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高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?

高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。

プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

日本語の書き方~文章・記録の上達術~

 水曜日、東京都小金井市のケアマネジャーや地域包括支援センターのみなさんを対象に「文章と記録の上達術」の研修でした。
 この研修会のポイントは、単なるケアプランや支援経過記録の書き方ではなく、そもそも「日本語文とはなんぞや?」という問いから始める点です。


 研修の始めに、みなさんがどのような点で困っているかを話し合ってもらいます。するとほとんどの方が・・・
  • ・何を書いていいかわからない
  • ・ダラダラとした文章で長くなる
  • ・よくわからないと言われる
  • ・「~とのこと」ばかりを書いている

 などなど、悲痛な声を聞きます。あるケアマネジャーは「先日、都の監査があり、ケアプランと支援経過記録を見て、数行しか書いていないので“あまりに薄いですねぇ”と指導されました」と話していました。

 さて、どうしてそうなるのか・・・
 このような研修会だと、現場をやっている講師の方は、すぐに「ケアプランは〇〇のように書きましょう」「支援経過は~~~のように書けばよいでしょう」と見本を見せて、まずは模倣することを求めます。たしかにそれでもいいのかもしれませんが、模倣文しか書けなくなります。つまり応用が効かないのですね。

 これでは型通りの文章しか書けずに、本当の実力を向上させることにはなりません。ですので、7年前から「日本語の特徴と書き方」を必ず1時間はお話しをするようにしています。
 小金井市では、今回の「日本語の書き方」で3時間、11月研修で「ケアプラン、支援経過記録の書き方」で3時間と、なんと合計6時間もできるので、かなりていねいに行いました。


 日本語文の構造をお話しします。
 「日本語文には、主語と述語があり、ほかには形容詞、副詞、接続詞、接続助詞があります。さらに場所や状態、動作の様子などを表す表記があります。かならず述語は文章の終わりに来る、これが最大の特徴です。でも主語や場所や状態などを表す単語や文節は、いろんな場所に移動してしまう性質があります。つまり、どのように話してもそこそこ伝わるという点が特徴です」


 ですので、つぎにやるのは、「主語と述語」探しというゲームのような講義です。「これは小学校3年生レベルです。みなさんの学歴を疑っているのではなく(笑)、ダラダラ文になる原因は、ここにあるからです」と説明してから進めます。
 ここでのポイントは、「なんとなくできていること」と「正確に行えること」には、かなりの距離があるということです。そこをしっかりと埋めないといつまでたっても書ける力は育ちません。

 つぎに「接続詞」をやります。
  • ・順接の接続詞・・・だから、それで、すると、等
  • ・補足の接続詞・・・そして、それから、また等
  • ・逆接の接続詞・・・しかし、けれども、一方等
  • ・例示の接続詞・・・たとえば、実際に、とくに等
  • ・言い換えの接続詞・・・つまり、ようするに等
  • ・結論の接続詞・・・このように、結局、結果等

 などを話してから、いろんな接続詞を使って文章を実際に書いてもらいます。


 するとどうでしょう、書けるんですよねぇ、みなさん。
 実に見事に文章らしく(失礼!)書きあがっていくのです。この実体験はなかなかのものらしく、グループで発表してもらうと、「おおお、おもしろい。よくわかります」と歓声があがり、みなさんの表情に笑顔が広がります。


 この研修で、一番の難関は「国語の授業」のようになることです。日本語文の説明をすればするほど、眠くなる・・・(^^;)。正直、どんどん、つまんなくなっていきます。しかし、基本を押さえないと力はつきません。だから笑いを入れ、達成感も実感してもらいながら進めるのは、なかなか至難の技です(^_^;)


 とても、みなさん、充実した表情が印象的でした。

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    |日 時|11月22日(日)10:30~17:00
    |詳 細|WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2711.shtml
  • シリーズ(7)「めざせ、モニタリングの達人!~ケアプラン評価とリスクマネジメント~」(定員20名)
    |日 時|12月13日(日)10:30~17:00
    |詳 細|WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2712.shtml
 全国研修の様子は、ケアタウン総合研究所の公式FBをご覧ください。

研修会場・写メ日記

東京都特別区職員研修所主催 「高齢者のリアルと多職種連携」

茅ヶ崎市介護サービス事業者連絡協議会・茅ヶ崎市研修会
「本人らしさ」を引き出す相談面接技術~「法令遵守」と「チームケア」~

府中市 地域包括支援センターにしふ主催
「ケアマネジャーの交渉力」