辻川泰史の介護事業経営に必要な考え方
一期一会の出会いを大切にし、介護のプロとしてサービスを提供する辻川泰史さんによる、これからの事業所運営の指南ブログ。
- プロフィール辻川 泰史 (つじかわ やすし)
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1978年東京都生まれ。98年、日本福祉教育専門学校卒業。
老人ホーム、在宅介護会社勤務を経 て2002年、(有)はっぴーライフを設立(05年に株式会社化)。08年、(株)エイチエルを設立。現在、コンサルティ ング、講演、セミナーなどでも活躍中。
著書に『福祉の仕事を人生に活かす!』(中央法規、2009年)がある。
はっぴーライフHP
http://www.hl-tokyo.com/
対談ムービー http://www.youtube.com/user/2g66
介護記録
今年の7月より、岩手県洋野町にある法人の依頼で、毎月研修を企画・実施しています。去る6日には、貝塚ケアサービス研究所の貝塚誠一郎所長に講義を依頼しました。内容は、介護記録に関するものでした。その内容の一部を紹介します。
良い介護記録について、貝塚所長は下記の事柄を挙げました。
- ・利用者の生活の様子が浮かぶ
- ・職種間で記録がまとめられている
- ・介護計画に基づいて書かれている
- ・利用者や家族が読んでも分かりやすい
- ・利用者の生活やサービスの継続性が書かれている
- ・専門用語や略語を使用しているが、理解できるツールが書かれている
- ・事故等アクシデントの際に、時系列で書かれている
これらに共通している点として、わかりやすさが大切だと再認識しました。逆に、良くない記録としては下記にある事柄が挙げられていました。
- ・利用者の生活の様子が浮かばない
- ・職種ごとに記録が存在している(他職種がみられない)
- ・介護計画と連動していない
- ・利用者や家族が読んでも理解しにくい
- ・専門用語や略語を使用しているが、理解できるツールがない
- ・事故等アクシデントの際に、時系列で事実が追いかけられない
介護記録は義務づけられていることなので重要です。研修の中で貝塚所長が話していた次の3点は大切な概念です。
「記録は、利用者の顔である!」
「記録は、利用者の生活の様子を表したものである!」
「記録は、介護従事者が行った専門性(サービスの質)を表したものである!」
何気なく毎日行っている記録という業務。日々行うと、作業的に画一的な記録になってしまうことがあるかもしれません。しかし、記録はその利用者の人生、生活の一日を記すものです。
作業ではなく、仕事として行うためには、利用者の顔を思い浮かべる、スタッフの介助を思い返しながら行うことで質は高まると感じました。