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受験対策講座

保育士・筆記試験の合格率は20%前後で難関といえます。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率のいい学習が不可欠です。このコーナーでは、近年の各科目の出題傾向や今後の対策について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

来シーズン(2023年4月試験)に向けた講座は、11月1日よりスタートします!

第23回 受験対策講座 令和4年・4月試験「保育原理」科目について

河合英子(かわい えいこ)
保育士。東京都内認可保育所元園長。学校法人三幸学園大宮こども専門学校専任講師。小田原短期大学非常勤講師。

 4月の試験を受けた皆さん、お疲れさまでした。一緒に振り返りをしていきましょう。また、これから受験を予定している皆さん、その傾向を探り、対策をしていきましょう。

全体的な出題傾向と今回の試験との関連

保育所保育指針

 まず、この科目の肝は「保育所保育指針」だとしっかり自覚しましょう。必ず出題されます。「保育はこうあるべき」であると保育所保育指針の内容を述べているテキストも多くありますが、出題は内容を問うものばかりではなく、保育所保育指針の原文の穴埋めや正誤を問うなどの出題があるのはみなさんご承知の通りです。しかもその出題率は、令和4年4月は20問のうち11問となっています。

 問1は、第1章総則の「養護に関わるねらい及び内容」から養護のねらいの原文の穴埋めが出題されています。原文の穴埋めと言っても、単語ではなく文章まるごとですから、一度も見たことがなければ解答は難しいものとなります。

 問2は、第1章総則の「保育の環境」について、それに基づく保育の内容の〇×です。保育の環境は文章的には本当に少ないですが、大事なところです。なぜかというと日本の幼児教育の理念は「環境を通して行う保育」であるからです。以前は原文穴埋めの形式が多かったのですが、今回はその理念に基づく保育の環境について述べた意見に対して適切か不適切かという問いでした。

 問4は、第1章総則の「保育内容の評価」について、その原文の正誤が問われました。
 問5は、第1章総則の「指導計画の作成」方法について問われました。原文の「作成時の留意事項」を理解したうえでの障害児保育の在り方を〇×で解答します。障害児保育の指導計画の作成は、令和3年前期にも出題されています。
 問7,8,10,11,12、18、19と保育所保育指針に関わる出題です。

制度の変遷

 問3は、保育所保育の変遷についてですから、保育所保育指針が改定された変遷を理解しておくとよいでしょう。
 問13は、児童憲章、母子保健法、子ども・子育て支援法、児童の権利に関する条約とは、どんなものなのか確認しておくことが大事です。
 問14は、児童福祉法に規定されている各種事業についての理解、問17は子どもの権利に関する記述を古い順に並べるジュネーブ宣言からはじまるその順番を理解しておきましょう。
 今回は「児童福祉施設に設備及び運営に関する基準」からの出題がありませんでしたが、例年よく出題されますので、特に33条から36条はよく読んでおくことをお勧めします。

人物と思想

 問15は、日本の人物と業績を結ぶ問題でした。選択肢は、松野クララ、土川五郎、東基吉、野口幽香、倉橋惣三でした。いずれも日本の教育史によく登場する人物ですので、その業績を理解しておきましょう。
 問16は、外国の人物と業績を結ぶ問題でした。選択肢は、オーエン、フレーベル、マズロー、ルソー、モンテッソーリとこちらも定番の人物ですので、その業績と共に理解しておきましょう。

子どもの権利に関すること

 問17子どもの権利に関する記述を古い順にならべる問題でした。最近、SDGsの影響で、子どもの人権が何かと話題になります。しばらく保育原理では人権についての出題は見られませんでしたが、これからはまた出題が増えるのかもしれません。

保育所保育指針の考えに照らして考える事例問題

 問18、19が該当しますが、今回の事例は特にひねりのあるものではなく、保育所保育指針の考え方を理解していればすぐにわかる問題です。

次に、合格に向けて、学習ポイントをお伝えしておきます。

 ①保育所保育指針は、億劫がらずに必ず全文を読むこと。原文を読んでおくことが大切です。読んでみると難しいことはなにもなく、子どもを育てていく上で、人として当たり前のことが書かれていることに気付かれるでしょう。また、覚えておくべき重要語句は『わかる!受かる!保育士試験合格テキスト2023』の中で赤文字にしていますので、ご活用ください。

 ②関係法令についてですが、令和4年4月は出題がありませんでしたが、例年「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」はよく出題されます。特に33条から36条は目を通しておきましょう。

 ③人物と思想について、近年は日本人も外国人も令和4年4月試験のように、保育原理では、定番と言われるよく知られた人物が多くなりました。以前はどのテキストにも数えきれないほどの人物が掲載されており、受験生はとても苦労をしていましたが、定番と言われる人々についてその業績をしっかりと覚えることをお勧めします。

 ④テキストや問題集は、1冊を丁寧にやり抜くこと。特に試験日が近づくと不安になり、いろいろ買い込む方が見受けられますが、それは不安が増えるだけです。自分を信じてその一冊をやり抜いてください。なお、テキストも問題集もその出題傾向に合わせて毎年新しいものが出版されます。より効果的に学ぶためにも新しいもので学ぶことをお勧めします。

最後に

 保育の仕事は、とても楽しくやりがいのある仕事です。子どもは、先生の姿を見ながら「生きる力」を学んでいきます。子どもが憧れる素敵な先生の誕生を心から祈っています!