができる(第31回に出題)。
  • 小規模多機能型居宅介護:居宅の利用者について、居宅またはサービスの拠点において、家庭的な環境と地域住民との交流のもとで、入浴、排泄、食事の介護などを行う。なお、小規模多機能型居宅介護事業者は、運営推進会議を設け、地域に開かれたサービスと質の確保を図る(第25回、26回に出題)。
  • 認知症対応型共同生活介護(グループホーム):認知症の利用者について、共同生活を営むための住居にて、家庭的な環境と地域住民との交流のもと、入浴、排泄、食事の介護などを行う。利用者の、なじみのある人や店との関係は継続していく(第24回、32回に出題)。
  • 看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス):居宅の利用者について、小規模多機能型居宅介護と訪問看護を組み合わせて、介護と看護を一体的にサービス提供する(第26回、30回に出題)。
  • 地域密着型介護老人福祉施設:定員29人以下の特別養護老人ホームである。ユニット型地域密着型介護老人福祉施設では、家族や友人などが、気軽に宿泊できるように配慮する(第29回に出題)。

 地域密着型サービスは、原則として事業所のある市町村の住民が利用者である(指定を行った市町村の区域内に住所を有する者が主に利用する)、地元密着のサービスです(第29回に出題)。また、上記のような各種サービスをケアプラン(居宅サービス計画など)に位置づけ、手配する、居宅介護支援などのケアマネジャーが展開するケアマネジメントにおいて、アセスメントは利用者および家族に面接して行うことが、第24回で出題されました。
 上記以外のサービスについても、お手元のテキストで確認してください。また、障害者総合支援法が適用されるサービスについても、同様に学習してください。
 サービスに関して、筆記試験では他の科目でも出題されるとともに、さまざまなサービスに関する事例問題も、複数出題されています。前回(本講座第29回参照)に学習した理念などをふまえ、現場での実習や実務経験を思い起こしながら解答することで、正解を導くことができるかと思います。過去問解説集でも確認してみましょう。


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