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山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術

山口 晃弘(やまぐち あきひろ)

超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。

プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)

介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)がある。

著書

『最強の介護職、最幸の介護術』
『最強の介護職、最幸の介護術』

「北風に立ち向かう」

 介護業界が人材不足、経営難、と言われるようになって久しいです。
 2019年の「老人福祉・介護事業」の倒産件数は111件で4年連続100件を超えました。サービスの内訳をみると「訪問介護事業」が58件(前年45件)、「通所・短期入所介護事業」が32件(前年41件)と続いています。
 厚生労働省の発表によると、訪問介護事業の有効求人倍率が2019年の平均で14.75倍にもなっており、全産業の平均は1.60倍ですから、これがいかに厳しい数字か理解できます。

 そして、追い打ちをかけるように介護業界を襲うのが、この時期のインフルエンザ、ノロウイルス。感染症流行時期は、ご利用者に感染させないよう、職員たちも一層注意をはらいます。そんななか、さらに私たちを苦しませるものが今猛威をふるっています。
 新型コロナウイルスです。
 WHOが緊急事態宣言をし、日本でも感染が拡大の一途をたどっています。
 私が勤務する施設でも、面会やボランティアなどの出入りを止めることになりました。
 リーダーは決断するのが仕事です。どのような選択をしても、必ず反対意見があるものだから、誰かがきちんと決断しなければいけないのです。決断とは「断つものを決める」と書きます。リーダーには勇気と強い意志が必要です。

 なかでも、一番つらい決断だったのは、実践報告会の延期です。
 3月13日に開催が決まっていたこの会は、準備もいよいよ佳境に入り、参加希望もどんどん集まり出しているところでした。
 せっかく機運が高まっているところなのに…。私自身も悔しくて仕方ありませんでした。しかし、これだけ大掛かりなイベントを延期する決断をできるのは私だけです。
 それぞれの想いもあったはずですが、この悔しさは再開催が決まった時に晴らします。

 前の課題が解決できないまま、次々と新たな課題が押し寄せてくる介護業界。
 迫りくる2025年問題。
 だけど私は明日を信じます。

 コロナウイルスの感染予防の対応に追われるなか、職員たちがサプライズで誕生日のお祝いをしてくれました。
 こんな優しい子たちが一緒にいてくれる。
 この子たちとなら、ニッポンのミライを明るくできる。
 私はそう信じています。