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受験対策講座

保育士・筆記試験の合格率は20%前後で難関といえます。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率のいい学習が不可欠です。このコーナーでは、近年の各科目の出題傾向や今後の対策について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

2024年4月試験に向けた講座がスタートしました!

第42回 令和4年後期・保育士試験「社会福祉」の内容や難易度は? 傾向と対策のポイント

橋本圭介(はしもと けいすけ)
ヒューマンアカデミー通信講座・保育士講師(主任)、学校法人三幸学園大宮こども専門学校専任講師。長年、保育士試験対策の講師をつとめる受験対策のプロ。

目次

令和4年後期試験の振り返り

令和4年後期試験「社会福祉」の全20問の出題内容とキーワードを示します。

問1 戦前の社会事業と、それに関わりのある人名の組み合わせ
 留岡幸助 石井十次 石井亮一 小河滋次郎
問2 「日本国憲法」の記述
 基本的人権 自由権 幸福追求権 生存権
問3 社会保障制度の組み合わせ
 社会保険 公的(国家)扶助 公衆衛生及び医療 社会福祉
問4 社会福祉の理念に関する記述
 エンパワメント ソーシャル・インクルージョン ノーマライゼーション
問5 子ども家庭支援の目的に関する記述
 バイステックの7原則 地域の子育て拠点
問6 児童福祉に関連する法令を制定順に並べ替える
 名称によって制定時代がわかる
問7 児童相談所が受け付ける相談に関する記述
 児童相談所は県に1か所の設置が義務付けられている
問8 児童福祉施設の第一種社会福祉事業と第二種社会福祉事業の組み合わせ
 助産施設 母子生活支援施設 保育所 児童家庭支援センター
問9 社会福祉施設に関する記述
 児童遊園 母子・父子福祉センターおよび母子・父子休養ホーム
問10 保育士の業務等に関する記述
 家庭支援専門相談員 保育士登録申請手続き
問11 相談援助の展開過程の中の「ケースの発見」に関する記述
 ケースの早期発見
問12 相談援助の展開過程の説明
 インテーク アセスメント プランニング モニタリング
問13 相談援助の専門性とその進め方に関する記述
 自己決定 相談援助者のペース
問14 相談援助の方法・技術とその説明
 チームアプローチ 社会福祉調査法 ソーシャルアクション
問15 ソーシャルワークの方法・技術に関する組み合わせ
 ケアマネジメント ネットワーキング ソーシャルアドミニストレーション
問16 「社会福祉法」で定めている福祉サービスの情報提供等に関する記述
 社会福祉事業 国と地方公共団体 利用する事項についての説明
問17 成年後見制度に関する記述に関する記述
権利擁護 任意後見制度 申し立て
問18 障害者に関する施策を古い順に並べる
 障害者に関する施策は頻繁に変更されている
問19 社会福祉協議会に関する記述
 地域福祉の推進 「福祉のまちづくり」
問20 「社会福祉法」第4条(地域福祉の推進)
 福祉サービス 地域社会 

今回の試験は「~に関する記述」を問う問題が目立ちます。これは、その分野全体がわかっていないと回答できないものです。


ピックアップ問題&解説

問4 次のうち、社会福祉の理念に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 権利擁護とは、当事者が持っている権利を擁護し、虐待や差別等から当事者を守ることである。
  • B エンパワメントとは、当事者自身が力を得て、自らの力で問題を解決していけるように側面的に支援することを意味している。
  • C ソーシャル・インクルージョンとは、国民に対して最低限度の生活を保障すること(最低生活保障)である。
  • D ノーマライゼーションとは、障害の有無にかかわらず、だれもが地域で普通に暮らせる社会を目指す理念である
正答 2
×

国民に対して最低限度の生活を保障すること(最低生活保障)が✕
これはナショナルミニマムの説明です。英語の名称は内容を理解すれば大丈夫!

問7 次のうち、児童相談所が受け付ける相談として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 児童の障害に関する相談
  • B 児童の保健に関する相談
  • C 不登校に関する相談
  • D 里親希望に関する相談
正答 1

すべて適切な記述です。全部〇が正解です。全部✕も選択肢には登場しますが、それが正答
になる可能性は低いです。それ以上に各選択肢の〇✕をきちんと出しましょう。

問9 次のうち、社会福祉施設に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 授産施設は、「生活保護法」に基づく保護施設である。
  • B 児童厚生施設の一つに児童遊園が規定されている。
  • C 母子・父子福祉センターおよび母子・父子休養ホームは、「児童福祉法」に基づく児童福祉施設である。
正答 1
×

Cの施設は、母子及び父子並びに寡婦福祉法が根拠法令です。意外な施設が意外な法律で根 拠されています。リストアップしておきましょう。

問 11 次のうち、相談援助の展開過程の中の「ケースの発見」に関する記述として、最も不適切な記述を一つ選びなさい。

  • 1 ケースの発見の契機は、直接の来談、電話での受付、メールによる相談、訪問相談等、様々である。
  • 2 利用者の能力や態度が相談援助の展開過程を左右することはある。
  • 3 接近困難な利用者が地域にいる場合、援助者は利用者の来訪を待つ姿勢が必要である。
  • 4 地域の関係機関等と日頃から連携を強め、ケースの早期発見に努めることは必要である。
  • 5 利用者と援助者との好ましい信頼関係を構築することは重要なテーマである。
正答 3

「利用者の来訪を待つ姿勢が必要である」ではなく、こちらから利用者のいるところへ出向いていくことが必要です。これをアウトリーチといいます。

問 17 次のうち、成年後見制度に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 成年後見制度の国の所管は、総務省である。
  • B 成年後見制度は、認知症、知的障害、精神障害等により、判断能力が不十分な人の判断能力を補い、本人の保護と権利擁護を図るための法律上の制度である。
  • C 法定後見制度および任意後見制度は、それぞれ「民法」に基づいている。
  • D 法定後見制度に関する申し立てをすることができる者は、本人、配偶者、4親等内の親族のみである。
正答 4
× × ×

A 成年後見制度の国の所管は、「法務省」です。
B 〇
C 法定後見制度は「民法」に根拠されていますが、任意後見制度は「任意後見契約に関する法律」で根拠されています。
D 申し立てができるのは、本人、配偶者、4親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人、検察官、市区町村長(一定の条件を満たした場合)です。

今後の勉強の方法

社会福祉は、子どもへの支援よりは保護者への支援の色合いが強い科目です。
まずはテキストをしっかり理解することが先決です。過去問題から出題のパターンに慣れることで、何を聞かれているかがわかります。
問われる内容は、いずれも保育士として知っておくべき社会福祉についての内容ばかりです。保育士は幼児教育従事者でもありますが、対人援助職でもあります。その観点で学習すると、理解が深まります。

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