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石橋先生の受験対策講座

石橋 亮一(いしばし りょういち)

忙しい日々の中で効率よく勉強するにはどうしたら?とお悩みのあなたに、ぴったりのガイド役となるのがこのコーナーです。介護の現場にも詳しい石橋亮一先生が受験勉強のポイントを講義します。

プロフィール石橋 亮一(いしばし りょういち)

介護福祉士/社会福祉士/介護支援専門員
社会福祉法人同胞互助会にて特別養護老人ホーム、在宅介護支援センター、株式会社ベネッセコーポレーションにてホームヘルプサービス、居宅介護支援事業等に従事。その後、地域や学校、介護サービス事業者・施設の研修講師・アドバイザー、介護認定審査会委員、東京都第三者評価員、介護サービス情報の公表制度調査員、特別養護老人ホームの施設長等に携わる。介護福祉士や社会福祉士、介護支援専門員などの受験対策講座も数多く行っている。『福祉現場のための感染症対策入門』(中央法規出版)も執筆。

特集⑤合格者に聞く!私が受かった勉強法 社会 精神 介護
特集④ 受けてみよう!「模擬試験」のススメ! 社会 介護

第6回 人間関係とコミュニケーション

 こんにちは。
 前回は、「人間の尊厳と自立」について学びました。いかがでしたか。
 今回は、「人間と社会」領域の「人間関係とコミュニケーション」を学習しましょう。

コミュニケーションとは何か

 介護福祉職が提供するサービスが、利用者にとって安心、納得、信頼できるものであるためには、利用者や家族といかに良好な人間関係を築き、そのために、いかに適確で穏やかなコミュニケーションをとるかが鍵となります。
 サービスの提供は、基本的な人間関係(信頼関係)の形成から始まり、利用者を知り、理解していくために、意図的なコミュニケーションが必要となります。
 コミュニケーションとは、「複数の人間が、意思や感情、情報などの伝達を行い、互いに理解を深めてわかり合うこと」とされ、一方的なものではなく、双方向的なものです。この点については、第24回、31回の試験で問われました。
 また、利用者を理解する以前に必要な、自己覚知(介護福祉職が、自己〔自分〕の感情の動きとその背景を洞察することなどにより、自分自身を理解し、感情や態度を意識的にコントロールして、感情的な反応を示さないようにすること)について、第26回、32回で出題されました。第33回の「コミュニケーション技術」では、利用者と信頼関係を形成するためのコミュニケーション技術として、介護福祉職自身の感情の動きも意識しながら関わることが適切と、出題されました。
 なお、第29回、34回で出題された、自己開示は、自分自身に関する情報を、自身の意思により特定の他者に対して、言語を介して伝達することで、やはり利用者との良好な人間関係(信頼関係)を築くために行います。

コミュニケーションの基本的な技術

 本科目では、対人援助関係における、コミュニケーションの基本的な技術が出題されます。以下の事項を押さえておきましょう。

  • ○利用者とのラポール(信頼関係)形成の初期段階のかかわりでは、利用者の感情に関心を持ち、利用者の表情や動作を観察したり、さりげない会話をして、関係の構築を図る。また、利用者の感情をその人の立場になって理解して関わる、共感的態度が大切となる(第27回、28回に出題。第30回の「生活支援技術」では事例問題として出題)。
  • 対人距離には、物理的距離と心理的距離があり、この2つの距離は密接に関係している。相手との距離の取り方(物理的距離)は、相手に対する関心や気持ち(心理的距離)と関連している。
  • ○利用者の身体への接触は、共感やいたわりを表現する一方で、不快感を与えてしまうこともある。むやみに触れることは避け、利用者の気持ちを確かめながら慎重に行う(第24回に事例問題として出題)。
  • ○非指示的雰囲気づくり(語りの場の保証)とは、話を誘導するのではなく、徹底した傾聴的な態度で話を聴くことである。利用者の言葉にあわせてうなずいたり、穏やかなまなざしを向けて傾聴的態度を伝えるなどの技術を指す。
  • ○利用者の言葉を繰り返すことで、利用者は、あたかも鏡に向き合うように自分の気持ちに向き合うことができる。反射(感情の反射)とは、「つらいです」と言う利用者や家族に、「つらい気持ちなのですね」と返答するように、言葉や非言語的な表現で表した感情を、言葉にして利用者に伝えることである(第25回に事例問題として出題)。
  • ○利用者とのコミュニケーションを促す場面づくりとして、次のような技術がある(第25回に出題):
    • 座り方として、対面で向かい合う(対面法)より、直角に座る(直角法)ほうが、利用者は緊張せずに話しやすい。
    • ・対面で座る場合は、利用者が視線を向けることのできる花瓶などを机の上に置くとよい。
    • ・利用者に近づけば近づくほど、利用者を緊張させるおそれもあるので、適度な距離を保つことに配慮する。
    • ・座っている利用者に対して立ったまま話しかけたり、腕や足を組んだ姿勢は、利用者に威圧感を与えたり、利用者との関係を閉ざすことになるので控える。

 高齢者とのコミュニケーションにおける配慮として、相手と視線が合わせられる位置で話すことが適切と、第32回で出題されました。また、コミュニケーション技術の基本として、言葉だけではなく、表情やしぐさにも注意しながら聞くことが適切であると、第29回の「コミュニケーション技術」で出題されました。コミュニケーションは、言語的なものに加え、視線や表情、しぐさ、姿勢、動作、対人距離など非言語的な要素も重要ですね。第30回の「コミュニケーション技術」では、終末期の利用者に関して、第33回では、言語メッセージと矛盾する内容を非言語メッセージで伝えている利用者に関して、それぞれ事例問題として出題されました。
 なお、皆さんが受験する第35回から適用される、新しいカリキュラムでは、本科目で学ぶ項目として、チームマネジメントが追加されました。今後入手するテキスト(受験参考書)に、目を通してみてください。
 今回の学習は、後日学ぶ「介護」領域の「コミュニケーション技術」に結びつきます。学校での演習や実習、仕事の現場でも意識し、実践しながら習得していきましょう。
 次回は「社会の理解」について学習しましょう。


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