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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第82回 日本初!補助犬トイレ実演!のご報告

 皆さん、素敵なGWをお過ごしになったことと思います。私も実家の京都に帰り、同級生と会ったり、いとこと遊びまくる子ども達に振り回されながら、楽しく過ごし、リフレッシュしてまいりました! 新緑の季節、前向きに頑張っていきましょう!

 さて、先週もご紹介しました、「5月22日ほじょ犬の日啓発シンポジウム」。ぜひ、皆さん議員会館へお集まりください! 補助犬たちと一緒に、補助犬のこと、障害者のこと、考えてみましょう♪

堂々たる実演!プロ意識を感じました!!!

 今回は、補助犬トイレ実演のご報告をさせていただきます。
 京王プラザホテルでのボランティアプラザにて、補助犬デモンストレーションを実施し、続けて補助犬トイレ実演を実施いたしました。12回目となるボランティアプラザでしたが、トイレ実演は初の試み! 補助犬関係者一同、期待と不安が入り混じった、大きなチャレンジでもありました!

 トップバッターは、盲導犬PR犬のエース君。トレーナーさんからは、補助犬ユーザーさんによる排泄管理の方法や、トレーニングに関して簡単にご説明いただき、用具も実物を見せながら解説いただきました。

 補助犬ユーザーさんは皆さん、自分のパートナーである補助犬の、排泄のタイミングや癖を記憶しています(しっかりと合同訓練中に学びます)。3歳児の保護者と同じ感覚です。先の行動を計算し、どのタイミングで、どこで排泄させるのか?を常に計算しています。逆に、その計算・管理ができる人でなければ、ユーザーになることはできません。これは、犬という生き物とともに社会参加するための最低限のマナーであり、犬に対しても社会に対しても大きな責任です! 犬が決して我慢させられているわけではないこと、おわかりいただけると思います。

 ただ、視覚障害者が排泄物の場所を探し、片付けることは至難の業です。そこで発案されたのが、この排泄ベルトです。このベルトにビニール袋を合体させ、装着することで、犬の排泄物が大小ともに袋の中に入ってくれます。小の場合は、凝固剤を事前に入れておくことで、固まってしまうので、ゴミとして処理できて便利です。

 実際に排泄ベルトを装着しての実演! 大勢の視線が集まる中、どうなるかな~と見ていたら……

エース君、排泄ベルトを装着され・・・

「ワン、ツー、ワン、ツー」の指示で、
エース君みごとに成功!!!(拍手)

 大きな拍手をもらい、なんとも誇らしげでした♪ さすが!プロですね~♪(笑)


 続けて、介助犬PR犬チャロ君による実演です。介助犬ユーザーさんは、車椅子利用者が多いので、下に落ちた排泄物の処理が大変です。各人、手の状態や力の入り方などが異なりますので、その人それぞれに合わせた処理の道具を、OT(作業療法士)の先生方とチームになって開発します。
 例えば、基本的にペットシーツの上で排泄できるトレーニングをしているので、障害者用トイレなどのスペースがあれば、その中で排泄が可能です。事前にペットシーツの角に輪っかをボランティアさんや家族に付けておいてもらい、排泄後「リーチャー」というフォークの先端が付いた伸縮性の棒を使って手繰り寄せ、自分の膝元までシーツごと持ち上げて、排泄物の処理をする方法もあります。
 そのほか、握力が多少残っている方であれば、これもまた伸縮性の【魚をすくう小さな網】の部分を袋に変えて、排泄時にその中に出るようにキャッチする方法など、さまざまです。

 どんな方法にせよ、排泄は生理現象ですので、無理に我慢をさせたり、ストレスを感じさせながらの方法は選ばず、その犬の負担にならない方法を探して実施します。

チャロ君、トレーナーさんにアイコンタクトをもらい
「がんばって」と。

「ワン、ツー、ワン、ツー」の指示で、
チャロ君みごとに成功!!!(拍手)

 こうして、補助犬トイレ実演は、無事に終了いたしました。
 参加くださった方からは、「受け入れにあたっての、不安が激減しました!」とか、「日ごろ、障害者の方々が、様々な思いと努力をしながら社会参加されていることを思い知りました。勉強になりました」とお声がけいただき、非常に充実した時間になったと感じました。

 このような素晴らしい機会をいただきました、京王プラザホテルの皆様に心より感謝申し上げます。また、ご協力いただきました補助犬ユーザーの皆様、訓練事業者の皆様、そしてご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。ぜひ、継続実施していきたいと思っておりますので、引き続き、応援よろしくお願いいたします。

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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