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山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術

山口 晃弘(やまぐち あきひろ)

超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。

プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)

介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑にて人材育成担当。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)がある。

著書

『最強の介護職、最幸の介護術』
『最強の介護職、最幸の介護術』

俺たちは夢を見る!

 私が勤務する社会福祉法人老後を幸せにする会が、実践報告会を開催します。

 日時■平成27年3月13日(金)19時~
 場所■玉川区民会館(東京都世田谷区)

 当法人の実践報告会が産声を上げたのは、今から9年前。平成19年3月のことでした。私が所属していた特別養護老人ホームさつき荘が始めたものです。3本の事業計画を1年間かけて実践し、それを利用者、ご家族、関係者や地域の方に聴いていただきます。


 当時、私はこれを「株主総会」と位置づけていました。私たちのように介護保険の下に運営する事業所は、国民の納める介護保険料や税金で一部運営しているわけです。政治家に説明責任があるように、私たちの職業も、皆さまの介護保険料などを使ってどのような運営をしているのか、説明する義務がある。それが私の持論でした。

 生活相談員だった私が介護職にこれらを説明した時のリアクションは、散々なものでした。「こんなに忙しいのに、これ以上何をやらせる気だ!」

 確かに。介護人材の不足は、今に始まったことではありません。彼らの気持ちは痛いほど分かりました。しかし、私の目標は「介護職の地位向上」。これを実現するためには、必要不可欠なことだったのです。

 結局、半ば無理やり始めた実践報告会は大盛況。お客さまが感動してくださったと同時に、苦労してここまでたどり着いた介護職も感動していました。

 それでは、なぜ介護職の地位向上が必要なのでしょうか。

 医療や食文化などの目覚ましい進歩により、現在は100歳を超える方が約6万人。認知症や要介護状態になることは、もはや人生の通過点となりました。

 寿命が延びる一方、少子高齢化、長引く不況などの影響によって、子が親を介護するのは難しくなっています。そのような中、認知症になっても、介護を要することになっても、幸せな老後を過ごせるかどうか。それは介護職にかかっているといっても言い過ぎではないでしょう。

 だからこそ、介護職は誰でもなれる職業ではなく、すぐれた人材が就くべき職業なのです。すぐれた人材といっても、IQが高いとか、高学歴とか、ナレッジワーカー(知的生産者)を指しているのではありません。倫理観や道徳、人の痛みや苦しみの分かる、やさしくて思いやりのある人です。

 他にも必要な能力があることはいうまでもありませんが、そんなものは後から付いてきます。こういうベースをもった人間が介護職になり、高齢者の介護を行うことで、「苦労して長生きした甲斐があった」と思える社会になると考えます。

 これが、私たちの「夢」です。最初に作った実践報告会のパンフレットは、真っ白な表紙に「俺たちは夢を見る!」とだけ書きました。あれから時が経ち、今は「超幸齢社会を創造します!」というカッコイイ言葉に変わりました。それでも、私たちの夢はまだ途中です。どうか、3月13日は、私たちの夢を応援しに会場へお越しください。よろしくお願い致します。