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山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術

山口 晃弘(やまぐち あきひろ)

超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。

プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)

介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)、『介護リーダー必読! 元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダシップの極意』(中央法規出版、2021年)がある。

夢無き時代と嘆く世に……

 厚生労働省で福祉人材確保対策室室長とお会いしました。
 先日、介護福祉士を養成する全国の大学や専門学校などで2016年度、定員に対する入学者の割合が約46%だったことが報道されたばかり。これを受け、正に「福祉人材確保」が急務となっており、室長と意見交換をしました。

 厚労省の調査によると、賞与などを含めた介護職の給与は月平均約26万円。全産業と比較して約10万円低いことになります。夜勤の拘束時間が長いなど、処遇に関する課題が取り上げられ、これに対し同省は、介護職の給与を増やすこと、資格取得のための修学資金貸付制度など、改善に努めています。

 これまでも、裾野を広げる取り組みはされてきました。失業者に対する求職者支援、住居を持たない方に対するチャレンジネット、もちろん、これらの取り組みによって、現在介護現場で頑張ってくれている方はいます。しかし、その一方で、就職しても長続きせず、離職者が多いのも事実です。

 裾野に人を集めて、「さあ、この山の頂上を目指して頑張りましょう!」と声をかけても、その目指す山の頂上に魅力を感じなければ、人は山を登るでしょうか。苦難に立ち向かうでしょうか。裾野を広げることも大事ですが、私は目指すべき山の頂上を明確にするべきだと思います。そしてその頂上は、苦難を乗り越えてでも目指す価値がある……魅力的なものにしなければならない、そう思っています。

 介護の仕事を頑張っていれば、どのように成長できるのか。高齢者を敬い、大切にすることで、どのような社会が待っているのか。今回はその具体的な方法を、大きく分けて2案、室長とお話してきました。実現するかどうかは分かりません。ただ、室長が共感してくださったことは嬉しかったです。

 私たち介護「現場」の人間は、目の前の高齢者のために、どうにかしたいといつも奔走しています。しかしながら、制度に振り回されがちな昨今。その矛先は、管轄である厚労省などに向かいます。今回、室長とお話する中で、厚労省の人たちも日本の介護を良くしたいと思って奔走していることが伝わってきました。

 室長はじめ、厚労省で働く人たちも、「現場」の人たちなのです。だからこそ、山の頂上を明確にし、目指す価値のある魅力を創造していくことは、介護現場の私たちがやるべき仕事なのではないか、そう思うのです。

 現実の厳しさに振り回されてばかりの今の時代。そんな時代を憂いているだけでは何も変わりません。
 夢無き時代と嘆く世に、夢を創れる人となれ!


追伸

 2月22日(水)東京新聞、中日新聞の朝刊に取材記事が紹介されています。
 よろしければ、ご覧になってください。

お知らせ

 私の勤務する特別養護老人ホーム千歳敬心苑が、開設20周年記念として『実践報告会』を開催します。

 平成29年3月10日(金)19:00~20:30 ※開場:18:00
 会場:烏山区民会館大ホール ※京王線「千歳烏山駅」より徒歩1分


 皆さまのご参加、心よりお待ちしております。

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