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石橋先生の受験対策講座

石橋 亮一(いしばし りょういち)

忙しい日々の中で効率よく勉強するにはどうしたら?とお悩みのあなたに、ぴったりのガイド役となるのがこのコーナーです。介護の現場にも詳しい石橋亮一先生が受験勉強のポイントを講義します。

プロフィール石橋 亮一(いしばし りょういち)

介護福祉士/社会福祉士/介護支援専門員
社会福祉法人同胞互助会にて特別養護老人ホーム、在宅介護支援センター、株式会社ベネッセコーポレーションにてホームヘルプサービス、居宅介護支援事業等に従事。その後、地域や学校、介護サービス事業者・施設の研修講師・アドバイザー、介護認定審査会委員、東京都第三者評価員、介護サービス情報の公表制度調査員、特別養護老人ホームの施設長等に携わる。介護福祉士や社会福祉士、介護支援専門員などの受験対策講座も数多く行っている。『福祉現場のための感染症対策入門』(中央法規出版)も執筆。

第25回 こころとからだのしくみ(4)~食事、入浴・清潔保持関連~

 今回も、生活場面ごとに関連した、こころとからだのしくみについて学びます。
 第25回の国家試験では、仙骨部に皮膚の発赤がみられる場合の入浴介護の注意点、第31回では、入浴介護に関して、「浴槽からの立ち上がりは、ゆっくり行う」といった、生活支援技術にかかる事柄が、出題されています。
 「介護」領域にむすびついていく知識としても、理解していきましょう。


食事に関連したこころとからだのしくみ

  • ○食事は、栄養素をからだに取り入れ、エネルギー源にし、生体を構成する元となる。また、生体内の各種化学反応に利用するなど、活動や生命を維持するために不可欠な生活の営みである。食事とは、生活に楽しみをもたらし、QOL(生活の質)にも影響する重要な行為といえる。
  • 視床下部は、摂食行動や満腹感をつかさどる本能行動や、口の渇きにかかわる中枢として機能している。
  • ○食事の動作には、摂食・嚥下のプロセスという、先行期(食物の形や色、匂いなどを認知する時期。認知機能の影響を受ける。また、唾液分泌が増加する)、準備期(捕食、咀嚼、食塊形成という、口腔内で食塊を整える時期)、口腔期(舌で食塊を口腔から咽頭へ送る時期)、咽頭期(嚥下反射により、軟口蓋が挙上して鼻腔と咽頭部が閉じ、次に喉頭が挙上して喉頭蓋が閉じ、食塊が咽頭を通過し食道に運ばれる時期)、食道期(食塊が、食道から胃へ送られる時期)からなる段階がある。このうち口腔期から食道期を、嚥下3相(期)という。なお、反射とは、自分の意思とは関係なく生じる動きで、不随意運動ともいう(第24回、29回、32回に出題。第33回では事例問題として出題)。
  • 誤嚥は、食物や唾液を飲み込んだ時に、通常は食道へ行くはずのものが、誤って気管に入ってしまうことをいう。誤嚥を防止している部位として、喉頭蓋がある(第27回に出題)。
  • 脱水は、水分や、ナトリウムなどの電解質が不足した状態であり、食事や水分摂取量の不足、発熱、下痢などが原因となる。脱水時の状態・症状として、頻脈、めまい、活動性の低下などがある(第28回に出題。第27回では「発達と老化の理解」で出題)。

 第27回、28回の「生活支援技術」では、脱水の疑いがある利用者に関する事例問題が出題されました。また、第30回の「発達と老化の理解」では、嚥下障害(食事の時にむせる)について、出題されました。


入浴、清潔保持に関連したこころとからだのしくみ

  • ○入浴や清拭は、新陳代謝を促進し、筋肉の緊張や疲労を和らげるなど、心身の機能を高めるとともに、清潔を保つことで感染を予防し、爽快感を得るなど精神的な効果ももたらす。特に入浴には、温熱作用、静水圧作用、浮力作用があり、いっそうの効果を得ることができる。静水圧の直接的な作用として、下肢のむくみの軽減がある。一方で、入浴は、湯に浸かることで血管が伸縮し、血圧や脈拍が大きく変動し、心肺に負担がかかるため、食事の直後には入浴を避けるなど、気をつける必要がある(第26回、27回に出題)。
  • ○湯の温度が中温(38~41℃)の場合、副交感神経の働きが促進され、心臓の拍動や血圧が低下し、筋肉が弛緩し、リラックスできる。また、腸の働きが活発になり消化機能が亢進し、腎臓の働きも活発になる。湯の温度が高温(42℃以上)の場合は、交感神経の働きが促進され、筋肉が収縮、緊張し、心拍数や血圧が高まり、こころやからだを活動的にするよう作用する(第24回、28回、33回に出題)。
  • 皮膚は、外部からの衝撃を吸収し、生物学的な侵入を防ぎ(細菌の増殖などを抑えるために、表面は弱酸性になっている)、体内の臓器を保護するとともに、体内の水分や栄養分などの体外への漏出を防ぎ、保湿や感覚器、体温調節などの機能を有する(第26回に出題)。
  • 発汗は、視床下部にある体温調節の中枢が、自律神経を介して、汗腺に指令を出すことで生じる。エクリン腺から排出された汗は、皮膚面で蒸発する時に、からだの熱を放散し、体温を調節する。また、アポクリン腺という汗腺は、腋窩や陰部などに分布している。エクリン腺から出る汗が、水と電解質であるのに対し、アポクリン腺から出る汗は有機成分を含んでいるため、匂いがあり、体臭の原因の一つとなる。なお、皮膚からは発汗以外にも、1日に約500~600mlの不感蒸泄がある(第29回に出題)。
  • ○入浴時は服を脱ぐことで、からだを保護するものがなく、血流も豊富になるので、大事故につながる転倒を防止しなければならない。家庭内の不慮の事故死の原因として、浴槽内での溺死が多いことにも留意する。

 第34回では、大量の発汗がありながら、厚手の布団の中で体温が上昇した利用者、浴槽から急に立ち上がり、血圧の低下によりふらついてしまった利用者に関して、それぞれ事例問題として出題されました。


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